東京芸術大学のチームが2月、北朝鮮にある世界文化遺産「高句麗古墳群」の古墳の壁画を独自のデジタル技術を使って、世界で初めて原寸大で復元したというニュースがありました。
北朝鮮と言えば、「人工衛星」と言いながら実際は軍事ミサイルの実験を行うのではないか……と疑われている怪しい国のイメージがあります。しかし、こうした不可思議な国になったのは第二次世界大戦後のこと。しかも、日本の戦前の支配も原因の一つでした。
紀元3〜5世紀ごろに全盛を迎えた「高句麗王朝」のころは、日本よりもはるかに進んだ文明国家があり、仏教などの宗教、学問の中には当時、高句麗を経て中国から伝えられたものもあります。
復元された壁画は、切手などでも知られる飛鳥時代の高松塚古墳(奈良県明日香村)の美しい壁画とそっくりなのが分かるでしょう。当時の日本は高句麗の美しい文明をそのまま、コピペしながら輸入し、やがて独自の文化を生み出していったのです。【森忠彦】