2012年04月11日

市助役の退職金「お手盛り」問題などコメントへの個人的見解



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助役の退職金「お手盛り」問題及び市長・副市長など特別職の退職金問題について



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坂上助役の退職金「お手盛り」問題とはどういうことか





 坂上助役(当時)の退職金「お手盛り」問題とは、次のような内容でした。1996年12月末で宝塚市助役の任期が終わり、次の助役が12月議会で選任されるべきところ、正司市長から提案がなく、1997年3月議会に市総務部長だった坂上元章氏が選任され、4月1日から市助役に就任しました。つまり1997年1月1日から3月31日までは、一人の助役は空席だったということです。問題は、市総務部長が庁内昇格人事で市助役に選任されるためには、一般職である市の職員を退職しなければ特別職である市助役にはなれません。そこで、一般職としての退職金が問題になりました。市職員労働組合が内部告発的な形で、3カ月の空白の意味について解説し、本来12月議会で助役を選任すべきところ、翌年の3月議会に遅らせたのは、阪上総務部長としての退職金の増額=「お手盛り」を行うためだと告発しました。12月議会で退職して助役に選任されるのと3月末で退職し助役に就任することの退職金の差額は1000万円でした。



 つまり、正司市長と坂上総務部長が共謀して意図的に市助役の3カ月の空白をつくって、坂上総務部長の退職金増額を画策した疑いが浮上したわけです。



 私は、6月議会で取り上げ、当時、市の監査委員をしていましたので、住民監査請求を考え、住民12名に監査請求をしてもらいました。



 当時の市の監査委員は、市総務部長を経験した人物、市の部長職を経験した人物、そして議会選出の私の3名でした。代表監査委員は、市の総務部長経験者でした。



 調査の結果、他市でも当たり前のように行われていることだったこと、宝塚市では初めてだが水道事業管理者や教育長は市の一般職からの昇格人事だったが、任期切れ直後の議会で選任されており、坂上氏のような「3カ月の空席」による優遇措置はなかったことなどが判明しました。



 私は、当然、阪上総務部長は「3カ月の空席」による優遇措置を最も知りうる立場の人物で、正司市長の人事権の濫用とあわせて意図的なもので、違法だと主張しました。私は、当時の代表監査委員の元市総務部長の対応に感銘を受けました。代表監査は、宝塚市として悪い前例をつくらない、他市にも波及する内容なので他市については他言しないということで、「違法ではないが、不当ということで返還請求をしよう」とまとめられました。私は、違法であり・不当でもある。代表監査及び市部長経験者の監査委員は違法ではないが不当であるという意見で、「不当である」という意見の一致をもって、返還請求を行うという画期的な監査結果が導き出されました。監査委員は、複数委員(宝塚市は3名)の合議制のため、意見が一致しないと何らかの措置を求める監査結果が出せません。「違法」では一致しなかったが、「不当」では一致して、返還勧告という画期的結果を出すことができました。監査制度が「違法性または不当性」でもって勧告とはいえ公表できるという監査制度の妙味、醍醐味を経験させてもらいました。正司市長及び坂上助役に返還勧告を行ったときの驚きの表情は今でも忘れることができません。「何で」という顔つきでしたが、世論の前には返還せざるを得ませんでした。



 そして、市長や副市長の退職金の件ですが、私個人の生活条件で仮に市長、もしくは副市長になった場合を考えてみますと、退職金がなければなくてもよいし、あればあったにこしたことはないという程度ですが、他の全体の職員との整合性や退職金問題全体について考えざるを得ないし、やはり基準とすべきは「住民の理解と支持を得られる水準とは何か」に帰着すると思います。そして、それを誰がどういう方法で判断するのかという点については、現状では「特別職報酬等審議会」を定期的に開いてできるだけ客観的な判断を求めざるを得ないのかというのが、現時点での私の考え方です。そして何が何でも給与は減らすのが「絶対的な正義」だという立場ではありません。



posted by 草野義雄のブログ at 00:29| Comment(10) | 日記
この記事へのコメント
報酬や待遇に市民の意見(本当の民意)を直接反映させる仕組みができたらヤバイから、
報酬審などの当局側の都合が良い諮問機関の見解を正当化しようとしているのでしょ?

草野さんや共産党が思う適正議員報酬や自主カット率って具体的にいくらなんですか?
あのビラの騒動でこの問題の注目度は確実にあがっていますから市民はちゃんと見てますよ。
まさか数パーセントや10%の微々たる削減でごまかす作戦ですか?

>民主的にきちんと議論をして6月議会に提案される予定と聞いています。

本来の予定では「市民サービスより自分の生活が一番」の5会派が裏で手打ちして
議員報酬15%以上自主削減に断固反対するつもりだったのに、市民に広くチラシまかれて
ばらされて慌てて作戦変更したのが真相ではないのですか?

数千人〜数万人の意向があらわになる選挙とは違い、当局側にとって都合が良い知識経験者や
ごく数人の市民で構成される特別職報酬等審議会は本当の民意を決して表しません。

>そして何が何でも給与は減らすのが「絶対的な正義」だという立場ではありません。

そうではなく、中川市政の現状(職員及び特別職の待遇の絶対維持、市長や副市長や
議員の報酬を減らしたくない)を肯定したいのが本音ではありませんか?


【民意】

2011年宝塚市議会議員選挙の上位当選議員の公約(政策)、バックボーン

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トップ当選 多田浩一郎   ★議員報酬30%カット、職員人件費20%カット、議員定数4以上削減

 2位当選 大河内しげた  ★議員報酬20%カット、議員定数5削減   【新人】

 3位当選 北野聡子    ※日教組出身 日教組、連合、組合、教え子等の組織票 】

 4位当選 田中こう    ※民商出身 民商、特定地区、生活保護受給者等の組織票

 5位当選 大川ひろゆき  ★議員報酬30%カット、職員人件費20%カット、議員定数4以上削減   【新人】

 6位当選 山本けいこ   ※自民党組織票+地元票

 7位当選 坂下けんじ   ※自民党組織票+地元票

 8位当選 伊藤順一    ★議員報酬20%カット、職員人件費15%カット   【新人】

 9位当選 藤岡和枝    ※創価学会 組織票+F票

10位当選 伊福よしはる  ★議員&職員報酬削減による職員人件費13%カット(←を実現するには議員報酬20%削減程度が絶対に必要)

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Posted by 給与は減らすのが「絶対的な正義」だという立場ではありませんではなく、本音は「削減は絶対反対」では? at 2012年04月11日 06:44
草野さんの主張や政策や公約が正しければ、草野さんは票を増やしているはずですが、なぜ草野さんは最下位当選だったのでしょうか?

まさか市民が愚民だからと仰るのでしょうか?

組織票を持たず上位当選した議員の殆どが、議員報酬削減や人件費削減を掲げていた民意を無視されるのでしょうか?
Posted by 給与は減らすのが「絶対的な正義」だという立場ではありませんではなく、本音は「削減は絶対反対」では? at 2012年04月11日 06:52
市長や副市長と同じ特別職で4年任期制の市会議員は、退職金無いのですから、市長や副市長も同様に退職金は無しにして通常の報酬で妥当な報酬額を議論するべきです。通常の報酬を実際の待遇より低く見せる為の、退職金で調整する方式は市民を欺いています。
Posted by 給与は減らすのが「絶対的な正義」だという立場ではありませんではなく、本音は「削減は絶対反対」では? at 2012年04月11日 07:24
そもそも副市長は選挙で選ばれていません。また、中川市長は副市長を公約を守っていません。相変わらず、副市長は既に高額退職金を一度支給されている一般職員あがりです。選挙で選ばれていない特別職である副市長が、議会で承認され何期もやって市民の税金から退職金を複数回貰う事はどう考えても市民に理解されないでしょう。
Posted by 給与は減らすのが「絶対的な正義」だという立場ではありませんではなく、本音は「削減は絶対反対」では? at 2012年04月11日 07:34
訂正します

また、中川市長は副市長を公募制にするという公約を守っていません。

選挙で選ばれていない(一般職員あがりの)特別職である副市長が
Posted by 給与は減らすのが「絶対的な正義」だという立場ではありませんではなく、本音は「削減は絶対反対」では? at 2012年04月11日 07:36
重要なポイント

副市長(かつての助役)は、一般職員上がりなので、退職後もじゅうぶんすぎる共済年金の支給があります。
そして副市長になる前に一般職員として高額な退職金の支給を受けています。
Posted by 給与は減らすのが「絶対的な正義」だという立場ではありませんではなく、本音は「削減は絶対反対」では? at 2012年04月11日 08:17
特別職報酬等審議会の答申額を市民の意見(市民が納得する水準)とするのは流石に無理がありすぎますよ草野はん。
共産党独自に下記のような市民アンケート調査でもすればいいんじゃないでしょうか?

あなた(市民)の考える妥当な市議の適正報酬を次の中からお選び下さい。

( )年収1000万+政務調査費100万 ※現在の水準
( )年収 900万+政務調査費100万 
( )年収 800万+政務調査費100万 ※人口20〜25万人市平均
( )年収 700万+政務調査費 50万 ※全国平均

特別職の退職金の廃止の賛否についても同様に調査すればよいのでは?
Posted by コンチ at 2012年04月11日 12:17
そもそも、宝塚市議会は
「議員報酬等を定めるに当たっては、市民の客観的な意見を参考にしなければならない」
という民意を参考にして報酬を定める(当局側諮問機関である報酬審の事ではない)という規定を含む
議会基本条例を全会一致で可決していますよね?

市民の意見(少数意見ではなく多数意見)を聞いて報酬を決める仕組みづくり導入の進捗状況はどうなっているのですか?
Posted by コンチ at 2012年04月11日 12:49
ちょっと気になったので一言。

>現時点での私の考え方です。そして何が何でも給与は減らすのが「絶対的な正義」だという立場ではありません。

これは特別職だけでなく、職員の給与の事についても言っておられると思うのですが、
現在の職員給与は減らすべきではなく適正だとというのが草野議員の見解ですか?

大卒職員(一般行政職員)にしても高卒職員(現業職員)にしても、民間や同一業種と比較して給与も退職金も年金も
大きな官民格差があり、身分保障のある公務員のほうが民間より良い生活をしているという先進国ではありえない異常な
お手盛り状況を是正する必要が無いと?

どうにでもとれる曖昧な発言で誤魔化すのではなく、現在の職員の給与は減らすべき(最低でも官民格差を無くす)なのか、
適正な水準であり減らすべきでないのか、ご自身のスタンスをはっきりさせてください。
Posted by わかば at 2012年04月11日 16:19
給食BBAや用務員の民間比2倍以上の高給や民間サラリーマン平均より遥かに厚遇(給与、退職金、年金)な一般職員をカラダ張って守る中川市長をカラダ張って守る草野さん格好良いです。これからも市民の為のまちづくりよりも職員、議員の生活優先で頑張ってください。税金を納める側より税金で暮らしている側のほうが豊かな社会って素晴らしいですね!

道路はボロボロ、公園は阪神間最低でも、職員の給与は絶対維持ですよね!
Posted by 7743 at 2012年04月11日 23:53
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