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日本の石油・天然ガス資源事情

石油の主な用途

石油はさまざまな用途に使われ、現在の産業活動と暮らしにとって欠かせないエネルギー資源となっています。それは、もし石油がなかったら、1世紀以上も文明が遡るともいわれているほどです。

さらに具体的に油種別に消費分野を見ると、ガソリンとして自動車燃料に使用されるのが一番多く、このほか軽油としてバス・トラックの燃料に、ジェット燃料 として航空機の燃料に、灯油として一般家庭や業務用の暖房に、重油として発電や工場などのボイラー燃料に、ナフサとしてプラスチックや各種の合成樹脂など 石油化学製品の原料にと、その特性を活かし、幅広い分野で利用されています

石油の主な消費分野(2005年度)
出所:資源エネルギー庁「資源・エネルギー統計」

石油は日本の高度成長期を支えてきたエネルギーです。石油は、化学繊維やプラスチックなど石油化学製品の原料としての利用も進められていますが、多くはガ ソリン・灯油や電力などエネルギーとして利用されています。1970年代はじめには、電気やガソリンなどエネルギーの元ともなる、一次エネルギーの約 80%を占め、石油の8割を中東の産油国に依存していました。

しかし、中東紛争により原油価格が急騰した1973年の第一次オイルショックを機に、中東以 外への石油輸入先の多様化、また石油の一次エネルギーに占める割合の軽減化と、他のエネルギーへの分散化を図ってきました。

一次エネルギーの推移
一次エネルギーの推移

2005年度では、一次エネルギーにおける石油の構成比は約49%まで低減しています。 輸入先は、一次オイルショック後、インドネシア、中国、メキシコなどに分散し、1987年には中東への依存度を68%にまで抑えましたが、韓国や中国など アジア地域内での消費量の増加とともに日本は、アジア以外からの輸入が増加し2006年には中東から約89%を輸入しているのが現状です。

原油輸入量

年間約2億4,300万キロリットル(2006年)という世界第2位の石油輸入国である日本にとって、産業活動や暮らしにとって依然として大切な資源であり、今後も、その安定的な確保が大きな課題です。

天然ガスの主な用途

天然ガスは、高い熱量を発するにもかかわらず、燃焼時のCO2排出量が石油や石炭に比べ、少ないという大きな特長を持っています。環境問題が大きく取り上げられるなか、天然ガスは、地球にやさしいクリーンなエネルギー資源として注目されています。

日本の一次エネルギーにおける天然ガスの構成比を見ると、1970年にはわずか2%程度しかなかったものが、2004年には14.6%を占めるまでに、日本の産業活動と暮らしを支えるエネルギーの1つへと成長しました。その用途を大別すると、世界では発電用と民生用として6割、また産業用としても3割近くを占めているのに対し、日本ではそのほとんどを発電用と民生用(都市ガス等)として利用していましたが、産業用への割合が増えてきています。

現在では、天然ガスから熱や蒸気、電気の複数のエネルギーを同時に生み出し、ビルや家庭の冷暖房をはじめ、給湯、電力供給などを行うコジェネレーション・システム、さらに自動車用燃料電池の原料など、より幅広い分野での活用が進められています。

天然ガスの主な消費分野(2005年度)
出所:資源エネルギー庁「資源・エネルギー統計」

天然ガスは輸送が難しく、日本は輸送パイプラインの整備が遅れ、欧米諸国に比べると普及に時間がかかってしまいました。しかし、第一次オイルショック後 は、新たなエネルギー源として注目され、天然ガスを超低温で液化する液化天然ガス(LNG)が開発されると、輸送が容易になり輸入が開始されて、急速に普 及していきました。

70年代には、エネルギー全体の数%でしたが現在では石油、石炭に次ぐ第三のエネルギー源として広く利用されるようになっています。現 在では世界のLNG取引量の約50%にあたる約6,200万トンを日本が輸入しています。
輸入先はアラスカからはじまり、その後、ブルネイ、UAE、イン ドネシア 、マレーシア、オーストラリア、カタールなど分散化しています。

日本のLNG主要輸入先
日本のLNG主要輸入先
国別LNG輸入量
2006年 国別LNG輸入量

輸入された液化天然ガスは、火力発電や都市ガスなど幅広く利用されています。
また石油や石炭に比べて、二酸化炭素や窒素酸化物、硫黄酸化物の排出量が少なく、環境にやさしいクリーンエネルギーとしても注目されています。

国別LNG輸入量
2006年 国別LNG輸入量
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