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催眠術で女子高生!?(7) by 抹茶レモン

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――あれから数時間後。

「……し、しぬ……!」ベッドに横たわりながら一言。
 朝から散々な目に遭った。いや、『遭わされた』というのが正しいか。
(なんで俺があんな目に……)
 思い出したくも無い出来事がふと、脳裏に浮かんでくる。
(あぁ、もう嫌だ……!)

『服を脱がされたときのこと』

「うぅ…………」
「英ちゃん、もじもじしないの。調べにくいでしょ?」
(し、調べにくいって)
 裸の状態で堂々としていろ、という方が無理だと思う。
「ん~それにしても――」
(な、なんだ?)
「ひいっ!」
 スゥ……と背中で何かが這う。
「――お肌つるつるすべすべねぇ、英ちゃんのお肌」
「~~っ!」ゾクゾク、不気味な寒気が身体中を包む。
(そんなの、全然嬉しくない!)
「そ・れ・に……」ふふっ、と軽く笑う。
「!?」
「こうすると、やっぱり綺麗よねぇ?」
 ふに、ふに、と後ろから俺のあれを優しく揉む。
「あぁ! そ、そこはだめっ――」
「じゃあ……」手を止める。
「……ここは、どうかしらぁ?」ゆっくりと下に向かって指が動く。
「っ! やめろ――」慌てて防御しようとする。
「うふふ、可愛いわよ英ちゃん!」さらに手を怪しく蠢かす母さん。
「ひゃああああぁぁ!!」

 女のなりたての自分の身体をあんなところやこんなところまで、徹底的に調べられた。
 正直、自分じゃ無くなっていくようで本当に怖かった。

『昼食のときのこと』

「ほら英ちゃん、あ~ん」おかゆをレンゲですくい、俺の口元に運ぶ。
「い、いいって……」
「うんうん、英ちゃんもいきなり可愛い女の子になって色々と不安よね――」割と本気な表情でそう語る。
(可愛い女の子……)その言葉に少しだけ意識してしまう。
「いや、そういうことじゃなくて!」
「――だから、お母さんが一生懸命お世話してあげるからね」そして柔和な笑みを俺に向ける。
「うっ……」
「はい、あ~んして英ちゃん」
(うぅ!)
 さすがにここまで言われれば、従う以外の余地はない。
(耐えろ、耐えるんだ俺!)
「あ、あ~ん?」目を閉じて、口を少しあける。
「いい子ね、英ちゃん」口の中にレンゲが入る。
「…………っ」ゆっくりとおかゆを舐め取る。
「はい、よく出来ましたね」
(は、恥ずかしい……)

 相変わらず人の話を聞かない母さんのせいで、高校生なのに母親におかゆを食べさせてもらうという、羞恥プレイをさせられた。

「ふわぁ~……」あくびともため息ともとれる吐息を一つ。
 主に思い出すのはこれくらいだが、他にも用の足し方が分からず便座の前で一人、悶々とし続けていたとか。
 やることが無くて、何も考えないようにと、久々に勉強しようとしたら、あの二つの塊がどうしても視界に入って、逆に変なことを考えてしまったり。あえて、どんなことを考えたかは言わない。
 そんな感じの出来事が多々あり、俺は精神的にも肉体的にも疲れていた。
「少しだけ、眠ろう……」
 以前までは無かった胸の圧迫感を気にしながらも、俺は浅い眠りについた。

 それから数十分後、俺は解決しなくてはならない問題の存在を認識した。

「風呂か……どうしたものか……」
 そう、俺は今から入浴しようというのである。
(やっぱり、やめとくかな?)
 最初のうちこそ、一日くらい体を洗わなくても平気だろうと考え、夕食を食べたらすぐ眠るつもりだった。
 だがあの天然っぽい母さんがそうはさせなかった。
『女の子は毎日お風呂に入って、定期的にケアしないとダメでしょ?せっかく可愛くなれたんだから、ね?』
(なりたくて、なったわけではないだけどな……)
 それでも、渋った俺は
「今日は色々と疲れたから……」と言った。
 すると母さんは本気の眼差しを俺に向けて言ったんだ。
『じゃあ、お母さんが洗ってあげましょうか?』

 ということで、俺は仕方なく入浴することにした。
 この歳になって入浴を母親と共にするよりは、相当まともな選択肢だと思う。
 それでもまだ問題は残っている。
「女の裸か~……」
 口に出すことで、改めて実感する。
 当然、体を洗うときは着ている服を脱がなくてはいけない。
 そして服を着ているから意識しない――あの二つの塊は別として――ですんでいる部分も、裸になるとそうはいかない。
(俺の身体なのはわかってるんだが……)
 生きてきて一度も異性の体に興味をもつことが無かった俺だが、何故か『女』を意識してしまうようになった。

――これも女になってしまった影響なのだろうか?

 とりあえず今はこの状況をどう打破するか考えなくては。
 何かいい案が無いかと模索しようとしたときだ。
「英ちゃん、まだ入ってないの?」
とドア越しに母さんの声が。
 どうやら俺のことが心配で様子を見に来たらしい。
(ここはごまかしておくか)
「今から入ろうと……」
「そんなこと言って、本当は入らないつもりでしょ?」
(ば、ばれてるのか!)
 図星なので何も言い返せずにいると
「やっぱりお母さんが一緒に――」
 ゆっくりとドアが動く。
 なりふりかまってはいられない。
(もうどうにでもなれ!)
 最悪の事態をさけるため、急いでジャージを脱ぐ。
「これでどうだ!」下着姿へと変わる俺。
 母さんが顔を覗かせほとんど全裸に近い俺を見る。
「あら、本当に今からだったのね」
 以外そうな顔して母さんが言う。
「今からだって言ったろ」少し強めに言う。
「わかったわよ、できるだけ早くしてね英ちゃん」
 だが母さんは全く動じない。
「もし、まだ入ってなかったら――」
 うふふ、と怪しい笑みを浮かべる。
(なかったら?)
「力ずくでも一緒に入るわよ?」
「わかったよ……」がっくりと頭をたらす。
 背に腹は変えられない。
「もう、入るしかない……か」
 このままでいれば最悪、母さんと一緒に入浴することになる。
 そうなれば、昼間はやれなかったことをやりそうで怖い。例えば、親子のスキンシップとか言って全力で抱きついてきそうだ。もちろん有無を言わさぬ勢いで。
(早く済ませるか)
 そう思いつつ顔を上げると
「うわっ!」と思わず声を出してしまった。
(なんだ鏡か……)
 あろうことか鏡に映った自分の姿に驚いてしまった。
「でも俺なんだよな……」
 思わず、その少女を観察してしまう。
 まず目につくのが白っぽい肌。
 男のときも色白だったが、この肌は白いというより美白という言葉が当てはまりそうだ。
 ほっそりとした脚に、綺麗なラインを描いている腰のくびれ。滑らかな曲線のなで肩からはスラリと伸びた腕。
 そして極め付けは下着に覆われた女性の証。丸い塊がやんわりと存在をアピールしている。
「これが今のカラダ……」

挿絵 催眠術で
挿絵 あまつ凛 http://prismmagic.web.fc2.com/

 呆然と眺めてからはっとなる。
(何を見つめているんだ俺は!)
 鏡から目を逸らすように視線をずらすと、男性のときと比べかなり肉付きが良くなり、一際ぷるっとしている臀部があった。
 そこに何故か俺はひかれた。今まで感じたことのない感情。まるで、このさわり心地がよさそうなものに心を揺さぶられるような。
(なんだ、この気持ちは……!?)
 この気持ちを理解すべく、そうっと丸い臀部に両手を伸ばそうとした、そのときだった。

背後から『ガチャリ』という音。
「うわっ!!!」「っな!?」
 そして重なり合う二つの声。

「父さん!?」
 おそるおそる音がした方を見ると、今しがた仕事から帰ったらしい父さんがこっちを見ていた。
 そして、驚きのあまりドアを開けたポーズで固まっている。
「お、お前……!!」
 父さんがおずおずと口を開く。そして目線をずらして俺の両手を見たあと、さらに言った。
「なにを……なにをして……!」
 いくら自分の子供とはいえ、年頃の娘の――それも昨日までは息子だった――ほぼ裸体を間近で見たら、それはそれで気まずいのだろう。
 しかもその娘が自分の身体をまじまじと見ているところなのだから、余計に。
(何とか弁解しないと!)
 さすがに、女性の身体を性的欲求のもとにじろじろ見ていた、とは思われたくない。
 俺はあくまでも確認していただけだ、自分の変わり果てた姿を。
「え、えっとこれは――」

「何も言うんじゃない英次!!」

 バッと左手を前に突き出し、俺の言葉を遮る。
「でも――」
「いいんだ、もういいんだ英次……」
(父さん……)
 これは父さんなりの優しさなのだろうか。
 きっと適当に解釈してくれたに違いない。
(そうでないと、俺が困る!)
「…………あぁ」
 顔を上げどこか遠いところを見つめる父さん。
 その目尻には、うっすらと涙のようなものが。
(ありがとう……父さん…………)
 それを見て俺は心の中で父さんに心から感謝した。

 どんな感情が父さんをそうさせたのかは分からないが、あのときの父さんの顔がどこか満足気だったのは覚えている。

(真っ先に尻とはな……英次、やっぱりお前は父さんの血を継いでいるのだな!!)
 父親が同じく心のなかでそう叫んだのを、息子は知る余地もなかった。

〈続く〉

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