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弁護士苦情窓口提訴

平成15年 8月 1日:初稿
■訴え提起前の和解
どうしても300万円取らないと気が済まないという女性の意を受けて、やむを得ず調停不調として、訴えを出すことにしました。
ところが、前夫が、話を聞いて欲しいと事務所を訪ねてきました。自分の主張を繰り返し、何とか裁判は出さないで欲しいと懇請します。私は、女性にある程度のお金を出さなければ裁判は出しますと言うと、渋々50万円出すと言い、最終的には70万円まで出しても良いとなりました。
家庭裁判所での状況を私から聞いた母親は、訴えを出しても取れるかどうか不明なので70万円でまとめて欲しいと言うことになりました。肝心の女性本人は、到底納得できないと言う雰囲気でしたが、母親は、兎に角、男の気の変わらない内にまとめて欲しいと、示談契約書を交わし、70万円を受領しました。

■問題の発生と逃げの姿勢
問題は、その後に発生しました。和解書を交わす時、「他に一切債権債務がないことを確認する」と言う条項について、あくまで現時点での話であり、和解成立後、この暴行を原因として新たな後遺障害が発生した場合は再度請求できると説明しておりました。
70万円での和解に基本的に納得していなかった女性は、その後、新たに後遺障害が発生したので前夫に対し損害賠償請求をして欲しいと当事務所に頻りに電話を寄越すようになったのです。
やむを得ず、内容確認のため女性と一緒に通院している医師を訪ね話を聞いたこともありました。しかし、新たな後遺障害発生とは、到底、認められません。私は、その程度では、新たな後遺障害とは言えず、請求は無理と女性の要求を断り続け、やがて女性から電話が来ると、私の顔は恐怖で引きつるようになりました。そこで事務員達は、恐怖の○○さんと称して、電話が来ても居留守を使うようになりました。

■弁護士苦情窓口への訴え
その後女性は、1年以上に渡り、他の弁護士事務所、人権相談所等可能な相談所を渡り歩いたようです。結局、どこからも相手にされず、女性の怨みは、不本意な示談契約を締結を勧めた私に向かい始め、徐々に増殖してきたことを知る由もありませんでした。
私は、今から7,8年前、副会長として執行部入りしましたが、時の会長は弁護士は市民の声を聞いて、襟を正すべきとして、弁護士に対する苦情市民窓口を設置し、応対は3人の副会長が担当することになりました。
僅か半年で私が担当した案件だけで20数件もあり、依頼者の弁護士に対する不満の大きさを痛感させられたものです。ところが間もなく副会長任期も切れ、苦情窓口担当も終わる頃、同じ副会長から、電話がありました。
「小松っちゃん、あんたに来たよ」と言うので、ギョッとしました。あの女性が、小松弁護士に無理矢理不本意な示談を締結されて、取るものも取れなくなったと、何と母親連れで苦情窓口に訴えてきたとのことです。幸い担当した副会長は私と同期の親しい間柄であり、女性の話を良く聞き、その示談は証拠上やむを得ないものと説得してくれましたが、最後まで不満を持っていたそうです。
私は、当初、示談を進めた母親まで一緒に来て私に対する苦情を言ったということに腹を立てました(以下次号に続く)。
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