年金一元化法案が閣議決定4月13日 11時2分
政府は、社会保障と税の一体改革のうち、サラリーマンが加入する厚生年金と公務員などの共済年金を一元化するための厚生年金保険法などの改正案を13日の閣議で決定しました。
閣議決定された改正案では、平成27年10月から、公務員や私立学校の教職員が加入する共済年金をサラリーマンが加入する厚生年金に一元化するとしたうえで、厚生年金の保険料率が平成29年に18.3%になるのに合わせて、厚生年金より低くなっている共済年金の保険料率を段階的に引き上げ、公務員は平成30年に、私立学校の教職員は平成39年に18.3%にするとしています。
また、共済年金のほうが優遇されているとされる、遺族年金を受け取ることができる条件などを厚生年金に合わせるとしています。
さらに、共済年金だけにある「職域部分」という月2万円程度の給付の上乗せについては、一元化とともに廃止して新たな給付制度を設けるとしており、ことし中にどのような制度にするか検討したうえで、法律で必要な措置を講じるとしています。
新たな給付制度を巡って、政府・民主党内には、税金を使って上乗せ給付を行うのは公務員を優遇するものだとして反対する意見がある一方、労使で保険料を出し合う企業年金を持つ民間企業もあるので、公務員にも税金を投入した上乗せ給付を認めるよう求める意見もあり、調整は難航することが予想されます。
一元化法案とは
改正案について、政府・民主党は、前回の衆議院選挙で民主党が掲げた、複数に分かれている制度を一元化して所得に応じて年金額が決まる「所得比例年金」を創設するなどとした年金制度の抜本改革を実現するための柱となる法案の1つだとしています。
改正案では、厚生年金と比べて優遇されていると指摘される共済年金を、厚生年金に合わせる形で一元化するとしています。
厚生年金は、現在、標準的な夫婦2人世帯で月23万940円受け取れますが、共済年金では、「職域部分」というおよそ2万円の上乗せがあり合わせて25万915円となっています。
その一方で、保険料率は、現在、厚生年金が16.4%となっているのに対し、共済年金は、職域部分を含めた保険料率で、公務員の共済年金が15.9%、私立学校の教職員の共済年金が12.9%となっています。
このため、改正案では、平成29年に厚生年金の保険料率が18.3%に引き上げられるのに合わせて、公務員共済は平成30年までに、私学共済は平成39年までに、同じ18.3%まで引き上げられます。
そして、共済年金だけにある上乗せの「職域部分」は廃止しますが、廃止と同時に新たな給付制度を設けるとしており、ことし中にどのような制度にするか検討するとしています。
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