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ソウル売春裏組織摘発 1・8億円荒稼ぎ

 【ソウル5日=趙孝英通信員】韓国のソウル地方警察庁国際犯罪捜査隊は、ソウルの繁華街、明洞(ミョンドン)に立ち寄った日本人の男性観光客に買春を持ちかけていた組織「明洞山岳会」を摘発、買春現場で名古屋市の男性(68)ら日本人男性15人を連行したと発表した。

 日本人男性はいずれも買春容疑を認めており、買売春あっせん処罰法違反罪で略式起訴される。300万ウォン(約22万5000円)以下の罰金刑となる見通し。事情聴取された日本人は40~60代で、東京や名古屋から韓国を訪れていた観光客だった。当局は明洞で日本人客に買春を勧誘する組織があるとの捜査情報をもとに、3月9日の午後9時ごろに一斉捜索をかけた。

 日本人の男性らは、江南(カンナム)や弥阿里(ミアリ)のマッサージ店に案内され、性的なサービスを受けていた。ホテル周辺で「かわいい子いるよ~」などと日本語で誘われた日本人客は、1人21万~25万ウォン(約1万5750~1万8750円)を支払うと、タクシーで風俗店まで案内される。明洞山岳会では、風俗店に10万ウォン(約7500円)を渡していた。

 今回は、日本人男性ら15人と一緒にいた韓国人の女14人、明洞山岳会のメンバー38人の計67人が摘発され、メンバーの韓国人の男5人が逮捕された。同会は10年8月に発足した。リーダーの男(58)によると「明洞には日本人がたくさんくる。そのもうけを独占的にいただくために会をつくった。他の組織には手出しできないように威嚇行為もした」となどと供述している。

 明洞山岳会ではこれまでに約25億ウォン(約1億8750万円)を荒稼ぎしていたとみられる。

 ◆明洞 韓国ソウル特別市中区にある韓国一の繁華街。商業中心地として発展し、70年までは、証券会社などがあり韓国経済の中心地であった。その後、大型デパートなどが密集し、国内外の高級ブランドのブティックや韓国コスメ店が数多く立ち並んでいる。1日100万人以上の人々でにぎわう。また、日本人観光客からも人気が高く、日本語表記の店や日本語を話せる従業員が多地域と比べると圧倒的に多い。

 ◆韓国の売春業者 日本と同様、警察当局とのイタチゴッコが続いている。ソウルではもともと清涼里(チョンニャンリ)、弥阿里(ミアリ)などの地区に巨大売春街があった。100~数百軒並んだ売春店建物のガラス戸の中に、セクシー衣装の女がずらり立ち、客を勧誘する光景があった。しかし、04年に売春関連罰則を強化する性売買特別法が施行。取り締まりが強化され、それらの売春街は衰退した。その後、オフィスビルやマンションで秘密売春を行う業者や、キスや類似性行為サービスがある通称「キスルーム」「ストーリールーム」など新種風俗店が急増。ネットを通じて客をとる業者も目立つようになった。

 一方で最近、ソウルの梨泰院地区には、売春女性がいるバーが並ぶ新・売春街が出現。問題化している。摘発で稼げなくなった一部女性は来日し、都内に急増している韓国人デリヘルで働く例も多い。

 [2012年4月6日9時20分 紙面から]







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