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クール・ジャパン なぜ韓流に出遅れたのか?
編集委員 小林明

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2012/4/13 7:00
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■通貨危機がきっかけ

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 「1997年のアジア通貨危機を機に韓国が文化輸出を通じて経済を立て直すソフト・パワー戦略に目覚めたためです」。経済産業省の渡辺哲也・クリエイティブ産業課長(クール・ジャパン海外戦略室長)はこう説明する。

 当時の金大中大統領が文化産業を21世紀の基幹産業にすることを宣言し、官民一体の「クール・コリア戦略」を推進。政府のコンテンツ関連予算を99年度以降、大幅に増やし、98年度で文化関連全体に占める割合が2.2%だったのを99年度には11.7%、2000年度には15.3%に上昇させた。

 「デザイン振興院」や「コンテンツ振興院」を設立し、大韓貿易投資振興公社(KOTRA)を通じた海外市場の獲得支援策も強化(図2)。こうした積極策が奏功し、2000年からの4年間で日本、中国、香港、台湾向けのコンテンツ輸出が0.36億ドルから5倍の1.8億ドルに増えたという。

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 「日本と違い、韓国は国内市場が小さい。海外市場に打って出るしかない」。韓国のこんな強い危機感から、日本は韓国にソフト・パワー戦略で先行され、分野によっては韓流の後じんを拝しているというわけだ。

 2011年度の日韓のクリエーティブ関連の政府予算額を比較すると、韓国は日本の2倍超。コンテンツ関連予算の規模は日本の約8倍にのぼり、かなり大きな差がついている(図3)。こうした官民一体の支援体制が韓流人気を後押ししている。

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