三月末に発行後初めてポイント還元の有効期限を迎えたICカード乗車券「マナカ」で、還元されずに失効したポイントが、千百万円分に上った。バスや地下鉄などの利用に応じてポイントがたまり、十ポイントを十円として運賃に使える仕組みだが、還元期限は一年間。名古屋市交通局は「もったいない」とポイント還元の周知に力を入れている。
昨年二月に利用が始まったマナカは、市交通局の外郭団体と名鉄系の会社の二社が発行。翌三月からマイレージポイントの付与を始めた。このうち市交通局系の発行分で還元状況を集計したところ、昨年三月にポイントを付与した六千二百万円分のうち、千百万円分が還元されずに失効していた。
市バスと地下鉄の場合は、マナカによる一カ月間の利用金額が二千円以上五千円未満で10%のポイントがつき、乗れば乗るほど付与率も上がる。ポイントは自動的にたまるが、利用者が駅のマナカ対応券売機などでポイント還元の操作をしないと、運賃として活用できない。
市交通局系のマナカ発行枚数は百二十五万枚。今年三月末現在、付与された累計二十二億五千六百万円分のポイントのうち、27%の六億一千六百万円分が利用者に還元されていないという。
昨年四月だけで一億九千四百万円分が付与されたが、還元しないと今月末で失効してしまう。
交通局はPR活動を強化し、自動改札機にステッカーを張ったり、カード利用者にチラシを配って還元を呼び掛けたりしている。担当者は「二万円分以上のポイントがたまったままのお客さまもいた。カードに現金をチャージする機会にポイントを確認してみて」と話している。
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