伊那の電気と鉄道100周年 特売や特別列車など企画

 
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 伊那市内に鉄道が開通し、電気が通って1世紀になるのを前に、多彩な企画を練っている商店主や市などが「伊那市の暮らし100年地域活性化推進委員会」を設立し、主な事業の内容を決めた。「伊那・電気と鉄道の100周年」と記した共通のロゴマークも作製。事務局の市観光課は「暮らしの変化を再認識し、地域のこれからを考えるきっかけにしたい」としている。

 伊那市史などによると、1912(明治45)年5月に現在のJR飯田線伊那市駅まで鉄道が延び、電気は翌年1月に配電が始まった。推進委は、中心市街地の坂下、山寺、荒井、西町の各商店街や伊那商工会議所、JR東海飯田支店、市立伊那図書館、市創造館などで構成。5月12日に開く伊那市駅の開業100年記念式典を軸に、それぞれ企画を展開する。

 第1弾で、中心市街地の97店舗で5月7日まで特別売り出しを実施。各店で2千円以上買い物すると用紙にスタンプ1個を押し、5個で「秘境巡りの旅」の特別列車の乗車券と交換する。列車は同13日に伊那市駅発着で運行。秘境駅といわれる田本駅(泰阜村)などを巡り、平岡駅(天龍村)で折り返す。定員100人で、残席はわずかという。

 坂下で呉服店を営む推進委員長の池上直樹さん(51)は「秘境駅巡りが企画のスタート。あらためて伊那谷の良さを感じてほしい」。推進委は、伊那市駅にまつわる思い出を詠んだ川柳も今月30日まで募集している。いずれも問い合わせは伊那商議所(電話0265・72・7000)へ。

 7月28日には、田切駅(飯島町)から伊那市駅まで自転車で走る催しを計画。来年1~3月には創造館で「飯田線にまつわるマニアックな企画展」を予定し、内容を詰めている。古い沿線地図を情報端末に映しながら散策する「飯田線ぶらり」、開業当時の車両の実物大模型作りもある。

 ロゴマークは、大正期の写真に写っていた当時の車両を基にデザイン。黄と白をそれぞれ基調とする2種類で、ポスターなどに使う。

【写真説明】ポスターなどに共通して使うロゴマークの一つ

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(12年4月12日掲載)

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