ここから本文です

当たれば数十億円。「アニメ町おこし」、成功するのはどこだ?

週プレNEWS 4月11日(水)12時41分配信

 地方を題材にしたアニメで、町おこしを図る自治体が増えている。千葉県鴨川市を舞台にした『輪廻のラグランジェ』(第1期は12年1〜3月放送、第2期は同7〜9月放送予定)や、静岡県下田市を舞台にした『夏色キセキ』は、放送前から現地とアニメ制作側が関わりを持ち、コラボ商品の展開や現地企業との協力が行なわれている。

 こうしたアニメ町おこしが世間的にクローズアップされたのは、07年に放送された『らき☆すた』がきっかけだろう。舞台となった埼玉県久喜市(当時は鷲宮町)の行政に問い合わせ、経済波及効果を算出したところ、放送後3年間で推定22億円の経済効果が認められた。

 また、『戦国BASARA』に登場する実在の武将・片倉小十郎にゆかりのある宮城県白石市は、歴女ブームなども手伝って、放送後2年で推定4億を超える経済効果があった。

「ただ、僕らファンの印象としては、成功した自治体って良くも悪くも“行政後追い”だった気がします。作品の人気、立地の良さなどから、たくさんのファンが聖地巡礼に訪れるということがあった上で、そのファンを“もてなして”くれるような町でないと、なかなか成功しないんじゃないかな。僕らは作品に描かれたそのままの姿の街が好きなのであって、いきなり企業が出てきたり、街の景観が変わってしまったりするのは、本末転倒ですから」(日本各地を聖地巡礼に訪れるファン)

 実は、アニメ町おこしの可能性については、すでに官庁から「コンテンツツーリズム」という提案がなされている。簡単に言うと、名産品や名所といった「モノ」ではなく、コンテンツの持つ「イメージ」や「物語性」を地域への呼び水にするという提案であった。

 その原点に立ち戻るならば、新しいアニメ町おこしとは、まずはその地域にある物語を生かすものではないだろうか? そういった意味では、近未来を舞台にしたロボットSFながら、沖縄という土地の歴史とリンクしつつ物語が進むと予想される『エウレカセブンAO』は、アニメ町おこしという点でも期待できるかもしれない。

(取材・文/西中賢治)

【関連記事】
現役中学生のアニソンユニット「ClariS(クラリス)」って何者?
文化系女子的恋愛トーク 加藤夏希「同じアニメ好きでも得意分野が違うとお互い学べるし尊重し合える」
オリジナルアニメ台頭の理由は、魅力的な原作の枯渇?
“文化系女子”とつきあいたいなら、趣味の否定は絶対NG
出版社VS石原都政がもたらした”アニメフェアの分裂”アニメ関係者たちの意外なホンネ

最終更新:4月11日(水)12時41分

週プレNEWS

 

記事提供社からのご案内(外部サイト)

週刊プレイボーイ

集英社

No.17
4月9日(月)発売

定価=290円(税込)

【特集】女のコに最も好印象な答え/「琵琶
湖大地震」で関西が被曝か!?【グラビア】
逢沢りな/光宗薫/中村静香/上野まな/コ
リドル2012/藤原令子/中村愛 他

 

PR

carview愛車無料査定
PR

注目の情報


PR