第5話
「ただいま。」
「遅かったのね。どこか行ってたの?」
母が心配そうに聞いてきた。
・・キャバクラで働く事になった。なんて言えないよ。。
「お母さんあのね、私今日バイトの面接行って来たんだ、居酒屋なんだけど
面接受かって明日から来てくださいって言われたから、でね、2時までだから
帰るの遅くなるんだ、頑張るから。今まで二ートで迷惑かけてごめんね。」
「そうなの?2時までって・・遅いのね、帰り大丈夫?」
「大丈夫だよ!駅近くだし、明るい道通って帰るから。」
「頑張ってね。」
「うん。今日はお風呂入ったらもう寝るね。おやすみなさい」
「おやすみ、さやか。」
居酒屋・・でバレないかな。
多分大丈夫だよね。よし。お風呂入って早く寝よう!
私はお風呂に入ってさっぱりしてから、布団に入って寝る準備をした。
気分がウキウキしてて、寝ようって思ってもなかなか寝れなかった。
ぼーっと天井をながめながら・・明日の自分がどんな風になるのか、
期待の気持ちで胸がいっぱいだった。
・・結局朝まで寝れなかった。
夕方時間ギリギリに目が覚めて頭がぼーっとしたままの私は
母に「行ってきます」の一言だけ言い、家を出た。
急がなくちゃ!!走って間に合うかな・・!!
後30分で5時だよー!!
走って行って5時5分前に店に着いた。
「すみません クリムです。失礼します。」
「おはようございます。では、行きましょうか。」
店長は車で美容院迄連れて行ってくれた。
「佐藤です。今日はこの子をお願いします。エクステとカット&カラ〜で。
色はマロンブラウン・髪はアップにして下さい。では、また出来てから迎えに来ます。」
店長はそう言って店を出た。
店長?!帰っちゃった・・どうしよう。
美容院なんて来た事ないよ・・。いつも近所の散髪屋で切ってもらってたし
髪も染めた事ないし・・エクステって何だろ。。
「まず髪をカットしていきますね。それから毛染めをしてエクステを付けていきます。」
「あ、はい。」
「佐藤さんの店の方ですよね?あそこの女の子を佐藤さんがいつも連れてきてくれて。
でも女の子が一人で次この店に来る時、見た目が変わってて全然分からなかった!って
事が多いんですよ。聞くところによると変身キャバクラだとか。すごいですよね。」
「そうなんです。私も変われるか、不安で。」
「大丈夫じゃないですか?本当にびっくりするくらい、皆変わってますよ。」
「だといいんですけど。。」
話がはずまないまま、私は無言になってしまった。
「終わりました。鏡を見て下さい。アップはこんな感じでいいですか?」
わーすごい!!髪が・・真っ黒だった髪が明るくなって、何か雰囲気が・・
でも顔が浮いてる気がする。早く化粧してもらいたいなぁ。
「はい!大丈夫です。ありがとうございます。」
「ありがとうございました。」
外に出たら、店長が待っていた。
「では、店に戻りましょうか。化粧をしましょう。」
「はい。」
私達は店に戻った。
続く
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