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催眠術で女子高生!?(4) by 抹茶レモン
そんなこんなでやってきた日曜日。
10時ごろ、あらかじめ約束をしていた時間通りにあいつは来た。
「よっ!」
玄関に行くと半ズボンにアロハシャツという格好をしたタカスケがいた。
右手を挙げて俺に向かって笑っている
「変な格好だな」
しかし、目の前のこいつは全く動じない。
「別にいいだろ。お前こそ、それはないな」
それどころか俺の服装のことを言ってきた。
俺は薄手の黒ジャージを着ている。
「この方が帰ってすぐ寝れるからいいんだよ」
それに催眠ショーなんてあるかどうかもわからないもののために他の服を汚すのもの嫌だしな。
「まぁ、お互い様だな」
タカスケが珍しく正論を言った。
「いくか」
「あぁ」
それと同時に靴を履く俺。
「……君がタカスケくんか」とそこにリビングから父さんが出てきた。
おそらく、夜遅くに息子と一緒に出かける輩を見ておきたいのだろう。
「あぁ、はい。英次からはそう呼ばれます。えぇと本名は高橋良介っていいます。食って漢字の上の傘みたいなのを取った良に、介護の介で良介です」
引っ掛かり気味に自己紹介を済ませるタカスケ。変な印象を与えてはいけないとすぐに悟ったのだろう。
(しかし、変な自己紹介だな)
俺と初めて会ったときもこんな感じだった。
「そうか……」とうなずく父さん。
しばしの沈黙。
「君は英次と仲良くやってくれているのか?」
「えぇ、まぁ、はい……」
「そうか、よくわかった」
どうやらタカスケがいたって普通な奴だと思い、安心したようだ。
そろそろ行ったほうがよさそうか。
「それじゃ、いってきます」
「気をつけてね」と母さん。
「うむ、出来るだけはやく帰るように」と父さん。
「それじゃ英次を借りていきますねぇ」
タカスケ、その言い方はなんだ。
パタン、と玄関の扉を閉め、歩き出す。
こうして、俺はこいつと一緒に催眠ショーが行われるという館に向かった。
歩き始めてしばらくたった。
「それにしてもなんだな、真夜中に野郎二人で肩を並べて歩くってのも変だな」
黙って歩きたくないのか、タカスケがそんなことを言い出した。
「俺はお前がどうしてもって言ったから来たんだ」
タカスケは予想外といった感じで俺を見てきた。
「お前は興味が無いのか?」
まさかそこを突かれるとはな。
「俺が行くのは、催眠が本物かどうか見極めるためだ」
(少しは興味があるけどな……)
そうか、と目線を下にむけすぐに空を見上げる。
「まぁ気楽にいこうぜ」
「あぁ…………」
俺たちはまた黙って歩き始めた。
うっそうとした針葉樹林に囲まれた森。そこに俺たち二人はいた。
「ここか……」
「あぁ、どうやらそうみたいだな」
町はずれといってもさほど時間はかからなかった。
目の前にたっているのは、西洋式の古びた洋館。その前にはホラー映画にありそうな鉄の門扉。
(それにしても不気味だな)
建物の古さといい見かけといい、まわりの景色と同調していかにも何かありそうな雰囲気だ。
「さ、入るか」
「これ開くのか?」
タカスケが門扉を押してみると、黒い鉄の塊はギイイィ……と軋むような音をたてて動いた。
「♪」
「はぁ…………」
(変な顔しやがって)
タカスケは、どう? 俺が開けたんだぜ? と満足そうだ。
俺たちはゆっくりと歩いて玄関へと向かった。
「このチャイムを押せってことか?」
「少し待て」
たしかにチャイムはある。しかも、そのチャイムは新しい。これはだれかがここに住んでいるということだろうか?
そんなことを考えている俺をよそに、押すぞ、といってタカスケがチャイムを押した。
「………………」
何も起こらない。さらに何回かチャイムを押す。
次は無理やり扉を開けようとする。しかし、扉はビクともしない。
あきらめよう、そういいかけたときだ。
「それ、壊れてますよ?」
と、後ろから聞いたことの無い声が聞こえた
『ッ!!』
背後から突然聞こえた声に驚き、慌てて振り向く。
そこには真夏というのに黒のスーツをきっちりと着込み、髪を丁寧に後ろに撫で付けた男性がいた。黒い髪の間に見える白髪と、少し皺がある顔から年齢は40歳ぐらいだろうか。
「…………」
男性は笑っている。にこにこと。しかし、その笑みには何か油断ならないものを感じる。
「あ、あんたは誰だ?」と、タカスケがおそるおそる男性に尋ねる。
「誰だって、君」
ははっ、と目の前の男は軽く笑った。
「屋敷の持ち主が玄関先にいたらおかしいのかな?」
「持ち主? ということはあんたが……」
催眠ショーを、といいかけて俺はやめた。目の前の男がまともだとは到底思えない。もしかしたら、この屋敷の持ち主というのは真っ赤な嘘で、本当はいかれた殺人鬼なのかもしれない。
「は~ん、君が言いたいことは分かるよ。もちろん、分かる。その目を見れば分かる」
男性は俺に歩み寄ってそう言った。
近くにきた男性はなかなかの長身だった。俺よりも10cmほど大きいか。
「そんなに警戒しなくたって、別に私は殺人鬼などではないよ?」
(俺が思ったことが分かった? いや、偶然か)
にこにこと笑みを崩さない男性。やはり不気味だ。
「ここで、催眠ショーが行われるって聞いたんだよ、俺たちは」
タカスケが俺と男性の間に割って入ってそう言った。
あぁなるほど、と男性は何か感心したように頷いた。
「チラシはどこに?」男性が訊いた。
「それなら……」とタカスケがあのチラシを出す。
「ふぅむ、なるほど。どうやら本物のようだ」
この男性はチラシのことを知っているらしい。
「あんたを信じていいんだな?」
「えぇ、もちろんです。それでは、私について来てください」
そういって、男性は俺たちに背を向け歩き出した。
(どうする? 奴についていくか?)とタカスケ。
(いくしかないだろう)と俺。
「あぁ、そうそう!」
と男性は振り向きこう言った。
「私は盛岡。この館の主人であり、本日のショーの主催者。もちろん、怪しい者ではありません。以後、お見知りおきを……」
深々と丁寧に礼をする男性。
これから彼のこと盛岡と呼ぶことにしよう。
「おおっと、急がなくては、ショーに間に合わない。まぁ、私が行かなくては始まらないんですがね」
ははっ、とまたもや笑う盛岡。
(油断ならない奴だ)俺は心の中でそう確信した。
館の裏側についたところで盛岡が口を開いた。
「ここです」
その手が示すほうにあったのは、またもや扉だった。
ここから入れということだろうか。
「では、こちらからどうぞ」とにこやかに笑う盛岡。
どうやらそのようだ。
「………………」
古びた扉のドアノブを捻り、手前に引く。今度は簡単に開いた。階段が螺旋状に続いている。
「いくぞ、タカスケ」
「あ、あぁ…………」少しおくれてタカスケが返事をした。
「そうそう、足元は薄暗いので気をつけて歩いてください。しばらくすると扉があります。その扉の向こうがショーの会場です。」
では、と盛岡は言葉を切ってから言った。
「今夜の催眠ショーをお楽しみください!!」
「暗いな」
「そうだな」
盛岡にいわれたとおりに階段をおり続ける俺たち。
ぼんやりと光るランプが通路を照らす。いくつかの
ランプにはくもの巣がかかっている。
「……まだか?」
「いや、もうすぐのはずだ」
そう言ったとおりになった。
「行き止まりだ」
「そうだな、それに扉もある」
無駄に飾り付けてある扉が目の前に。
「開けるぞ……」
「すげぇ……!」
タカスケが呟いた。
こいつが驚くのも無理はない。俺も少し驚いている。
(地下にこんな空間があるのか)
そこは凄まじく広い会場だった。
中央には円形のステージがあり、軽く200個はありそうな椅子がステージの回りに何列にもわたり並んでいる。すでに席の半分ほどは人で埋まっている。
「お、いいところ発見」
「そうだな」
タカスケが見つけた席に向かう傍ら、俺は俺たち以外にどんな人がいるかを確認した。
(大体は大人のようだな。俺と同じような年齢の奴もいるな。ん? あれは小学生か?)
会場には老若男女を問わず、たくさんの人がいた。
「早く始まんねぇかな……?」
「タカスケ、静かにしろ」
5分ほどたったときだろうか、ガシャンと会場中の照明が消えた。
(な、なんだ!?)
(今から始まるんだろうな)
「皆さん、こんばんは!」
暗闇についさっき聞いた声が響いた。
〈続く〉
10時ごろ、あらかじめ約束をしていた時間通りにあいつは来た。
「よっ!」
玄関に行くと半ズボンにアロハシャツという格好をしたタカスケがいた。
右手を挙げて俺に向かって笑っている
「変な格好だな」
しかし、目の前のこいつは全く動じない。
「別にいいだろ。お前こそ、それはないな」
それどころか俺の服装のことを言ってきた。
俺は薄手の黒ジャージを着ている。
「この方が帰ってすぐ寝れるからいいんだよ」
それに催眠ショーなんてあるかどうかもわからないもののために他の服を汚すのもの嫌だしな。
「まぁ、お互い様だな」
タカスケが珍しく正論を言った。
「いくか」
「あぁ」
それと同時に靴を履く俺。
「……君がタカスケくんか」とそこにリビングから父さんが出てきた。
おそらく、夜遅くに息子と一緒に出かける輩を見ておきたいのだろう。
「あぁ、はい。英次からはそう呼ばれます。えぇと本名は高橋良介っていいます。食って漢字の上の傘みたいなのを取った良に、介護の介で良介です」
引っ掛かり気味に自己紹介を済ませるタカスケ。変な印象を与えてはいけないとすぐに悟ったのだろう。
(しかし、変な自己紹介だな)
俺と初めて会ったときもこんな感じだった。
「そうか……」とうなずく父さん。
しばしの沈黙。
「君は英次と仲良くやってくれているのか?」
「えぇ、まぁ、はい……」
「そうか、よくわかった」
どうやらタカスケがいたって普通な奴だと思い、安心したようだ。
そろそろ行ったほうがよさそうか。
「それじゃ、いってきます」
「気をつけてね」と母さん。
「うむ、出来るだけはやく帰るように」と父さん。
「それじゃ英次を借りていきますねぇ」
タカスケ、その言い方はなんだ。
パタン、と玄関の扉を閉め、歩き出す。
こうして、俺はこいつと一緒に催眠ショーが行われるという館に向かった。
歩き始めてしばらくたった。
「それにしてもなんだな、真夜中に野郎二人で肩を並べて歩くってのも変だな」
黙って歩きたくないのか、タカスケがそんなことを言い出した。
「俺はお前がどうしてもって言ったから来たんだ」
タカスケは予想外といった感じで俺を見てきた。
「お前は興味が無いのか?」
まさかそこを突かれるとはな。
「俺が行くのは、催眠が本物かどうか見極めるためだ」
(少しは興味があるけどな……)
そうか、と目線を下にむけすぐに空を見上げる。
「まぁ気楽にいこうぜ」
「あぁ…………」
俺たちはまた黙って歩き始めた。
うっそうとした針葉樹林に囲まれた森。そこに俺たち二人はいた。
「ここか……」
「あぁ、どうやらそうみたいだな」
町はずれといってもさほど時間はかからなかった。
目の前にたっているのは、西洋式の古びた洋館。その前にはホラー映画にありそうな鉄の門扉。
(それにしても不気味だな)
建物の古さといい見かけといい、まわりの景色と同調していかにも何かありそうな雰囲気だ。
「さ、入るか」
「これ開くのか?」
タカスケが門扉を押してみると、黒い鉄の塊はギイイィ……と軋むような音をたてて動いた。
「♪」
「はぁ…………」
(変な顔しやがって)
タカスケは、どう? 俺が開けたんだぜ? と満足そうだ。
俺たちはゆっくりと歩いて玄関へと向かった。
「このチャイムを押せってことか?」
「少し待て」
たしかにチャイムはある。しかも、そのチャイムは新しい。これはだれかがここに住んでいるということだろうか?
そんなことを考えている俺をよそに、押すぞ、といってタカスケがチャイムを押した。
「………………」
何も起こらない。さらに何回かチャイムを押す。
次は無理やり扉を開けようとする。しかし、扉はビクともしない。
あきらめよう、そういいかけたときだ。
「それ、壊れてますよ?」
と、後ろから聞いたことの無い声が聞こえた
『ッ!!』
背後から突然聞こえた声に驚き、慌てて振り向く。
そこには真夏というのに黒のスーツをきっちりと着込み、髪を丁寧に後ろに撫で付けた男性がいた。黒い髪の間に見える白髪と、少し皺がある顔から年齢は40歳ぐらいだろうか。
「…………」
男性は笑っている。にこにこと。しかし、その笑みには何か油断ならないものを感じる。
「あ、あんたは誰だ?」と、タカスケがおそるおそる男性に尋ねる。
「誰だって、君」
ははっ、と目の前の男は軽く笑った。
「屋敷の持ち主が玄関先にいたらおかしいのかな?」
「持ち主? ということはあんたが……」
催眠ショーを、といいかけて俺はやめた。目の前の男がまともだとは到底思えない。もしかしたら、この屋敷の持ち主というのは真っ赤な嘘で、本当はいかれた殺人鬼なのかもしれない。
「は~ん、君が言いたいことは分かるよ。もちろん、分かる。その目を見れば分かる」
男性は俺に歩み寄ってそう言った。
近くにきた男性はなかなかの長身だった。俺よりも10cmほど大きいか。
「そんなに警戒しなくたって、別に私は殺人鬼などではないよ?」
(俺が思ったことが分かった? いや、偶然か)
にこにこと笑みを崩さない男性。やはり不気味だ。
「ここで、催眠ショーが行われるって聞いたんだよ、俺たちは」
タカスケが俺と男性の間に割って入ってそう言った。
あぁなるほど、と男性は何か感心したように頷いた。
「チラシはどこに?」男性が訊いた。
「それなら……」とタカスケがあのチラシを出す。
「ふぅむ、なるほど。どうやら本物のようだ」
この男性はチラシのことを知っているらしい。
「あんたを信じていいんだな?」
「えぇ、もちろんです。それでは、私について来てください」
そういって、男性は俺たちに背を向け歩き出した。
(どうする? 奴についていくか?)とタカスケ。
(いくしかないだろう)と俺。
「あぁ、そうそう!」
と男性は振り向きこう言った。
「私は盛岡。この館の主人であり、本日のショーの主催者。もちろん、怪しい者ではありません。以後、お見知りおきを……」
深々と丁寧に礼をする男性。
これから彼のこと盛岡と呼ぶことにしよう。
「おおっと、急がなくては、ショーに間に合わない。まぁ、私が行かなくては始まらないんですがね」
ははっ、とまたもや笑う盛岡。
(油断ならない奴だ)俺は心の中でそう確信した。
館の裏側についたところで盛岡が口を開いた。
「ここです」
その手が示すほうにあったのは、またもや扉だった。
ここから入れということだろうか。
「では、こちらからどうぞ」とにこやかに笑う盛岡。
どうやらそのようだ。
「………………」
古びた扉のドアノブを捻り、手前に引く。今度は簡単に開いた。階段が螺旋状に続いている。
「いくぞ、タカスケ」
「あ、あぁ…………」少しおくれてタカスケが返事をした。
「そうそう、足元は薄暗いので気をつけて歩いてください。しばらくすると扉があります。その扉の向こうがショーの会場です。」
では、と盛岡は言葉を切ってから言った。
「今夜の催眠ショーをお楽しみください!!」
「暗いな」
「そうだな」
盛岡にいわれたとおりに階段をおり続ける俺たち。
ぼんやりと光るランプが通路を照らす。いくつかの
ランプにはくもの巣がかかっている。
「……まだか?」
「いや、もうすぐのはずだ」
そう言ったとおりになった。
「行き止まりだ」
「そうだな、それに扉もある」
無駄に飾り付けてある扉が目の前に。
「開けるぞ……」
「すげぇ……!」
タカスケが呟いた。
こいつが驚くのも無理はない。俺も少し驚いている。
(地下にこんな空間があるのか)
そこは凄まじく広い会場だった。
中央には円形のステージがあり、軽く200個はありそうな椅子がステージの回りに何列にもわたり並んでいる。すでに席の半分ほどは人で埋まっている。
「お、いいところ発見」
「そうだな」
タカスケが見つけた席に向かう傍ら、俺は俺たち以外にどんな人がいるかを確認した。
(大体は大人のようだな。俺と同じような年齢の奴もいるな。ん? あれは小学生か?)
会場には老若男女を問わず、たくさんの人がいた。
「早く始まんねぇかな……?」
「タカスケ、静かにしろ」
5分ほどたったときだろうか、ガシャンと会場中の照明が消えた。
(な、なんだ!?)
(今から始まるんだろうな)
「皆さん、こんばんは!」
暗闇についさっき聞いた声が響いた。
〈続く〉
コメント
ボルテージ様、お褒めにあずかりありがとうございます。
まだまだ未熟者の私でよければ、コメントさせていただきたいと思います。
まだまだ未熟者の私でよければ、コメントさせていただきたいと思います。
さすがですね。
こんな長文お疲れ様です。
自分も物語頑張りたいですが、
文才が乏しく貧しく残念なので進みにくいです。
また自分が制作した物語を批評してくださると本当にありがたいです。
これからも応援しています。
こんな長文お疲れ様です。
自分も物語頑張りたいですが、
文才が乏しく貧しく残念なので進みにくいです。
また自分が制作した物語を批評してくださると本当にありがたいです。
これからも応援しています。
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間にあむぁいさんがいれば何とかなると思います。
アドバイス欲しいですし、とりあえず合否だけでも聞かせてください。