2012年04月11日
Pixivと株式会社インパクトの共同企画が許されるべきではない理由
|こちらの件。正直、初見では簡単に善悪の付く問題ではないかもしれないな、と思った。Pixivでオリジナルイラストを集めてそれでカードゲームを作るという企画自体は上手くすれば面白いものになるかも?とも思うし、確かに応募要項は怪しげだが、こういった要項に過剰防衛的なお約束文言が入るのは、まあ良くないこととは言え良くあることでもある。実際に額面通りに運用されるようなことはまずないし…とも思ったのだが、同社が2011年の8月に同様の企画を立ち上げており、その顛末を調べるにつれ、これは許されざる邪悪な行為だと確信したので、あえてブログ記事にすることとした。
最低限の約束すら守っていない
まず外堀を埋めておこう。2011年8月に開催されたアルティメットセブンイラストコンテストの応募要項に次のような一文がある。
[pixiv] 【公式企画】アルティメットセブンイラストコンテスト 応募要項
(4)投稿者へ審査結果を個別にお知らせすることはありません。なお、本コンテストの結果発表は、当社ホームページにおいて行われます。優秀賞受賞作品においては、投稿作品およびpixivのペンネーム、採用作品においてはpixivのペンネームが本サービスに掲載されます。
どのような形で発表されているのかとホームページを隅から隅まで見てみたが、結果発表のページがどこにもない。入賞作はおろか優秀作の掲示すらどこにもない有様。いったいどうなっているのかと更に調べたところ、結果発表自体はPixivのお知らせページで行われていた。が、そこで更に驚愕の一文を目にすることになる。
[pixiv] お知らせ - 「アルティメットセブンイラストコンテスト」受賞作発表
今回のコンテストでは大変優秀な作品が多く、多数の作品が入選いたしました。大変数が多く全ては掲載しきれないため、その中の一部だけご紹介させていただきます。
今回ご紹介していない入選者の皆さまには、pixivメッセージにてご連絡させていただきます。楽しみにお待ちください。
なんと入選してゲーム内のカードとして採用したものについても一般に発表は行わない。投稿者自身とゲームをプレイした人以外にはどのイラストが入選したのかすらわからないという。さすがにこれはコンテストとして有り得ない。Pixivのお知らせページの仕様上ある程度以上の分量を載せられないということは考えられるが、そもそも応募要項ではホームページでの発表を謳っており、その通りにしてあれば少なくとも最低限コンテストとしての体はなしているとは言えるが、それすらもない。この時点でコンテストというのは無料素材集めの方便でしかないのが確定的になるわけですが。
投稿者にも利用実態がわからない
とはいえ投稿者自身が応募して結果として楽しんだのなら外野がとやかくいう話でもないかもしれない。ということで参加者の声を探してみたのですが案の定というべきか。素材の形でデータを要求しながらどのように加工してどのような形で使用されているのかの報告も一切なしという。
アルティメットセブンに2枚入賞したけど、実際どのように使われてるのか不明。 レイヤーわけして送ったけど差分が作られたのかも不明。無報酬なのはもちろん、完成品画像すら見せてもらってない。 「実物は(金払ってゲーム登.. URL
ゲーム自体の評判も散々
当然の成り行きではありますが、このような志で作られたゲームが面白くなるわけもなく、2chの関連スレッドを見ても半年で33レスというお寒い状況。モバゲー内の公式サークルも覗いてみたのですが、どうやら2月1日を最後にゲーム内容のアップデートも一切行われていない模様。
最大の問題はPixivの態度
通常ならこのような評判のタイトルであれば儲けが出るはずもなく、早晩撤退となってメデタシメデタシなのですが、それがほぼ同じ形を踏襲して第2弾の企画を起こすという。つまり、前回の企画がアレでリクープできちゃってるということだが、これが1回目の企画であればPixivとしてはそんなつもりではなかった。たまたま組んだ相手が悪質だったと言うことも出来る。それが2回目ともなれば全く何の言い訳も立たない。Pixivは株式会社インパクトが投稿イラストを無料素材として扱うことを承知した上でこの企画を通しているんだと断ぜざるを得ない。
実のところPixivでは同種のイラストコンテストというのは毎月のように行われていて、おそらくはPixivの収益源の大きな柱になっているのではないかと思われるのだが、ここまで悪質なものは他にはない。例えば今現在同時に開催されているカプコンのPC向けブラウザゲーム「鬼武者SOUL」のイラストコンテストもほぼ同じ形を踏襲しているものの、ゲーム内で使用する場合は個別に契約し所定の原稿料を支払う旨が明記されている。
また昨年行われたコナミのモバゲー向けソーシャルゲーム「戦国コレクション」のイラストコンテストもほぼ同じ文面だが採用されたものは佳作でも3万円の賞金を用意して、当然無料での使用などということは謳っていない。
他社があくまで人材発掘あるいはPRの一貫としてやっている企画の中にこういった悪辣な企画が混じれば、形の似た企画をやっている同業他社全てに非難が振りかかる恐れもあるわけで、Pixiv自身にとっても自らの首を絞める行為であることを自覚していただきたい。
こうしたコンテスト形式の人材募集そのものの是非も議論の余地のあるところで、それぞれ思うところもあるとは思うものの、今回のこれはそういう「議論の余地のある」一線をはるかに超えた悪質さであるということを理解していただければ。
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結果カオスラウンジなる自称現代アート集団にかなりの数の作品をコラージュ素材としてパクられるという事件の幇助とも取れる行いをしてますから…。
あそこのイラコンに投稿すること自体が既に危険なのだとそろそろ周知されるべきだと思います。
ふたばだけでやっていてください。
話が変な方向に逸れて迷惑です。