フジテレビ系人気アニメ「ちびまる子ちゃん」で、主人公まる子の祖父、友蔵役の声を務めていた声優青野武(あおの・たけし)さんが9日午後4時38分、都内の病院で多発性脳梗塞のため死去した。75歳だった。10年5月に胸部大動脈瘤の手術後、多発性脳梗塞を発症し、闘病生活を送っていた。
事務所関係者によると、10年5月の胸部大動脈瘤の手術が10日で終わり、復帰へ向け準備をしていた矢先に、多発性脳梗塞になったという。仕事復帰への意欲は強く、約2年の闘病生活を送ってきたが、寝ている状況が続き、最後は意識もなかったという。関係者は「事務所スタッフ、俳優、ちびまる子ちゃんのメンバーなど声優仲間、みな(復帰を)待っていた。残念です」と話した。
青野さんは高校卒業後、単身上京。声優、俳優、ナレーターとして活躍してきた。声優として、ドラゴンボールZ、ゲゲゲの鬼太郎、ONE PIECEなど、半世紀近く、多数の人気アニメキャラクターの声を担当。ちびまる子ちゃんでは友蔵役でコミカルなお年寄りを熱演。ゲゲゲの鬼太郎では、妖怪の総大将「ぬらりひょん」を演じた。お年寄りから悪役、科学者と幅広い役柄をこなした日本声優界の重鎮の死に、アニメ界は悲しみにくれた。
◆青野武 1936年(昭11)6月19日、北海道生まれ。旭川東高校卒業後、単身上京。演劇を学び、57年に俳優デビュー。NHK大河ドラマ「北条時宗」(二階堂行綱役)などに出演。64年「ビッグX」で声優デビュー。ちびまる子ちゃん、ドラゴンボールZ、ゲゲゲの鬼太郎、デビルマン、空手バカ一代、宇宙戦艦ヤマト、ルパン三世、元祖天才バカボン、うる星やつら、クレヨンしんちゃん、金田一少年の事件簿など数多くの人気アニメキャラクターを演じた。血液型O。
◆通夜・告別式 通夜は14日午後6時から、告別式は15日午前11時から、東京都府中市浅間町1の3の「府中の森 市民聖苑」で。喪主は妻の青野真砂子(あおの・まさこ)さん。
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