大飯原発 運転再開必要と判断4月13日 23時52分
野田政権は、13日に開いた関係閣僚会議で、福井県にある関西電力大飯原子力発電所の安全性を最終的に確認し、この夏の厳しい電力需給に対応するため、運転再開の必要性があると判断しました。
ただ、運転再開の是非については、地元などの理解を得たうえで改めて協議するとしています。
関西電力大飯原発について、野田政権は今月9日、野田総理大臣と藤村官房長官、枝野経済産業大臣、細野原発事故担当大臣による関係閣僚会議で、関西電力が提出した安全対策の工程表が新たに決めた安全基準におおむね適合していると判断しました。
これを受けて、野田政権は12日夜に続いて、13日午後6時半から改めて関係閣僚会議を開き、冒頭、野田総理大臣が「原発の安全性と運転再開の必要性について、詰めの議論を行いたい」と述べました。
13日夜の会議では、新たな安全基準に大飯原発の安全対策が適合しているかどうかや、関西電力管内の電力需給の見通しについて詰めの協議を行いました。
その結果、大飯原子力発電所の安全性を最終的に確認し、この夏の厳しい電力需給に対応するため、運転再開の必要性があると判断しました。
ただ、運転再開の是非については、立地自治体などの理解を得たうえで改めて協議するとしています。
経産相会議受け14日に福井県へ
枝野経済産業大臣は、今13日夜会見し、福井県にある関西電力大飯原子力発電所について、関係閣僚会議の結果、安全性を最終的に確認し、運転再開の必要性があると判断したとして、14日に福井県に入り、こうした内容を説明したいという考えを示しました。
枝野経済産業大臣は、13日に開かれた関西電力大飯原子力発電所の運転再開を巡る関係閣僚会議のあと、総理大臣官邸で記者会見しました。
この中で、枝野大臣は、関西電力が提出した安全対策の工程表は、安全性の判断基準を満たしているなどとしたうえで、「大飯原発3号機と4号機の安全性の確保を確認した」と述べました。
そのうえで、枝野大臣は「ギリギリまで電力不足を補う努力を続けるが、すべての原発が運転再開しないまま夏を迎えれば、関西電力管内では非常に厳しいレベルの電力不足に直面すると言わざるを得ない」と述べ、電力の需給見通しなどを検証した結果、運転再開の必要性があると判断したことを明らかにしました。
そして、枝野大臣は「地元をはじめ国民の理解をお願いするプロセスに入る。できるだけ早く福井県に行けるよう、事務方に指示した」と述べ、14日に福井県に入って、安全性と運転再開の必要性を説明したいという考えを示しました。
ただ、枝野大臣は「運転を再開する方針を決めたものではない」とも述べ、運転再開の是非については、地元などの理解を得たうえで、改めて協議する考えを示しました。
おおい町長歓迎の意向
関西電力大飯原子力発電所の安全性を最終的に確認し、この夏の厳しい電力需給に対応するため、運転再開の必要性があると判断したことについて、福井県おおい町の時岡忍町長は「いろいろと議論されて、やっと結論を出していただける段階まできた」と述べ、運転再開の必要性があるとの結論が出されたことを歓迎する意向を示しました。
そのうえで、「どのような形で安全を確認されたのか説明を受けたい。住民に対してもなるべく早い段階で国に説明会を行ってもらいたい」と述べ、できるだけ早い国による住民説明会の開催を求めました。
また、政府の議論に拙速ではないかとの批判があることについて、「判断に至るまでには準備期間があり、いろいろなことを検討してこられた。拙速ということばは当たらないのではないか」と述べて、政府の対応に理解を示しました。
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