環境省は15日、福島県内の河川や湖沼、海水浴場で9月から10月にかけて調べた放射性物質の測定結果を公表した。東京電力福島第一原発から半径20キロ圏の警戒区域内にある水辺環境での測定は初めて。放射性セシウムは土に吸着しやすいことから、同区域内を含めてすべての水質で、厚生労働省が定めた飲料水の暫定基準の1キロ当たり200ベクレルを下回った。
調査したのは警戒区域19地点を含む同県内の193地点。このうち最も放射性物質の濃度が高かったのは警戒区域内の大柿ダム(浪江町)の27ベクレルだった。
一方、水底や沿岸の泥や土からは高濃度の放射性物質が検出された。水底では旧緊急時避難準備区域の太田川(南相馬市)で6万ベクレル、沿岸では阿武隈川合流前の松川(福島市)で10万4千ベクレルだった。松川では空間線量も1時間当たり3.10マイクロシーベルトを記録した。
福島第一原発の破綻を背景に、政府、官僚、東京電力、そして住民それぞれに迫った、記者たちの真実のリポート