牧太郎の大きな声では言えないが…:“警察頼み”の限界
毎日新聞 2012年04月10日 東京夕刊
正月の新聞に「明けましてオメデタイのは警視庁」という川柳を発見して、大笑いした。
大みそか、指名手配中のオウム事件容疑者が出頭してきたというのに“門前払い”してしまったドジな警察。「オメデタイ!」としか言いようがない。
その後も……任意同行中、容疑者に自殺されたり……飲酒取り締まりで、検知されたアルコールの数値を“水増し”して捕まえてしまったり……考えられない不祥事が続く。
長崎県西海市の祖母と母が昨年末、三女の元交際相手に刺殺された「長崎ストーカー事件」。被害届を出そうとした家族に千葉県警習志野署が「1週間待ってほしい」と“先送り”していたことが分かった。しかも、その2日後、同署の捜査員が2泊3日の慰安旅行に行っていた。この不手際で、警察はまたまた“袋だたき”になっている。
「犯罪捜査規範」には「捜査に当たっては、被害者またはその親族の心情を理解し、人格を尊重しなければならない」とある。
被害者の心情を無視する警察なんて……警察は本気で捜査するつもりだったのか? 疑問が残る。
でも、我々はこの緊張感ゼロ?の警察に何でも頼っているのではないか?