京都祇園暴走:亡くなった奥村さん 長女が生まれたばかり

毎日新聞 2012年04月13日 00時12分(最終更新 04月13日 00時20分)

 「子どもが生まれて喜んでいたのに、何でこんなことに」。亡くなった京都市右京区の介護福祉士、奥村昌彦さん(40)が搬送された京都第二赤十字病院(同市)には、今月7日に長女を出産したばかりの妻や両親、妹らが駆けつけ、遺体と対面した。

 母順子さん(65)は目を真っ赤にしてハンカチを握りしめた。奥村さんは現場近くの介護施設に勤務。自転車で通りかかり、巻き込まれたらしい。

 順子さんは午後2時ごろ、自宅のテレビで惨事を伝えるニュースを見ていた。そこへ病院から「先ほど事故があって、息子さんが巻き込まれた」と電話が入った。命が危ないと聞き、手と足の震えが止まらなかった。家族で病院に駆けつけると、全身の骨が砕けていると聞かされた。

 奥村さんは昨年末に結婚。今月11日、妻は出産した病院から長女と一緒に自宅に戻り、家族3人の暮らしを始めたばかりだった。順子さんが同日昼、赤ちゃん用の布団を届けると、奥村さんは「お母さん、おおきに」と笑顔を見せた。

 順子さんは「ほんまにええ子やったのに。痛かっただろう」と言葉を失った。妻は親族に両わきを支えられ、放心状態で病院を後にした。【藤顕一郎】

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