大飯再稼働:「原発ゼロ」に焦り 安全と必要、疑問符

毎日新聞 2012年04月14日 00時09分(最終更新 04月14日 00時22分)

原子力発電所に関する首相と3閣僚による会合後の記者会見で大飯原発の再稼働についての質問に険しい顔を見せる枝野幸男経産相=首相官邸で2012年4月13日午後7時56分、梅村直承撮影
原子力発電所に関する首相と3閣僚による会合後の記者会見で大飯原発の再稼働についての質問に険しい顔を見せる枝野幸男経産相=首相官邸で2012年4月13日午後7時56分、梅村直承撮影

 産業の空洞化を招くリスクもある。不足する電力は現在、火力発電で穴埋めしているが、燃料費の高騰で電気料金の値上げ懸念が強まれば、製造業を中心とした企業の海外移転に拍車がかかる恐れがある。イランは原油輸送ルートであるペルシャ湾ホルムズ海峡の封鎖を示唆しており、原油価格が上昇傾向にあることも懸念材料だ。

 政権が再稼働についての判断先送りを続ければ、難航する東京電力の会長人事に影響するとの見方もある。首相周辺は「再稼働できるものは再稼働させるという政権の意思がはっきりしなければ、会長のなり手は出てこない」と話す。

 ただ、政府は大飯原発の再稼働にこぎ着けても、個別の原発ごとに安全性や必要性を判断する方針だ。枝野経産相は13日の記者会見で「その都度、安全性と必要性について両面から判断をしていく」と説明。大飯原発の再稼働は他の原発を再稼働させる突破口にはしないと強調した。東電柏崎刈羽原発の地元である新潟県では今秋、知事選を控えており、「とても柏崎刈羽原発の再稼働に踏み切れる状況にはない」(政府関係者)との事情もある。

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