北朝鮮が公開した「人工衛星」の写真を基に、衛星に関わる専門家に分析してもらった。衛星としては小型のため、北朝鮮の説明する用途での使用は難しいという見方がある一方、外観からは機能を満たしているとの意見も出た。
地球を詳しく調べる衛星の重量は、1トン以上あるのが一般的だ。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の陸域観測技術衛星「だいち」(現在は運用終了)は約4トンだった。JAXAの的川泰宣名誉教授は「大きさからすると、地球の写真の撮影くらいは可能だろうが、気象予報とか資源の探査といった高い機能はないことは確かだ」と疑問を呈する。またロケットの先端部に収容する衛星を打ち上げ直前に地上で公開したことも「これから上空につり上げて収納するというのは、作業が困難になり、普通は考えられない」と指摘した。
一方、小型衛星に詳しい和歌山大宇宙教育研究所の秋山演亮所長は「衛星だとすると、上面の金色の部品が、地球を観測する望遠や広角のレンズで、上面を地球へ向けて観測するのだと思う」と話す。上部を重くし、地球の重力で引っ張ってもらうなどの方法で、レンズのある上面を地球へ向けられるという。
また棒のような突起物が、情報を地上に送るアンテナの可能性があると推測し、「衛星を打ち上げるという高度500キロからの通信は可能だろう」と話す。側面を覆うのは、起動電力を得るための太陽電池パネルとみられる。ただ「公開場所はクリーンルームではなさそう。昔の衛星ならともかく、細かい電気回線が使われていて、ほこりに弱い最近の衛星では考えにくい」としている。【野田武】