中国当局がミニブログの管理強化を進めている。有力政治家の解任事件に絡んで北京でクーデターが起きるなどの情報がミニブログで駆け巡ったため、3月末に一部機能の一時中止を命令。北京では実名制も導入し、政治家に関するコメントを削除しているが、ネット利用者は当局の管理強化を乗り越えて情報をやりとりしている。
「中南海を軍車両が取り囲んでいる」
「周永康がクーデターを画策した」
秋の共産党大会で次期最高指導部入りが有力だった薄熙来・重慶市共産党委員会書記が3月15日に解任されてから4日後の19日。中国ミニブログ最大手、新浪(SINA)の微博や2位、騰訊控股(テンセント)のQQ微博で衝撃の情報が駆け巡った。
中南海とは胡錦濤・国家主席、温家宝首相ら最高指導者の住居や執務室などがある政治の中心地。周永康氏は治安担当の政治局常務委員で薄氏に近いとされる。薄氏の解任に不満を持った周氏が手兵を率いて謀反を起こしたというのだ。
これらの情報はデマだったとされるが、当局はミニブログで全国に瞬時に伝わったことに衝撃を受け、新浪と騰訊の幹部を緊急に呼んで事情聴取。クーデターなどを書き込み、流布にかかわった人物6人を特定して身柄を拘束。さらに、新浪と騰訊のミニブログのコメント機能の一時停止を命じた。
中国のミニブログは中国社会で急速に存在感が増している。中国のネット調査会社、易観国際(北京市)によると、2010年3月末のアクティブ利用者数はわずか2100万人だったが、11年12月末には10倍以上の2億4900万人まで膨らんだ。
その背景には、第3世代携帯電話サービス(3G)とスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)の普及がある。中国国有通信大手の設備投資を受けて3月末の3G契約件数は1億4000万人に増加。中国インターネット情報センターの統計によると、11年12月末のスマホの利用者数は1億9000万人まで拡大した。
インフラ整備に加え、中国のメディア統制の影響もある。当局は新聞やテレビなどの報道を厳しく管理しているため、国民はメディアではなく、口コミを信じる傾向が強い。そのため、「人間関係を基盤とするミニブログの情報を優先して得ようとする」(中国のネット企業幹部)
中国のミニブログは、もともとポータルサイト大手の新浪が先行。手軽に文書などをやりとりできるインスタントメッセンジャー(IM)で7億人以上の利用者を保有する騰訊が追う。世界最大手の米ツイッターは中国当局が国内への接続を認めていないために参入できず、新浪と騰訊の2社で中国のミニブログ市場を寡占する。
ミニブログ、テンセント、胡錦濤、温家宝、ツイッター、習近平
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