牧太郎の大きな声では言えないが…:“警察頼み”の限界

毎日新聞 2012年04月10日 東京夕刊

 しつように付きまとうストーカー行為は増え続けている。2000年に「ストーカー規制法」が制定されて以降、認知件数は年間、約1万2000〜1万6000件で推移。09年のデータでは、事件に発展しそうな「つきまとい・待ち伏せ」を訴える人が7607人。全体の51・3%に達している。

 この膨大な“訴え”に敏速かつ適切に対応するのは、今の警察には時間的にも、人的にも余裕があるとは思えない。大震災の復興にも人手を割いている。

 ストーカーは“狂犬病”のようなものだ。「病」であれば、巻き込まれない予防・工夫が必要だ。

 「ヒトを見る力」を持とう! 予防の一歩は、ヘンな相手と付き合わないことである。

 被害者と加害者の関係を調べると交際相手が51・5%、配偶者が8・2%。6割が自ら選んだ「相手」から被害を受けている。

 社会で、家庭で「ヒトを見る力」を教えるのが大事ではあるまいか。

 公務員の総人件費を20%削減せよ!というご時世である。「警察頼み」にも限界があるのだから。(専門編集委員)

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