金正恩氏、軍事委員長にも就任　

　【ソウル＝篠ケ瀬祐司】朝鮮中央通信は１２日、平壌で１１日に開かれた北朝鮮の労働党代表者会で、新設の第一書記に就任した金正恩（キムジョンウン）氏が、党中央軍事委員会委員長にも就任したと伝えた。

　委員会は、国防事業の指導を担当する。正恩氏は昨年末に人民軍最高司令官にも就任しており、軍への掌握力がさらに高まる見通し。

　朝鮮中央通信は、正恩氏が党最高指導部にあたる政治局常務委員にも就任したと報じた。同委員長、常務委員はいずれも故金正日（キムジョンイル）総書記が就いていたポスト。

　代表者会では党規約も改正された。第一書記を新設し「党の首班として党を代表し、全党を指導する」と規定。正恩氏が総書記に代わる党の最高ポストについたことが、党規約で明確になった。

　改正党規約では故金日成（キムイルソン）主席と故金総書記の「思想と路線を実現していく」ことも盛り込まれた。正恩氏が、金総書記が進めた「先軍（軍事優先）路線」を踏襲し、核・ミサイル開発を続けていくことが鮮明になった。

　改正党規約は、これまで「労働党は金日成同志の党」としてきたのを「金日成同志と金正日同志の党」と、両者を同列に扱っている。

（中日新聞）