大飯再稼働:「原発ゼロ」に焦り 安全と必要、疑問符

毎日新聞 2012年04月14日 00時09分(最終更新 04月14日 00時22分)

原子力発電所に関する首相と3閣僚による会合後の記者会見で大飯原発の再稼働についての質問に険しい顔を見せる枝野幸男経産相=首相官邸で2012年4月13日午後7時56分、梅村直承撮影
原子力発電所に関する首相と3閣僚による会合後の記者会見で大飯原発の再稼働についての質問に険しい顔を見せる枝野幸男経産相=首相官邸で2012年4月13日午後7時56分、梅村直承撮影

 枝野経産相がやり直しを指示した9日の需給試算を政府はわずか4日で見直した。新たな試算は水力発電の拡充などで供給力を高めたものの、昨夏並みの需要で5.5%の供給力不足に、猛暑だった10年夏並みの需要なら18.4%の供給力不足になる恐れがあるとした。供給力不足は前回の試算に比べて1.2〜2.1ポイント改善。昨夏並みの需要なら、大飯原発2基(出力計236万キロワット)が稼働すれば供給力は2.9%の余力が生じるという。ただ、昨夏は15%の節電要請を踏まえた需要のため、関電は「(2基が)稼働しても厳しい」(岩根茂樹副社長)と今夏も節電要請をする方針だ。

 ただ、原発がすべて停止したままの供給力2631万キロワットを、昨夏の実績(7月1日〜9月22日の節電要請期間)が上回るのは昼間のピーク時間を中心にした計19時間で、全体のわずか0.9%。ピーク時に節電すれば電気料金を割り引く仕組みを作ったり、反対にピーク時の電気料金を高く設定して使用を抑えれば、大規模停電などには至らないとの指摘もある。効率的な節電対策には「ピーク時の対応を考えることが有効」(稲田義久・甲南大経済学部教授)との見方は多い。

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