北朝鮮:ミサイル発射「はらわた煮えくり返る」 在日2世

毎日新聞 2012年04月13日 13時09分

 北朝鮮が13日朝に実施した「人工衛星」と称する長距離弾道ミサイルの打ち上げは失敗に終わった。「ミサイルなんて、せんでもええことをして、はらわたが煮えくり返るよ。国民はろくに食べられずに死んでいくというのに」。大阪市生野区に住む在日2世の女性(74)は顔を真っ赤にして怒り、目に涙をためて唇をかんだ。「あの国はどうなってしまうのか」。平壌近郊で暮らす弟には、10年以上会えていない。

 両親は戦時中、朝鮮半島南部から山口県に渡った。小学校ではいつも「チョーセン」といじめられた。終戦後、朝鮮学校に移ったが1948年、全国的に朝鮮学校閉鎖令が出され、学ぶ場を失った。

 19歳で結婚してしばらくした頃、母は10歳下の弟を連れて帰国した。母は北朝鮮北西部の平安北道出身。当時の北朝鮮は「天国」「いい生活ができる」と言われ、近所の人や友達はこぞって帰って行った。

 女性は80年ごろから計5回、北朝鮮を訪ねた。アパートや百貨店が建ち並ぶ美しい街だったが、行くたびに市民の生活が貧しくなるのが分かった。ぼろぼろの家ばかりで、やせた畑には野菜がなかった。女性はいつも船に段ボール10箱分の食料や衣類を積んで届けた。

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