公明党は「安全」「風評」問題に全力
冷温停止など総点検急げ
公明新聞:2011年4月7日付
原発事故対策
福島第1原発(原子力発電所)の事故は依然、先行き不透明なまま推移している。
事故の直接の原因が「想定外」の大津波であったとしても、非常時に作動すべき原子炉を「止める」「冷やす」、放射性物質を「閉じ込める」の3機能のうち、「止める」以外の機能が働かなかった事実は、日本の原発のあり方に大きな課題を残した。
2日には放射性物質で汚染された水が敷地内から海に流れ出ていることが初めて確認された。深刻な事態である。海洋環境の保護・保全は、日本も加盟している国連海洋法条約上の義務でもある。責任は重大だ。政府はまず、原子炉と使用済み核燃料の一日も早い安定化に全力投球すべきである。
また同時に、現在、全国で稼働している原発の総点検と安全対策の構築、さらに避難住民の支援、放射性物質による農作物被害とその風評被害へも対処しなければならない。政府は、目前の危機回避と、今後、必要性が想定される課題への早期取り組みの両方に重い責任がある。
公明党はこうした認識の下、福島第1原発災害対策本部(本部長=斉藤鉄夫幹事長代行)が必要な対応策について連日検討を重ね、その結果を順次まとめて官邸に申し入れてきた。
2回の申し入れ(3月25日、31日)で公明党は、(1)国内全ての原発の「想定外津波」「全交流電源停止」発生時の原子炉冷温停止(原子炉内の温度が100度未満で安定して停止した状態)と使用済み核燃料安定化のための手順確認・総点検(2)出荷制限を受けた農畜産家への当面のつなぎ無利子融資を含む補償措置の早期実施(3)外国から日本の工業製品に非被曝証明を求める動きが出ている事態の沈静化―などを求めた。
(1)について政府は、事故防止の具体的な緊急安全対策の実施について原子力事業者に対し、できるだけ速やかに指示すると回答。(2)(3)についても申し入れの席上、福山官房副長官から前向きの回答があった。同対策本部は、今後も事態の推移を見ながら、きめ細かな対策を要請していく方針である。
フランスのサルコジ大統領の訪日(3月31日)に象徴されるように、世界は日本政府の原発事故への対応に高い関心を示し、特に、国民に対する情報提供のあり方を注視している。このため公明党は、迅速で正確な情報だけでなく、「今後の収束見通し」についても国民に提示する必要があると政府に求めている。
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2012年4月11日付