ライフ【宇宙からのメッセージ】小松左京と秘書のおかしな物語(3)万国博研究+(1/2ページ)(2012.3.29 07:39

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【宇宙からのメッセージ】
小松左京と秘書のおかしな物語(3)万国博研究

2012.3.29 07:39 (1/2ページ)

知性と冗談 織り交ぜて

 現在、大阪府の吹田市立博物館で開催中の「小松左京写真展 宇宙に翔く夢」で、「万国博を考える会」の議事録が展示されている。これは、1964(昭和39)年の夏から小松さんが、梅棹忠夫さん(民族学者)や加藤秀俊さん(社会学者)らと始めた研究会の記録である。まったく国や大阪府とは関係なく動いていた勝手連の研究会が、結果的には岡本太郎の太陽の塔になり、6400万人の入場者を呼んだ基本理念を構築したという、証拠になる資料である。ことし自宅で発見され、初めての公開となった。

 64年の4月頃に「東京オリンピックの次は、大阪で万国博覧会か?」という新聞のベタ記事を見た小松さんが、「万国博って何や?」と興味を持って、研究したいという意向を知りあいの編集者に話したらしい。その人が梅棹さんなどに声をかけて動き出したのだが、その議事録を読んでみると、まだ30代、40代の人々が様々な分野の人に話を聞いて、人類文明にとって万国博覧会はどんな意味があるのか、実際に大阪でやるとしたらどんな博覧会をやるべきなのか、それを実現するためにはどのような仕掛けで、どのような人間を動かしたら可能になるのか、ということにまで議論を進めている。

 若いエネルギーに満ち知的会話に富むこの徹底した研究の仕方は、しかし一方で、まったく自由に話があちこちに飛び、お酒を酌み交わしながら冗談も交えたものであっただろうと、推測する。

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