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中川充四郎 パ・リーグびいきデス

光山コーチ退場に制裁金20万円は重すぎ?抗議権の徹底を

 コーチは選手を守る気持ちが強い。4日の西武―ロッテ戦(西武ドーム)で、本塁上でのクロスプレーの判定が微妙だった。西武の捕手・炭谷は体を張ったブロックをしたが落球。その後、拾い直してタッチしたが判定はセーフ。そこで「直属の上司」である光山バッテリーコーチが渡辺監督の後を追って抗議に向かい、退場処分を受けた。

 退場理由は、杉永球審の場内放送では「抗議権のないコーチが抗議したため」とのことで珍しい。というのは、今までもコーチや選手が抗議する場面を何度も目にしていたからだ。その光山コーチに厳重注意と20万円の制裁金が科せられた。

 まあ、今回の退場処分によって規則をしっかり守ろうという点は理解できるとしても、制裁金20万円は「?」と感じてしまう。犯罪の量刑のように、制裁金額はそのまま「事の重要性」の判断基準になるからだ。

 過去の例をみても、阪神・和田コーチ(現監督)が2年前の暴力行為の制裁金が20万円。昨年、横浜・井上コーチがイースタン・リーグの試合での暴行で10万円。5年前、巨人・谷が審判の胸を突いて5万円などなど。これらの「判例」からすると、今回の光山コーチの一件は暴力行為並みということになる。これによって抗議権の徹底がなされ、試合進行がスムーズに運べば周囲も納得するが、今回のが「単発」で終わってしまうと光山コーチ本人が一番不本意だろう。

 野球規則の9・02(b)に、監督だけが抗議を行える旨の文が書かれている。しかし、高校野球の特別規則では監督は抗議できない。先日のセンバツ大会で、横浜高の渡辺監督が抗議し、大会本部から注意されたという話題は記憶に新しい。同じ野球でも抗議権に関しては、プロと高校では極端に異なるのだ。

 退場処分といえば、かなり昔の話。詳しい状況は失念してしまったが、ある選手が二塁に滑り込んだ際、勢い余って塁審に接触してしまった。その直前に「アウト!」のコールがあったので、塁審はその選手に対し瞬時に退場コール。あの気の毒な選手は誰だったかなぁ…。

[ 2012年4月8日 ]

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 ◆中川 充四郎(なかがわ・じゅうしろう)1951年(昭26)、東京生まれの60歳。駒大卒業後に商社勤務を経て都内のマクドナルド4店舗で店長を務める。オーディションに合格し、82年から08年まで文化放送ライオンズナイターでコメンテーター。

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