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大阪市幹部OB7人 関電監査役に天下り大阪市の幹部OB計7人が1952年以降、同市が筆頭株主である関西電力の監査役に天下りしていたことがわかった。うち少なくとも5人は、市の外郭団体の役員も経験しており、天下りを繰り返す「渡り」の形で25年間、同じポストを引き継いでいる。いずれも非常勤で、報酬は年800万円前後とみられる。橋下徹市長は6月の株主総会で、国や市からの天下り禁止を求める株主提案を行う予定で、市側はOBの監査役就任見直しを検討する。 関電や市によると、関電は監査役1人を、市の助役(現副市長)や収入役、財政局長経験者から選任。在任期間は最長23年で、うち87年以降に就任した5人は、市の外郭団体の社長や理事長などの経験者だった。 関電は役員の個別報酬を開示していないが、市OBを含む社外監査役4人の2010年度の報酬総額は3300万円で、1人平均825万円。ある監査役経験者は読売新聞の取材に、報酬が800万円程度だったことを認めている。 07年3月に市を退職した吉村元志・元財政局長(64)は、ビルの経営・管理などを行う市開発公社の社長を4年務め、在任中に市幹部から監査役への就任を打診され、昨年6月、関電の監査役に就任した。勤務は毎月の取締役会など、多くて月4日という。 市財政局は「監査役就任に市は関与していない」としているが、ある市幹部は「関電から『しかるべき人がほしい』と市長周辺に依頼があった。市長や副市長が人選した。株主としての経営監視が目的だった」と話している。 関電は「能力や経験などを総合的に考慮して選任している。起用にあたって市に相談することはあるが、特定の団体から決まって受け入れているわけではない」と説明する。 現在の関電役員は26人。経済産業省出身者が常務取締役に就任しているほか、株主である金融機関などの出身者も役員に名を連ね、社外監査役には検察OBもいる。大阪市と同様に株主の京都、神戸両市は役員を派遣していない。 橋下市長は昨年11月の市長選公約で、職員の「天下りの全面禁止」を掲げた。6月の関電の株主総会では、「経営の透明性を確保するべきだ」として、国や自治体からの天下りの受け入れ禁止を提案することを10日、正式決定する。市幹部は「最終的には市長の判断だが、天下り禁止を提案する以上、今後はOBの紹介は取りやめざるを得ないだろう」としている。 戦前に市内一円の電力供給事業を担っていた大阪市は、1951年の関電発足の際、約37万9000株を取得。その後買い増しし、現在は約9%にあたる約8375万株を保有している。 五十嵐敬喜・法政大教授(公共事業論)の話「経営監視が目的なら、現役の市職員を派遣すべきだ。巧妙な『渡り』の一種で、官民癒着ととられても仕方がない」 (2012年4月10日 読売新聞)
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