経済産業省
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海江田経済産業大臣と東京電力(株)との臨時共同記者会見の概要

平成23年3月12日(土)
3:06~3:48
於:記者会見室

 

冒頭発言


海江田経済産業大臣


 

 まず、このたびの地震による事故により福島第一原子力発電所において、格納容器内の圧力が高まっていることから、ベント弁を開いて、内部の圧力を放出する措置をとる旨、事業者であります、東京電力から、報告を受けたところでございます。

 この作業にともない、容器内の放射性物質が大気中に放出される可能性がございます。

 事前の評価では、その量は微量と見られており、現在陸地から海側に吹いている風向きを考えると、現在とられております、発電所から3km以内の退避、10km以内での屋内退避措置により、住民の安全性は保たれていると思います。

 どうぞ落ち着いて事態に対処して頂けますようお願いを申し上げます。

 私からの発言は以上でございます。


東京電力(株)小森常務


 東京電力の小森でございます。この度の地震に際しましては、国民の皆様、地域の皆様、本当にご心配をおかけしております。誠に、申し訳ありません。お詫びいたしますとともに、全力で発電所の安全を守るということで復旧してまいりたいということを、まず最初に申し述べさせていただきたいと思います。

 経緯も含めまして、ここまで至りましたことについて、ちょっとまだ事実関係についてはかなり錯綜しておりますので、若干精緻度は欠くかもしれませんが、お話しさせていただきます。地震そのものは14時46分にまず宮城県沖でございました。その後、茨城県沖でもあったということですが、ちょっと我々自身は正確に地震の特性とか、わかっておりませんが、いずれにしても大きな津波が押し寄せたということもあります。それから、かなり大きなマグニチュードということで、発電所そのものが被災をしたと。最初の地震においては、原子炉の自動停止の値を超えましたので、まず、核分裂を止めるという制御棒は全挿入されました。福島第一におきましては3機、1号機、2号機、3号機が運転をしております。これが、制御棒が入って止まりました。福島第二におきましては、1号、2号、3号、4号の4機運転をしております。これもすべてのプラントが止まりました。系統側の方についてはちょっと私自身もまだ正確に把握しておりませんが、そういう状況で福島県の4つの町にあります原子炉については、まず最初の地震においては止まりました。そのあと冷やすと、冷温の停止にもっていくという行為をしている最中に時間がちょっと正確でなくて申し訳ありませんが、また大きな地震があり、津波としては、15時20分から引き続き何波か発電所に押し寄せたという状況であります。最初の段階では非常用ディーゼルの発電機が回りまして、電源を確保しておりました。しかしながら津波がちょっと規模と程度が、まだ必ずしも十分把握できておりませんが、発電所に襲来しまして、それで、海水をくみ上げるポンプであるとか、そういったものが、あるいはディーゼルの機能を保つための補機を冷却する設備等が海水についたということで、非常用電源がなくなったという状況になりました。したがいまして、これは原子力の災害防止法で申します特定事象になるというような話、それからもう一段進む可能性もあるということで、法律に基づいた通報を何度か第一、第二ともして参りました。その後最大限、我々としては復旧に努めてまいりましたし、また原子炉を冷やすということに関しては、原子炉の蒸気を使って、モーター、モーターではなく蒸気を使って、給水するという設備を動かしたりをして、燃料が冠水といいますか、水がちゃんとつくという状況をとにかく確保するということに最大の力を注力しておりますし、今まさに発電所の方ではその作業も継続しております。また電源の復旧でいろいろ代替のポンプで注水するということにもトライをしておりまして、まだ十分ではございませんが、電源車の到着を待ちつつ、作業をしているという状況でございます。その中で交流の電源がなくなるということで、かなり原子炉のプラントの状況については見えない部分といいますか、そういう状況になりまして、格納容器のそういう状況になりますと、原子力災害防止の観点から、「止める・冷やす・閉じこめる」そういったことをちゃんと確認すると、確保するためにですね、特に閉じこめるための機能として、原子炉圧力容器という燃料の入った容器の外に閉じこめる格納容器というのがございまして、その格納容器そのものが最終のバリアで、原子炉の炉心については、冷やすということが重要ですけど、場合によってはそこから放射性物質がでるかもしれない、そういう最終のバリアそのものが早期に壊れてしまうということは非常にまずい状態を、今後の災害防止の観点からも非常に不満足な状態になるという懸念があるというふうに思っております。従いまして、今、見ているパラメーターでは、燃料のところの水位とか格納容器の圧力がすぐさま大変な状況になるということではないというふうに思われますが、給水をする、蒸気を使って給水をするポンプの機能については直流電源でがんばっている状況ですし、その状況が見えなくなっているという状況で、仮にパラメーターがあまり問題ないという状況、原子炉の水位がある程度保たれているという状況が示されているとしても、そこは少し保守的に疑ってかかるべきではないかという判断をしております。従って格納容器を少し予防的に守るということが、今の事態では、我々が長期に、まだまだやることはたくさんあります、その間の安全性を確保するための、議論は非常にありましたけれども、国、原子力安全委、国のなかでも特に規制当局の保安院、そういった方の判断も仰ぎまして、電力会社としてまずは、少し予防的なことになるかということで、また地域の皆様に大変ご心配をおかけするということに関しては、誠に心苦しいことではありますが、そういうアクシデントがあったときのマネジメントの手段として定まったやり方として、格納容器からですね、圧力を少し出すと、いうことをしようという手順を組んでおりまして、その判断をやろうというふうに、考えた次第であります。格納容器の圧力を下げる具体的な手順としては、我々の使っております、沸騰水型の軽水炉では、原子炉の下に水がありまして、そこを通してベントをするということと、直接大気に出すという二通りの手がありますが、まずは水の方に導いて、放射性物質が仮にあったとしてもかなり低いレベルに抑えられるという手順をまずはとっていきたいということですが、その状況次第ではまた、判断ということで、今現場の方では両方の手ができるように手段を講じています。

 そういうことで、ちょっと十分な情報にはまだならないかもしれませんが、経緯も含めまして、原子炉の格納容器という閉じこめる最終障壁については、まだ、事後の、いわゆる地震後の被災の収束というには時間もかかるかもしれませんし、ここで、少し楽天的な判断をするということは、将来まずいことになるかもしれない、そういう判断で、今言いました原子炉格納容器の圧力を下げるという手段をとるのがよいというふうに、我々事業者としても思いましたし、そういう判断で進めるべしというふうには国のご意見もありまして、今の見解に至ったということです。

 時間的には、何時からというのはちょっとまだ現場の状況をよく確認した後になりますが、まずは皆さんにお話しをし、地元のみなさんにも手はずを整えて少しお話しをするということで進めていきたいと思っております。なお、大臣からお話がありました被ばくということに対する懸念でございますが、燃料が破損をするということをある程度前提においた我々安全審査の段階で、事故ということを想定して原子力の設備を作り、立地評価をしております。そこまで至っていない可能性はありますが、ある程度の燃料が壊れて格納容器の中にあって、そのまま充満してベントをされるという状況で評価をしても、風向きということで、今の風向きは海側というふうにちょっと聞いておりますので、あまり影響はさらにないのかもしれませんが、保守的に評価をしましても、先ほどお話しをしましたとおりの、屋内退避をしているというレベルでも問題ないのではないかというふうに思っておりますので、実質的にご心配をおかけしないようにということを考えつつ、判断した次第でございます。誠にみなさんにはご心配をおかけし、また、今後の対応につきましても、ある面では、ご支援いただくということもあろうかと思いますが、まずは原子炉の安全を最大限確保するということで、まずは原子炉以外の話の部分については、ちょっと別途の話で、今日は、この時間は原子炉格納容器の圧力を下げるということのお話をさせていただきました。どうぞよろしくお願いします。以上です。

質疑応答

 

Q:何時からという目処はないのですか。

A:【東京電力小森常務】3時ぐらいを目安に、速やかに手順を踏めるように現場には指示しています。

 

Q:3時ってもう3時ですよ。

A:【東京電力小森常務】それはここの皆さんにお話をするという上で、目安としては早くて3時くらいからできるように準備をしておりますので、少し戻って段取りを確認してから。

 

Q:要は、告知した上でやるということですが、準備はできている、では即座にやるということですか。

A:【東京電力小森常務】はい、今でもゴーすればできるという状況ですが、そこはちょっとまた必要があれば、お時間についてはお知らせしたいと思います。

 

Q:言っていることが分からないんですけど、すぐやるということでいいんですね。

A:【東京電力小森常務】はい。この会見も含めて、地域の皆さんの告知も含めて、終わり次第やると。

 

Q:この会見が終わった段階でやるということですか。

A:【東京電力小森常務】はい、そういうことでお考えいただければと。

 

Q:地域への告知はもうされているのか。

A:【東京電力小森常務】ええ、並行してその段取りで今、動いていますので、その状況も確認します。

A:【海江田経済産業大臣】すぐ早くこれを終えて、すぐやらなければいけない。

 

A:【東京電力小森常務】いずれにしても現場の人間がちゃんと動かせるという状況を我々も確認したい。

 

Q:確認ですが、ディーゼルが動かなかったのは津波の影響で動かなかったのですか。

A:【東京電力小森常務】ええ、これも現場の調査がですね、水がきたりなんか色々していますので、作業とか、運転員の安全を確保しながらですが、まずは海水がかなり発電所まで浸入した、ということで非常用電源側の方の電源がうまくつながらなくなったということです。

 

A:【海江田経済産業大臣】よかったら告知の件もありますので、私はすぐ官邸に戻りますので、あと細かな何シーベルトとかいう話は保安院がおりますので、保安院に聞いていただけますか。

 

Q:一つだけいいですか。官房長官の会見の時間は何時か正確に忘れましたが、あれで退避の命令を出したのは、3㎞避難、それから3㎞、10㎞の屋内退避を出した段階で、もうこのことを予見していたわけですね。

A:【海江田経済産業大臣】いや、そうではありません。

 

Q:ではすぐに開放されるのですか。ここ出られたらすぐに。

A:【海江田経済産業大臣】準備には入っていますから、それをまず官邸に行って、ここで報告をした、会見をやったということを報告してから。

 

Q:それから決めるのですか。

A:【海江田経済産業大臣】決めるというか、時間をね。何時になるというのは後でご連絡します。

 

Q:今の今ではないってことでいいのですね。

A:【東京電力小森常務】みなさんがここに座っている時に現場でやっているということはありません。

 

Q:確認ですけど、要するにやるときには事前に何時からやりますとおっしゃるという理解でよろしいのでしょうか。事前に連絡があるという理解でよろしいでしょうか。

A:【東京電力小森常務】わかりました。何時にするということを、報告させるということにいたします。

 

Q:今の段階ではやってないってことで。

A:【東京電力小森常務】はい。

 

Q:すみません、二通りあるという炉の下の水を流すというのをもう少し詳しく。今の説明だとどうやってやるか分からないのですが。

A:【東京電力小森常務】原子炉格納容器の図面を準備出来ずに誠に申し訳ありませんが、原子炉格納容器というのが、原子炉圧力容器の外に閉じ込める機能としてございまして、その中に下の方には水のプールがございます。原子炉格納容器そのものは水側の方と気体の入っている側と二つエリアがございまして、そちらから直接大気に出す上の方の気体部分を出す部分と、気体部分ではありますが下の水のほうに配管を導いていくラインがありまして、そこに気体としてブクブクと、水を通して結果的には大気には出るということです。

 

Q:水は格納容器の外に空けているのですか。

A:【東京電力小森常務】格納容器のここに、正確ではなくて恐縮ですが、原子炉圧力容器と原子炉格納容器でここに水のドーナツ状のものが、二次元ですから、ドーナツ状の水の部分がございまして、ここから水の中に一回空気を落として、我々は「排気筒」と言っておりまして、そちらから出すということです。そこは通常は開けないところで、破壊をしないと放出とならないと、それを開けることでこちらに放出する。

 

Q:先ほど、御社の広報の人たちが建屋の中に逃がすとおっしゃっていましたけど、違いますよね。外に出すのですよね。

A:【東京電力小森常務】はい。外に出します。もちろん配管そのものは建屋の中を通っておりますが、最後は外に出ていきます。

 

Q:水はどこに出すのですか。

A:【東京電力小森常務】水は出しません。水はずっと溜まった状況で、何かあったときに。

 

Q:要は、格納容器の中の空気を建屋の外に出すというわけですか。

A:【東京電力小森常務】出します。そういうことです。

 

Q:あなたたちの広報の人たちは、さっき出さないと言っていたが。

A:【東京電力小森常務】出すことで圧力を下げるということです。

 

Q:でも、水は出さないのですよね。

A:【東京電力小森常務】水はこのままです。

 

Q:水はどこに、格納容器のなかにあるのですか。

A:【東京電力小森常務】もともと、ここの中に水は溜まっています。事故時に注水できる水として常にあります。そこのなかに空気を通すか通さないかということ。

 

Q:確認なのですが、格納容器の設計が4気圧で、いま6気圧で、8気圧になるとやらないと、開かないといけないということでいいですよね。

A:【東京電力小森常務】圧力としては、設計圧の2倍くらいになれば、ひとつの判断に。

 

Q:4気圧の設計しかしてないのですね。

A:【東京電力小森常務】そうですね。

 

Q:水を通す場合というのは外に放出するということにはならないのですか。

A:【東京電力小森常務】ビーカーからコップの中に空気をつっこんでも、空気は結局大気に出ていきますね。水そのものは、ずっと格納容器の中にとどまっている部分です。

 

Q:8気圧を超えたという判断があるんですか。

A:【東京電力小森常務】いえ、今の我々のプラントのパラメーターを見る限りは超えてはおりませんが、先ほど申しましたように、原子炉の給水をするという運転状況がかなり見えない状況になっていたということで、我々が過去に考えていた事故想定からみると、保守的に判断した方がいいだろうと言うことです。

 

Q:今、その電源がうまく作動、給水がうまく動いたら、別にしなくても良いのだけど、まあ、念のためにやりましょうって、それでいいのですね。

A:【東京電力小森常務】先ほどの圧力の件で、私は広報が皆様にどういう情報を入れたか知らなかったですけれども、まずは2号機について、圧力の降下をするという風に考えております。2号機については、この夕方くらいから、原子炉を給水するポンプの作動状況がかなり見えない状況になっておりました。いろいろな計器そのものについても、どこまで信頼するかということでありますが、我々が今まで設計してきたベースでは、疑ってかかった方が良いだろうということも含めて、まずは2号機をやろうと。ただし、1号機も3号機もですね、その準備等、その状況についての把握は引き続き実施してまいります。

 

Q:まず1号機なのですか。

A:【東京電力小森常務】1号機については、状況の把握をしておりますが。

 

Q:今、1号機の話をしているのじゃないの。

A:【東京電力小森常務】あの、まずは2号機がですね。

 

Q:圧力は1号機ですか。2号機ですか。

A:【東京電力小森常務】いまのパラメーターで圧力が上がっているのは、1号機でございますが、1号機もまだ2倍にいっているわけではなくて、2号機も。ただしそのパラメーターの精度ということについては、注水機能がブラインドになっている時間が長い2号機の方が本当かということを疑っていくべきだと。

 

Q:この後すぐにやるのは2号機で、1号機は状況を見てやるということですね。

A:【東京電力小森常務】はい。まあやる準備は1号機も3号機も。

 

Q:いま2号機の圧力はどれくらいですか。

A:【東京電力小森常務】今パラメーターで見ると、50キロパスカルとかそういうこと。設計圧よりは少ないという指示値を示しております。2号の設計圧というのは380くらいです。

 

Q:1気圧より小さいってことですよね。

A:【東京電力社員】大体、4気圧ちょっとです。

 

Q:それって0.5気圧しかないという。

A:【東京電力社員】ベントは8気圧というかたちで判断しております。

 

Q:それは良いのだけど、現状0.5気圧という数字が出てきているのですか。

A:【東京電力小森常務】はい。

 

Q:じゃあ、それは壊れていると判断して良いわけですか。

A:【東京電力小森常務】いままでの事象の経緯からみたとき、そんなに圧力は本当に低いままなのかどうかということは。

 

Q:1気圧より低いというのはあり得ないでしょう。

A:【東京電力小森常務】それは、ゲージ圧で言っておりますので、1気圧に加えた圧力。

 

Q:1号機はもう、レット・イット・ゴーの状態になんですよね。2号機はなぜですか。突然出たのでびっくりです。

A:【東京電力小森常務】2号機については原子炉の給水をする機能が、夕方16時くらいですか、時間についてはあれですけれど。

 

Q:水位が一番低くなっているからという。

A:【東京電力小森常務】水位についても、今のパラメーターでは、原子炉の燃料を上回っているというのは、3プラントとも上回っている。

 

Q:2号機で通常400であるものが100以下の50になっていたとしたら、圧力容器内の1次冷却水が格納容器内に拡散している可能性はほとんど無いんじゃないですか。

A:【寺坂原子力安全・保安院長】ちょっといいですか。技術的な説明は、引き続き、今2号機と1号機の話が混乱しているので、私どもの理解で申し上げますと、2号機については、実際に出ている、検出する機械ですね、機械の数値を見ている限りはですね、いまご質問のあるようにただちに何かという数値になっていないのですけれども、そもそもその数字が、十分信頼性のあるものなのかと言うことがありまして、なぜかというと、2号機については注水機能が比較的前に止まっておりまして、その注水機能を回復するための電源装置の手配などを、別途やっているのですけれども、そういう止まっている状態と、今メーターに出ている数値との関係が必ずしも整合してないのではないかという心配があるものですから、あらかじめということであります。念のためということなのですけれども、まず2号機について、そのベント処理をしたいということなのです。というのがこちら(東京電力小森常務)の話なのです。

 それで1号機については確かに、実際に圧力が上がってきておりますけども、この圧力の今の段階で2号機よりも先に1号機についてベントをするというところにはまだ至っていない、ただ準備は、1号機それから3号機についてもできるように準備は始めているというそういう整理と思いますので。

 

Q:やることが確実なのは2号機だけということですか。

A:【東京電力小森常務】いま、まずやったほうがいいだろうという判断は2号機。

 

Q:2号機の数字、数字が信頼できないというのは圧力の数字ということですか。

A:【東京電力小森常務】はい。圧力がまず。

 

Q:ようは壊れているかもしれないといことでいいのですよね。

A:【東京電力小森常務】まあ、放射線のサーベイもしていますし、その観点からはモニターとしてはまあそんなに正常値だったりもしていますけれども。壊れる可能性に対してどれだけ早く手を打つかということ。

 

Q:その説明では、2号機をやる理由がわからないでしょう。

Q:いままでその電源つなげば大丈夫だと言っていたではないですか。

A:【東京電力小森常務】ただその電源そのものについては、まだちょっと今、鋭意やっておりますが。まだ今の段階では。

 

Q:今まで3時の会見前はどういう話を我々は信じさせられてたかと言うと、電源つなげば大丈夫で、もう電源をつなぐ作業はもう準備ができたと、あとは人の手配だけだと、こういう説明をあなた方から縷々ずっと聞かせられてたのですよ。それで、1号機の圧力も高まったという話を聞いていたら、なぜかわからないけれども2号機の減圧作業をしなきゃいけないとか言い始めて、その理由がさっぱりわからないです。

A:【東京電力小森常務】先ほど電源をつなぐという準備を、いまでも鋭意やっておりますが、本当に給水できているかどうかというのが、一番最初に怪しくなったプラントが2号機です。

 

Q:給水ははじまっているのですか。

A:【東京電力小森常務】いいえ。電源のつなぎは、現場でいま作業していますが、未明、いまの時点では終わらないということも含めて判断しています。

 

Q:3機とも出来てないんですよね。

A:【東京電力小森常務】3機ともできておりませんが、1号機につきましては、ちょっと出力が違う炉型なんですけれども、蓄圧タンクのようなものがございまして、そこから水が入るということが期待できるという。それからそこの蓄圧タンクのほうの水にも、注水で水をメイクアップしているということを続けております。3号機につきましてもその給水の機能については2号機よりももう少し長くもっているという状況がありますので、まあこれも早く復旧するということは3台とも電源を早く復旧するということは鋭意努力しております。

 

Q:確認させてください。つまり、1,2,3について開放する準備を進めていて、今現状でいうと、2号機について真っ先に開放したいという意向を持っていると。その時間はまだはっきりしないという状況ですね。で、そのとにかく開放する場合には何時から開放するという話はしていただけるということでよろしいですね。

A:【東京電力小森常務】はい。

 

Q:順番としては、まず2号機からいくと言うことで、場合によってはその後、1にいくかもしれないし、3も準備している状況ですね。

A:【東京電力小森常務】それは、復旧なんかの状況を見てですね。

 

Q:わかりました。

A:【東京電力小森常務】手順はとにかく3台とも出来るということですね。

 

Q:で、2からいくという状況ということですね。

A:【東京電力小森常務】2がそういうことになっているというのは給水の機能がですね、ブラインドになったという状況が一番長いので、技術的な判断としては今のパラメータがそんなに信用できるのかと。

 

Q:はい、わかります。状況としては2からいくということになってやる。とにかくやるときにはちゃんと事前に連絡ということだけは、それだけはお願いします。2,1,3ですね。わかりました。

Q:1から3まで機材としては、メーターとしては壊れているっていう可能性があるということですか。

A:【東京電力小森常務】あの壊れているかどうかということも含めて現場のほうでは想定も含めて見ておりますけども、その事象の今、示している数値そのものがですね、我々が技術的に理解しているものから見てなかなか説明がつかないというのが2号機であります。

 

Q:それは1から3まで全部。2号機だけ。

A:いや。1から3も一応見ておりましてですね。

 

Q:その数値は信用できないんですね。

A:そこは水がちゃんと入っている時間が長いということであればですね、まずそこまでいかないということが必ずしも。

 

Q:それは、なぜ壊れたと言えないんですか。

Q:要するに住民がね、住民が被ばくの危険性にさらされていても1から3を開くってことなんですよね。じゃあ、その理由はなんなんだっていう話なんですよ。どうしてそれがちゃんと答えられないんですか。

 

Q:2がよっぽど危ないってことですよね。

Q:要するに、本来なら圧力が高まっていなくてはいけないのに、0.5っていう数字はどう考えても理解できないってそういうことですか。

 

A:【東京電力社員】すいません、若干補足でご説明させていただきます。

 まずですね、今回2号機の格納容器のベントを第一優先に考えた理由でございますけども、ただいま小森の方からご説明させていただきましたけれども、2号機ではRCICという設備で、水を入れる設備で、最初水をいれていたわけでございますけれども、その後ですね、RCICという設備で、水を本当に原子炉の中にいれているかということが、確認ができなくなりました。一方ですね、先程来ご説明しておりますけれども、格納容器の中の圧力は、一般的な言い方でいえば今、約1.5気圧という感じでございまして、十分に低い圧力になっています。しかしながら、水を入れているということが確認できていない状態で1.5気圧ということを考えますと、保守的に考えた場合、もしかして水が入っていないかもしれない。水が入っていなかったとしたらですね、1.5気圧というこの表示している気圧は間違っているかもしれない、ということです。この場合に我々その格納容器の気圧が見えないということになります。そうしますと、何キロのときに本当に開けばいいのか、ということが格納容器のベントがわからなくなりますので、そういう意味で保守的にです。もしかしたら全然本当に1.5気圧かもしれません。ですけれども、保守的にここで格納容器のベントをやってみよう、ということで、まず2号機から始めようということで考えさせていただきました。

 ただですね、今入った情報でございますけれども、現場で、RCICという設備で2号機に水が入っていたことが確認できたという話が、今入りました。あの、これちょっと、皆さん、誤解を招くかもしれませんが、無茶かもしれませんが。ということなので。意外と2号機の数字は合っているかもしれないなってことになってきました。申し訳ございません。

 

Q:それを受けて、2号機からやるか1号機からやるか、また判断しなおすってことですね。

A:【東京電力社員】ええ。そういうことでですね、先ほど2号機、1号機の順番でとお話申し上げましたけれども、申し訳ございません。申し訳ございません。

 

Q:じゃ、現状はどうなんですか。

A:【東京電力社員】現状はですね、そういう意味ではですね。2号機にはRCICで水が入っているということが確認できましたので、現場のこれからの判断になりますけれども、1号機の圧力が、やはり2号機に比べると高いので、もしかすると1号機が先になるかもしれません。これはですね、皆様にはですね、今後、ちゃんと、事前にご報告しますので。

 

Q:じゃ1番最初の説明にもどるんですね。

Q:とりあえず今白紙なんですか。

A:【東京電力社員】そういう意味ではですね、申し訳ございません。今、私も伝言で受けたばっかりでございまして、何号機から先にやるか、判断はまだ見えてきておらず、申し訳ございません。ただ、そういう状況でございますので、2号機1号機っていう順番かということについては、前後関係は多少ずれる感じがございます。

ただし、格納容器の圧力を下げることについては、事前に格納容器の圧力を下げておくというのはやはり非常に重要なことですので、これはですね、誠に申し訳ない話でございますけれども、この手順に基づいてやらせていただきたい。

ただし、その前には、ちゃんと皆さんには、お知らせをするという形ででやらせていただければと思います。

 

Q:RCICっていうのは動いていたことを確認したんですか、それともRCIC、今2号機が止まっていますけれども、復旧したということですか。

A:【東京電力社員】復旧ではなくて、動いていたということを現場に、現場に行ってですね、確認できたということです。

 

Q:データがわからなかったけれども、水がちゃんと入っていたということを確認できたということですか。

A:【東京電力社員】入っていたということを今、確認できたという話がございました。

 

Q:給水が止まっていなかったということですか。

A:【東京電力社員】給水が入っていたということが確認できたということです。

 

Q:給水が止まって、でも水位が350くらいあったという説明だったんですけど。

A:【東京電力社員】あの、そういう意味で先程来、2号機のRCICの給水量がまったく見えなくなっていたので、これは止まっているんだろうと考えていました。しかしながら、実際に現場で、ポンプのところまで行って確認できたという話が、今ございまして、ちゃんとポンプが動いているということを確認いたしましたので、順番が2号機1号機の順番になるかどうかというところは考えているところです。

 

Q:最初の説明の400の600とかいうのは、正しいんですか。圧力の話です。

A:【東京電力社員】圧力でございますね。1号機の話でございますね。1号機の話につきましてはですね、格納容器の設定はどれも大体4気圧と、まあ、一般にいいますと5気圧位のイメージでございますけれども、まあそういう圧力で、今6気圧位の数字を示しているというのは事実でございます。

 

Q:3号機は。3はいくつなんですか。

A:【東京電力社員】申し訳ございません、今3号機の数字は持っておりません。

 

Q:すみません、確認なんですけども。やるというのはもう決まっていて、どちらからやるかというところの判断が未だ固まっていないということですか。

A:【東京電力社員】あの、こういう事態でございますので、我々といたしましては、格納容器のベントにつきましてはですね実施させていただくという方向で考えていきたいと考えています。

 

Q:どれを。1から3号機までを全部。

A:【東京電力社員】これはプラントの状態を見ながら判断させていただきます。

 

Q:すいません、あの2号機、動いていたというのは、バッテリーが切れていたというのが間違っていたということですか。

A:【東京電力社員】あの、バッテリーが切れていたというお話がどこから来たのか私聞いておりませんけども。

 

Q:それは保安院に聞いているんですけども。

A:【東京電力社員】そうですか。RCICのポンプが、切れる理由の1つとしましては、バッテリー切れというのが一番可能性としては、高うございます。ただ、我々としましては、そのRCICのポンプの容量が見えていないということで、例えばバッテリーが水に浸るとかそういうことが起きて、多分停止したんではないかというのは大きな要因の1つとしては考えておりました。今現場に行ってですね、現時点で動いているということですので、多分二号機については、原子炉の中に水が入っているという状況が継続できているんだろうと考えております。

 

Q:圧力が現状高いとか低いとかじゃなくて、さっきもちょっとちらっと仰ったように、ようは給水がどうなるかわかんないから、とりあえず開けておこうということでいいんですか。

A:【東京電力社員】そういう意味では保守的、保守的という言い方が正しいかどうかはわかりませんけども、まずは格納容器の圧力が、本当に上がったのか上がってないのかわからなかったという状態だったのが、2号機については、まず先行的に開けるということを考えようと思っております。

 

Q:いや、何にせよ1号機にしたって、600キロヘクトパスカルしかないんだから、本当は開けなくていいけど、でも念のため、給水がどうなるかわからないしとりあえず開けておこうということでいいんですね。

A:【東京電力社員】はい、そういう意味では、格納容器がいわゆる圧力がだいたい設計圧力の倍くらい増えますと漏れるという可能性があります。したがいまして、そのような漏れるような状態になる前に、ちゃんと格納容器の圧力を下げておくということが原子炉の安全といいますか、格納容器から本当に放射性物質を出さない、いざという事故のときに炉心が溶けたときに出さないためにも有効でございますので、この手段を使わせていただきたいという風に考えているところでございます。

 

Q:もう一度確認なんですけど、2号機のRCICは午後8時半の時点で、冷やす機能がなくなってしまって、電気がないから、発電車持ってくるという話でしたけど、午後8時半に冷やす機能が失われたんじゃなくて、冷やす、RCICは動いている。今も動いている。

A:【東京電力社員】今も動いております。

A:【東京電力小森常務】ただし情報が途中から入ってきて、復旧もしていますので、刻々かわることに関しては本当にお詫び申し上げますが、電源車でバッテリーを交流で直流を充電するということは、重要な作業ですので、平行して何号機であろうとやっていくということで、2号機も。

A:【東京電力社員】そういう意味では今動いておりますRCICという設備も含めましてですね、今やっているやつは全てバッテリーが必要でございます。従いまして、バッテリーの充電をしっかり続けるということが、水を原子炉の中に引き続き入れていくという観点からも必要でございますので、そういう観点で電源をとにかく持ってきて、繋ぎこむということを最優先にやらせていただいております。

 

Q:じゃ2号機3号機はバッテリーさえ付けば問題ないわけですね。問題は1号機の圧力が高まっていることだけということになる。

A:【東京電力社員】バッテリーさえ付けばというよりは、バッテリーと要するにいわゆる交流電源みたいなのを、いかに早く復旧させるかということが本当に大きなポンプを動かすためには重要でございますので、その辺も含めまして、電源をいかに早く回復するということでございます。

 

Q:1号機を最優先に考えていて、何が確認されたかもしくは何が確認されなかったら、1号機を開放するんですか。

A:【東京電力社員】これは今後1号機の格納容器の圧力の上がり具合を見ながらですね、決めていくということになると考えております。ただ、こちらにつきましては、現場の方とですね、よく事実関係を確認した上で事前に皆様にちゃんとご報告した上でということですね。

 

Q:可能性としては、1号機からやりますか。可能性しては、1号機もやらない可能性というのもあるわけですか。

A:【東京電力社員】ちょっとすみません、今プラントの状況が見れていないので、何とも言えませんけども。

 

Q:これは大臣を連れて来て開けますからという、開けてでも放射性物質が出るけども、微量で住民は今の退避の状態だったら大丈夫という会見だったんでしょう。

A:【東京電力社員】そういう意味では、1号機から3号機まで含めまして、基本的には格納容器ベントをして、早めにするということが第一の選択肢になると考えております。

 

Q:無理して開けなくていいんですよ。

A:【東京電力社員】そういう意味ではプラントの状況を見ながらですけども、そういう状態になっておりますということを、ちゃんと皆様にお伝えをする。

 

Q:開けないという選択肢はないんですか。

A:【東京電力社員】これは、電源が早期に復旧してですね、確実に格納容器の中の圧力が下がったということが、早い段階でわかれば可能性はございますけども、今の状況から考えていきますと、できるだけ早めに格納容器の中の圧力を下げた方がより安全なのではないかと。

 

Q:もう1回確認なんですけど。1を開ける理由はわかりますが、2号機と3号機を開ける理由は何ですか。

A:【東京電力社員】2、3号機につきましては、そういう意味では、先程来申しましたRCICという設備で水を注入しておりますけれども、この水の注入がもし止まってしまいますと、その後、格納容器の中の圧力がぐっと上がってしまうことになります。そうなった場合には格納容器の中の圧力を下げることが必要になってまいりますので、そういうことも含めまして、1から3号機の全て格納容器のベント等を含めまして、検討を進めていきたいと思います。

 

Q:現状は、1号機が可能性非常にあるということで、2と3についてはそのための準備を進めているということで、状況が悪くなればやることになるかもしれないという状況だということでよろしいですか。

A:【東京電力社員】現時点ではそういう状況だと認識しております。

 

Q:海江田大臣の報告はいったん撤回ということですか。

Q:最初海江田大臣は1号機をあける前提でしゃべっていますよね。

A:【寺坂原子力安全・保安院長】全体の話として、我々の今までの説明の流れと、東京電力の方の対応とで、1号機と2号機でちょっと混乱があったことは大変お詫びいたしますけれども、大臣の気持ちとして、1号機を最初にして、2号機、そういった趣旨でお話ししたものではなく、号機にはふれないままに、全体として開けることがありうるということで話をしております。

 

Q:開けますよって話ですね。

A:【寺坂原子力安全・保安院長】開けることがあり得るということでお願いいたします。

 

Q:その分では大臣会見は使って良いんですよね。

A:【寺坂原子力安全・保安院長】はい。

A:【東京電力小森常務】プラントの状況がちょっと刻々と変化しており、今電源復旧もやっており、ちょっと時間の中で経過が進んでおり、申し訳ありません。そこはお詫びいたします。

 

以上
 
最終更新日:2011年4月27日
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