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「働かずパチンコばかり」福島いわき市長が漏らした市民の本音- ゲンダイネット(2012年4月14日10時00分)

 <ここにも無策政府のツケ>

 

  福島県いわき市の渡辺敬夫市長(66)の発言が波紋を広げている。

  9日、市役所で平野達男復興相と会談した後、取材記者に対し、福島原発事故で市内に避難中の福島・双葉郡の被災者について「東京電力から賠償金を受け、多くの人が働いていない。パチンコ店も全て満員だ」と漏らしたというのだ。市に事実関係を聞くと、職員がこう答えた。

 「市長自身の考えではなく、『市民からそういった声がある』との趣旨で発言したようです。(被災者は)パチンコばかり? さあ、日中の人出が多くなったのは確かだと思いますが……」

  いわき市内の仮設住宅で暮らす双葉郡の被災者は約2万5000人。原発事故で着の身着のまま自宅を飛び出し、いまだに故郷に戻るメドは立っていない。東電との賠償交渉に疲れ、働きたくても職がないのだから気分転換でパチンコに走る人がいても不思議じゃない。「昼間からブラブラせずに働け」なんて、思っていても口に出してはならないセリフだ。

 

  渡辺市長はなぜこんな市民の声を代弁したのか。

 「いわき市は人口約33万人の静かな町です。そこに突然、人口の1割近くの流入被災者が“同居”する事態になったのだから、地元住民の間に違和感が生じるのもムリはありません。それに、いわき市自体も震災で大きな被害を受けている。地元住民からすれば『俺たちだって被災者だ』という感情があるでしょう。そんな中で、今度はいわき市が双葉郡の自治体機能が集団移転する『仮の町』候補地と新聞で報じられたのです。渡辺市長にすれば、『聞いてないよ』という気持ちもあるのでしょう」(市民)

  地域住民の流入住民への不満。ニュースにならないが、被災地周辺ではいくらもあり得る話だ。野田政権が消費税増税に血道を上げるばかりで、有効な復興策を進めないから、イラ立つ住民が増えるばかりだ。

 (日刊ゲンダイ2012年4月11日掲載)

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