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“横ずれ”で大きな津波起きずか
4月12日 4時34分

“横ずれ”で大きな津波起きずか

日本時間の11日夕方、インドネシアのスマトラ島の西のインド洋で巨大地震が発生し、沿岸では最大で高さ1メートル余りの津波を観測しました。
専門家は「岩盤が横にずれるタイプの地震で、海底の変動が大きくなかったために、大きな津波が起きなかったのではないか」と指摘しています。

気象庁によりますと、日本時間の11日午後5時39分ごろ、インドネシアのスマトラ島北部の西方沖のインド洋でマグニチュード8.7の巨大地震が発生し、スマトラ島北部のムラボで高さ1メートル10センチの津波を観測したほか、インドネシアやタイ、それにオーストラリアのココス諸島など、インド洋沿岸の各国でも10センチ程度の津波を観測しました。
震源地付近では、およそ2時間後の11日午後7時43分ごろにマグニチュード8.2の地震が発生するなど、その後も地震が相次ぎ、気象庁は今回の巨大地震の余震とみています。
スマトラ島の西の沖合では、8年前の2004年12月、インド洋沿岸に、大津波の甚大な被害を出したマグニチュード9.1の巨大地震が起きたあと、マグニチュード7から8クラスの規模の大きな地震が相次いで起きていました。
今回の地震は、2004年の巨大地震の震源域の西側の海域で発生したとみられ、気象庁はメカニズムなどの分析を進めています。
今回の地震について、東京大学地震研究所の加藤照之教授は、「スマトラ島沖の一連の地震活動の中でも、最大級の地震が起きたとみられる。ただ、今回は岩盤が横の方向にずれ動く『横ずれ』と呼ばれるタイプの地震で、海底の地殻変動が大きくなかったために、それほど大きな津波が起きなかった可能性がある」と述べました。
そのうえで、加藤教授は、「マグニチュード9クラスの巨大地震が起きると、その影響が非常に広い範囲で長い間続くということを示している。巨大地震が起きた日本でも大きな地震が起きる可能性を考えて、引き続き、地震活動に注意していく必要がある」と話しています。
また、東京大学の阿部勝征名誉教授は、「今回の地震は、2004年に巨大地震が起きたスマトラ島沖のスンダ海溝の外側で起きているが、巨大地震のあとに海溝の外側で起きる『アウターライズ』と呼ばれる地震の典型的なタイプではなかった。巨大地震が起きた地域の周辺では、力のバランスが大きく変わり、今回のようにあまり例のなかったタイプの大きな地震が起きる可能性があるので、巨大地震が起きたばかりの日本でも注意が必要だ」と指摘しています。

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