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【発明の名称】 |
テスト信号発生器 |
【発明者】 |
【氏名】村山 文朗 【住所又は居所】東京都品川区東五反田2丁目17番1号 ソニーイーエムシーエス株式会社内 【氏名】安田 良宏 【住所又は居所】東京都品川区東五反田2丁目17番1号 ソニーイーエムシーエス株式会社内 【氏名】礒谷 雅夫 【住所又は居所】東京都品川区東五反田2丁目17番1号 ソニーイーエムシーエス株式会社内 【氏名】高瀬 弘嗣 【住所又は居所】東京都品川区東五反田2丁目20番4号 ソニー・ヒューマンキャピタル株式会社内 |
【課題】ディスプレイ機器のモジュール基板用のテスト信号発生器を提供する。
【解決手段】FPGA21と、このFPGA21が回路データを参照するメモリ22と、被検査モジュール基板10が接続されるコネクタ26とを設ける。所定の回路データをメモリ22にロードしてFPGA21を回路データの示す仕様を満たすハードウェアとして機能させる。この機能によりテスト信号STVを形成する。この形成されたテスト信号STVをコネクタ26に出力してこのコネクタ26に接続されたモジュール基板10にテスト信号STVを供給する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 所定の機能を提供するようにモジュール化されたモジュール基板に、所定のテスト信号を供給するテスト信号発生器であって、 FPGAと、 検査の対象となるモジュール基板が接続されるコネクタと を有し、 所定の回路データを上記FPGAが参照するメモリにロードして上記FPGAを上記回路データの示す仕様を満たすハードウェアとして機能させるとともに、その機能により上記テスト信号を形成し、 この形成されたテスト信号を上記コネクタに出力してこのコネクタに接続されたモジュール基板に供給する ようにしたテスト信号発生器。 【請求項2】 請求項1に記載のテスト信号発生器において、 上記モジュール基板が、ディスプレイ機器において使用されるものであり、 上記テスト信号が、ビットテスト信号およびカラーバー信号の少なくとも一方のビデオ信号である ようにしたテスト信号発生器。 【請求項3】 請求項2に記載のテスト信号発生器において、 モードスイッチを有し、 このモードスイッチの設定の変更により上記テスト信号の内容が変更される ようにしたテスト信号発生器。 【請求項4】 請求項3に記載のテスト信号発生器において、 入力手段を有し、 パーソナルコンピュータにおいて上記回路データが形成され、 この形成された回路データが、上記パーソナルコンピュータから上記入力手段を通じて上記メモリにロードされる ようにしたテスト信号発生器。 【請求項5】 所定の機能を提供するようにモジュール化されたモジュール基板に、所定のテスト信号を供給するテスト信号発生器であって、 FPGAと、 検査の対象となるモジュール基板が接続されるコネクタと を有し、 所定の回路データをメモリにロードして上記FPGAを上記回路データの示す仕様を満たすハードウェアとして機能させ、 この機能により、 水平カウンタおよび垂直カウンタを構成するとともに、 これら水平カウンタおよび垂直カウンタにより所定のパルスをカウントして上記モジュール基板を使用するディスプレイ機器の有効画面における水平走査位置および垂直走査位置を示す位置信号を形成し、 この位置信号の示す走査位置にしたがって内容が変化するテスト信号を形成し、 この形成されたテスト信号を上記コネクタに出力してこのコネクタに接続されたモジュール基板に供給する ようにしたテスト信号発生器。 【請求項6】 請求項5に記載のテスト信号発生器において、 上記機能により、 上記位置信号の示す値と、所定の値とを比較するとともに、 この比較結果にしたがって上記所定の値ごとに上記テスト信号の内容を変化させる ようにしたテスト信号発生器。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 この発明は、ディスプレイ機器のモジュール基板用のテスト信号発生器に関する。 【背景技術】 【0002】 テレビ受像機やモニタ装置などのディスプレイ機器のメーカにおいは、テスト信号発生器から組み立ての完成したディスプレイ機器にテスト用のビデオ信号を供給し、最終的な検査を行うようにしている。 【0003】 この場合、そのテスト信号は、NTSC方式やSMPTE方式などの標準方式のビデオ信号である。また、対象とするディスプレイ機器の入力規格に応じて、そのテスト信号は、DVI信号やベースバンド・デジタル信号などのデジタル信号、あるいはコンポジット信号やコンポーネント信号などのアナログ信号とされる。 【0004】 なお、先行技術文献として例えば以下のものがある。 【特許文献1】特開平11−262036号公報 【特許文献2】特開平10−257531号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 ところで、ディスプレイ機器は、一般に回路全体を所定の機能ごとに分割するとともに、その分割した回路ごとにモジュール化している。このとき、そのモジュールは、これに必要な部品を1枚のプリント配線基板にマウントしてモジュール基板に構成され、そのモジュール基板をディスプレイ機器内部のコネクタに接続すると、そのディスプレイ機器の一部として動作するように構成されている。 【0006】 したがって、ディスプレイ機器の製造時、各種の作業をモジュール基板ごとに行うことができるので、検査を容易に、かつ、迅速に行うことができる。 【0007】 ところが、モジュール基板は、開発者が定めたディスプレイ機器内部のローカルな仕様にしたがって規格化されている。しかし、一般のテスト信号発生器は、上述のように標準方式のビデオ信号を出力するように構成されている。したがって、一般のテスト信号発生器は、ディスプレイ機器のモジュール基板をそのモジュール基板ごとに検査する場合には、使用できない。 【0008】 この発明は、このような点にかんがみ、デジタル方式のディスプレイ機器におけるモジュール基板をそのモジュール基板ごとに検査する場合に好適なテスト信号発生器を提供しようとするものである。 【課題を解決するための手段】 【0009】 この発明においては、 所定の機能を提供するようにモジュール化されたモジュール基板に、所定のテスト信号を供給するテスト信号発生器であって、 FPGAと、 検査の対象となるモジュール基板が接続されるコネクタと を有し、 所定の回路データを上記FPGAが参照するメモリにロードして上記FPGAを上記回路データの示す仕様を満たすハードウェアとして機能させるとともに、その機能により上記テスト信号を形成し、 この形成されたテスト信号を上記コネクタに出力してこのコネクタに接続されたモジュール基板に上記テスト信号を供給する ようにしたテスト信号発生器 とするものである。 【発明の効果】 【0010】 この発明によれば、被検査モジュール基板に必要なテスト信号をFPGAにより形成しているので、その被検査モジュール基板の仕様や機能が変更されても、必要なテスト信号を容易に形成することができる。 【0011】 また、回路データを変更するだけで各種の仕様やフォーマットに対応できるので、正規の規格に準拠しないテスト信号や独自のテスト信号を形成することもできる。さらに、FPGAによりテスト信号を形成しているので、信号ビットがビット単位で変化するビットテスト信号も容易に形成することができる。しかも、構成が簡単であり、スペースを取らない。また、安価である。 【発明を実施するための最良の形態】 【0012】 〔1〕 構成例 図1において、符号10は、その特性や仕様などが検査されるモジュール基板を示す。このモジュール基板10は、これが組み込まれるディスプレイ装置の回路全体を所定の機能ごとに分割してモジュール化したときのモジュールの1つである。このため、モジュール基板10は、各種の部品がプリント配線基板にマウントされて目的とする機能を実現する回路が構成されているとともに、入力コネクタ11および出力コネクタ12が設けられている。 【0013】 なお、この例においては、モジュール基板10は、NTSC方式あるいは高品位方式のデジタルビデオ信号を入力することができ、このビデオ信号をデジタル処理するものとする。また、そのビデオ信号は1サンプルが8ビットであるとする。 【0014】 さらに、符号20はこの発明によるテスト信号発生器の一例を示す。このテスト信号発生器20は、FPGA21およびメモリ22を有する。FPGA21は、実際にテスト信号STVを形成するプログラマブルなロジックICであり、この例においては、図示はしないが、回路データにより指示された回路を構築するCLB、ワーク用のメモリ、外部との信号のアクセスを行うためのI/Oエレメント、クロックを形成するPLLなどを有して構成されている。 【0015】 そして、FPGA21は、これに必要とされる仕様(動作)をHDLにより記述して回路データに変換し、その回路データをメモリ22にロードすると、その回路データの示す仕様を満たすハードウェアとして機能するものである。 【0016】 そして、今の場合、FPGA21は、テスト信号STVを形成するハードウェアとして機能するものであり、この例においては、テスト信号STVとして、 (1) NTSC方式であって、ビットテスト用およびカラーバー用のビデオ信号 (2) 高品位方式であって、ビットテスト用およびカラーバー用のビデオ信号 (3) NTSC方式であって、グラデーションチェック用のビデオ信号 (4) 高品位方式であって、グラデーションチェック用のビデオ信号 を形成するものである。 【0017】 この例においては、テスト信号STVは、輝度信号Yおよび色差信号CB、CRから構成され、これら信号Y、CB、CRは1ピクセルをそれぞれ8ビットで表現するものとする。また、輝度信号Yは、黒レベルのとき0で、ホワイトピークレベルのときFFh(hは16進値であることを示す)であり、色差信号CB、CRは、黒レベルのとき80hで、ピクセルの色によって0〜FFhになるものとする。なお、ピクセルの色と、信号Y、CB、CRのレベルとの関係を図2に示す。 【0018】 また、メモリ22は、例えばフラッシュメモリなどの不揮発性メモリであり、このメモリ22に、FPGA21を、テスト信号STVを形成するハードウェアとして機能させるための回路データが用意される。 【0019】 さらに、テスト信号発生器20は、モードスイッチ23および水晶発振回路24を有する。モードスイッチ23は、FPGA21が形成するテスト信号STVを上記(1)〜(4)のうちから指定ないし選択するためのものであり、例えば4ビットのディップスイッチである。また、水晶発振回路24は、FPGA21の内部のPLLに基準周波数のパルスを供給するためのものである。 【0020】 また、テスト信号発生器20は、入力ケーブル25、出力コネクタ26、電源回路27も有する。入力ケーブル25は、メモリ22にロードされる回路データを入力するためのものであり、例えばUART形式あるいはUSB形式とされている。また、出力コネクタ26には、被検査モジュール基板10のコネクタ11が接続される。そして、電源回路27は、このテスト信号発生器20に例えば+5Vの動作電圧を供給するものである。 【0021】 さらに、符号30は制御用のパーソナルコンピュータ、符号40はモニタディスプレイである。パーソナルコンピュータ30は、HDLにより記述されたプログラムを回路データに変換し、その回路データをケーブル25を通じてメモリ22にロードするとともに、FPGA21を制御するものである。また、モニタディスプレイ40は、標準のディスプレイ機器からモジュール基板10を取り外した機器に対応し、その入力コネクタ42がモジュール基板10の出力コネクタ12に接続される。 【0022】 図3および図4のルーチン100は、FPGA21が(1)および(2)項の機能を実現するためのプログラムをフローチャートにより示すものである。すなわち、パーソナルコンピュータ30において、ルーチン100の処理内容がHDLにより記述されるとともに、回路データに変換され、この回路データがパーソナルコンピュータ30からメモリ22にロードされる。そして、メモリ22にロードされた回路データをFPGA21が参照し、その結果、FPGA21は、ルーチン100の処理内容を実現するハードウェアとして機能する構成となり、テスト信号STVとして(1)あるいは(2)項のビデオ信号を形成する。なお、ルーチン100の処理内容の詳細については後述するが、図3および図4においては、この発明にとって主要な部分を抜粋して示している。 【0023】 また、FPGA21に所定の回路データがロードされ、図5に示すように、水平カウンタ21Hおよび垂直カウンタ21Vが実現される。この場合、水平カウンタ21Hは、1ピクセルごとのパルスをカウントするとともに、有効画面における水平走査の開始時点ごとにリセットされるものである。また、垂直カウンタ21Vは、1ラインごとのパルスをカウントするとともに、有効画面における垂直平走査の開始時点ごとにリセットされるものである。 【0024】 このため、FPGA21に所定の回路データがロードされて分周回路が構成され、この分周回路によりFPGA21の内部のPLLの出力パルスが分周されて水平カウンタ21Hのカウント入力用のパルスおよびリセット用のパルスと、垂直カウンタ21Vのカウント入力用のパルスおよびリセット用のパルスとが形成される。 【0025】 また、このとき、(1)および(3)項のビデオ信号を形成する場合と、(2)および(4)項のビデオ信号を形成する場合とに対応して、それらカウント入力用のパルスおよびリセット用のパルスの周期およびタイミングが変更される。 【0026】 したがって、水平カウンタ21Hは、有効水平走査期間ごとに、その開始時点から1ピクセルごとに、カウント値Hcntが0から1ずつ増加していく。また、垂直カウンタ21Vは、有効垂直走査期間ごとに、その開始時点から1水平ラインごとに、カウント値Vcntが0から1ずつ増加していく。この結果、カウント値Hcnt、Vcntは、有効画面における水平走査位置および垂直走査位置を示す位置信号となる。 【0027】 〔2〕 動作 モジュール基板10を検査する場合には、そのコネクタ11をコネクタ26に接続するとともに、コネクタ12にコネクタ42を接続する。そして、必要なテスト信号STVの種類に対応してスイッチ23をセットし、電源をオンにする。 【0028】 すると、FPGA21において、スイッチ23のセット内容に対応したテスト信号STVが形成され、このテスト信号STVがモジュール基板10に供給されて処理され、その処理結果のビデオ信号がモニタディスプレイ40に供給される。したがって、モニタディスプレイ40には、テスト信号STVの内容およびモジュール基板10の状態(正常/異常)に対応した画面が表示される。 【0029】 以下に、テスト信号STVの内容および表示画面について説明する。なお、以下の説明においては、簡単のため、モジュール基板10の扱うビデオ信号STVはプログレッシブ方式(ノンインターレース方式)であるとする。 【0030】 〔2−1〕 ビットテスト信号およびカラーバー信号 これは、(1)あるいは(2)項のテスト信号STVを形成する場合である。そして、この場合には、スイッチ23により(1)あるいは(2)項のうちのどちらのテスト信号STVを形成するかを設定しておく。 【0031】 すると、テスト信号STVはFPGA21において形成されるが、FPGA21は、ルーチン100の処理内容を実現するハードウェアとして機能するように構築されてテスト信号STVを形成するのであるから、FPGA21の処理内容はルーチン100の処理内容と等価である。 【0032】 そこで、FPGA21の処理内容をルーチン100により説明すると、以下のとおりである。なお、ルーチン100において、 m:1ラインあたりの有効ピクセルの数/8 n:1フレームあたりの有効ライン数/4 とする。 【0033】 この場合、 NTSC方式の1ラインあたりの有効ピクセル数=720ピクセル NTSC方式の1フレームあたりの有効ライン数=483本 高品位方式の1ラインあたりの有効ピクセル数 =1280ピクセル 高品位方式の1フレームあたりの有効ライン数 =1080本 であるから、 NTSC方式のとき、m=90、n=120 高品位方式のとき、m=160、n=270 にあらかじめ設定される。 【0034】 そして、ルーチン100は、有効画面における1ピクセル期間ごとに実行されるものであり、ステップ101によりあるピクセル期間Tiにおける水平カウンタ21Hのカウント値Hcntと、値mとが比較される。この比較の結果、Hcnt<mのときには、ステップ111において、図2Aの「白」の列にも示すように、変数valがval=80hにセットされるとともに、信号Y、CB、CRが、Y=EBh、CB=80h、CR=80hにセットされる。 【0035】 しかし、ステップ101において、Hcnt<mではないときには、ステップ102によりピクセル期間Tiにおけるカウント値Hcntと、値2mとが比較される。この比較の結果、Hcnt<2mのときには、ステップ112において、図2Aの「黄」の列にも示すように、val=40h、Y=D2h、CB=10h、CR=92hにセットされる。 【0036】 さらに、ステップ102において、Hcnt<2mではないときには、ステップ103によりピクセル期間Tiにおけるカウント値Hcntと、値mとが比較される。この比較の結果、Hcnt<3mのときには、図2Aの「シアン」の列にも示すように、ステップ113において、val=20h、Y=AAh、CB=A6h、CR=10hにセットされる。 【0037】 そして、以下同様に、カウント値hcntと、値4m〜7mとがステップ104〜107により比較され、その比較結果にしたがって、値valおよび信号Y、CB、CRがステップ114〜118において、図2Aにも示すような値にセットされる。したがって、値valおよび信号Y、CB、CRは、有効画面における水平走査位置に対応して図2Aに示すような値にセットされる。 【0038】 続いて、ステップ121によりピクセル期間Tiにおける垂直カウンタ21Vのカウント値Vcntと、値nとが比較される。この比較の結果、Vcnt<nのときには、ステップ131において、図2Bの第1行にも示すように、信号Y、CB、CRが、Y=val、CB=80h、CR=80hにセットされる。 【0039】 しかし、ステップ121において、Vcnt<nではないときには、ステップ122によりピクセル期間Tiにおけるカウント値Vcntと、値2nとが比較される。この比較の結果、Vcnt<2nのときには、ステップ132において、図2Bの第2行にも示すように、Y=80h、CB=val、CR=80hにセットされる。 【0040】 さらに、ステップ122において、Vcnt<2nではないときには、ステップ123によりピクセル期間Tiにおけるカウント値Vcntと、値3nとが比較される。この比較の結果、Vcnt<3nのときには、ステップ133において、図2Bの第3行にも示すように、Y=80h、CB=80h、CR=valにセットされる。 【0041】 また、ステップ123における比較の結果、Vcnt<3nではないときには、図2Bの第4行にも示すように、信号Y、CB、CRはそのままとされる。そして、変数valおよび信号Y、CB、CRが以上のようにセットされると、ルーチン100の処理を終了する。 【0042】 以上の結果、テスト信号STVを正常なディスプレイに供給した場合、そのディスプレイの有効画面は、図6にも示すように、4行×8列のエリアA11〜A48に分割されることになる。そして、例えば有効画面の左上のエリアA11においては、Hcnt<m、かつ、Vcnt<nなので、図6にも示すように、上述から Y=val=80h、CB=80h、CR=80h となる。 【0043】 また、有効画面の右上のエリアA18においては、Hcnt>7m、かつ、Vcnt<nなので、上述から Y=val=01h、CB=80h、CR=80h となる。そして、これらエリアA11、A18およびこれらの間のエリアA12〜A17では、輝度信号Yのレベルは、左のエリアA11から右のエリアA18に向かうにつれて順に1/2になっていく。 【0044】 一方、有効画面の左下のエリアA41においては、Hcnt<m、かつ、Vcnt>3nなので、上述から Y=EBh、CB=80h、CR=80h となる。さらに、その右隣りのエリアA42においては、m≦Hcnt<2m、かつ、Vcnt>3nなので、上述から Y=D2h、CB=10h、CR=92h となる。そして、同様にしてエリアA43〜A48においては、信号Y、CB、CR図2Aに示すように制御されているので、図6のエリアA43〜A48のようになる。 【0045】 そして、有効画面における信号Y、CB、CRのレベルが図6に示すようになるので、その有効画面の表示色は図7に示すようになる。すなわち、左上のエリアA11は明るい灰色となり、右上のエリアA18は黒色となる。そして、これらのエリアA11、A18の間のエリアA12〜A17では、灰色になるとともに、エリアA11からエリアA18に向かうにつれて次第に黒くなっていく。 【0046】 また、左下のエリアA41は、白色となり、その右隣りのエリアA42は黄色となる。そして、右下のエリアA48に向かうにつれて、エリアは、シアン色、緑色、マゼンタ色、赤色、青色、黒色となる。つまり、エリアA41〜A48には、カラーバーが表示される。 【0047】 そして、このようなテスト信号STVがモジュール基板10に供給され、その処理結果のビデオ信号がモニタディスプレイ40に供給される。したがって、そのモジュール基板10に異常がなければ、モニタディスプレイ40の表示画面は、図7により説明したとおりの表示色となる。 【0048】 しかし、モジュール基板10の信号ラインのうち、例えば輝度信号Yの信号ラインに異常があると、モジュール基板10から出力される輝度信号Yのレベルが、その異常に対応して図8の太枠内に示すように変化してしまう。 【0049】 すなわち、輝度信号Yの最上位ビットb7の信号ラインに異常があり、その信号ラインが常に“0”レベルになっているとすると、モジュール基板10から出力される輝度信号Yは常にb7=“0”となる。したがって、この場合には、図8の第2行に示すように、エリアA11では、本来ならばY=80hになるべきところがY=0になってしまい、その結果、エリアA11は明るい灰色になるべきところが黒色となってしまう。しかし、エリアA12〜A18では、もとの輝度信号Yがb7=“0”であるから、信号ラインがb7=“0”になっても、出力される輝度信号Yは本来のレベルのままであり、その結果、エリアA12〜A18の本来の明るさの灰色のままとなる。 【0050】 逆に、異常により輝度信号Yの最上位ビットb7の信号ラインが常に“1”レベルになっているとすると、モジュール基板10から出力される輝度信号Yは常にb7=“1”となる。したがって、この場合には、図8の第3行に示すように、エリアA11では、輝度信号Yは本来のレベル80hのままであり、その結果、エリアA11は本来の明るさの灰色となる。しかし、エリアA12では、本来ならばY=40hになるべきところが最上位ビットb7も“1”レベルとなるので、80h(=b7)が加算されてY=C0hになってしまい、その結果、エリアA18は本来よりも明るい灰色となってしまう。また、エリアA13〜A18も、出力される輝度信号Yに80h(=b7)が加算されるので、やはり本来よりも明るくなってしまう。 【0051】 さらに、輝度信号Yの第2ビットb6の信号ラインに異常があり、その信号ラインが常に“0”レベルになっているとすると、モジュール基板10から出力される輝度信号Yは常にb6=“0”となる。したがって、この場合には、図8の第4行に示すように、エリアA12では、Y=0になってしまい、エリアA12は黒色となってしまう。また、エリアA11、A13〜A18では、もとの輝度信号Yがb6=“0”であるから、出力される輝度信号Yは本来のレベルのままであり、エリアA11、A13〜A18の本来の明るさの灰色となる。 【0052】 逆に、異常により輝度信号Yの第2ビットb6の信号ラインが常に“1”レベルになっているとすると、モジュール基板10から出力される輝度信号Yは常にb6=“1”となる。したがって、この場合には、図8の第5行に示すように、エリアA12では、輝度信号Yは本来のレベル40hのままであり、その結果、エリアA12は本来の明るさの灰色となる。また、エリアA11、A13〜A18では、輝度信号Yのビットb6が“1”レベルとなって、40h(=b6)が加算されるので、エリアA11、A13〜A18は本来よりも明るい灰色となってしまう。 【0053】 同様に、モジュール基板10の輝度信号Yの信号ラインのうち、ビットbi(i=7〜0のどれか)の信号ラインが常に“0”レベルになっているときには、このビットbiに対応するエリアが黒色になり、他のエリアは正常な明るさとなる。また、ビットbiの信号ラインが常に“1”レベルになっているときには、このビットbiに対応するエリアが正常な明るさとなり、他のエリアは本来よりも明るくなる。 【0054】 したがって、ビットbiの対応するエリアの明るさと、他のエリアの明るさとから、モジュール基板10の輝度信号Yの信号ラインのうち、そのビットbiの信号ラインについて、異常の有無を知ることができる。また、輝度信号Yの信号ラインの複数に同時に異常を生じていても、異常を生じている信号ラインを知ることができる。 【0055】 さらに、色差信号CBおよびCRも、図6のエリアA21〜A28およびA31〜A38に示すように、エリアA11〜A18の輝度信号Yの場合と同様に変化するので、モジュール基板10の色差信号CBの信号ラインおよび色差信号CRの信号ラインについても、エリアA21〜A28およびA31〜A38の表示色の変化から異常の有無を知ることができる。また、エリアA41〜A48には、カラーバーが表示されているので、このカラーバーからも信号ラインの異常を知ることができる。 【0056】 こうして、今の場合、モジュール基板10の輝度信号Yおよび色差信号CB、CRの各信号ラインについて、ビットごとに異常を知ることができ、すなわち、ビットテストを行うことができる。 【0057】 〔2−2〕 グラデーションチェック信号 これは、(3)あるいは(4)項のグラデーションチェック用のテスト信号STVを形成する場合である。そして、この場合には、スイッチ23をあらかじめ第1あるいは第2のグラデーションのテストモードに設定しておく。すると、電源をオンにしたとき、FPGA21により図9AあるいはBに示すような第1あるいは第2のグラデーション用のテスト信号STVが形成される。 【0058】 すなわち、図9Aの場合には、テスト信号STVは、表示画面の上部の1/3のエリアでは、輝度信号Yが、画面の左から右に向かうにつれて10hからFFhまで変化するランプ信号とされ、色差信号CB、CRがCB=80h、CR=80hに固定の信号とされる。また、テスト信号STVは、表示画面の中央の1/3のエリアでは、色差信号CBが、画面の左から右に向かうにつれて10hからFFhまで変化するランプ信号とされ、輝度信号Yおよび色差信号CRがY=80h、CR=80hに固定の信号とされている。さらに、テスト信号STVは、表示画面の下部の1/3のエリアでは、色差信号CRが、画面の左から右に向かうにつれて10hからFFhまで変化するランプ信号とされ、輝度信号Yおよび色差信号CBがY=80h、CB=80hに固定の信号とされる。 【0059】 したがって、モジュール基板10が正常であれば、図9Aにも示すように、表示画面の上部の1/3のエリアは、画面の左から右に向かうにつれて、黒色から白色に次第に変化する。また、表示画面の中央の1/3のエリアは、画面の左から右に向かうにつれて、黄色から青色に次第に変化する。さらに、表示画面の下部の1/3のエリアは、画面の左から右に向かうにつれて、シアン色から赤色に次第に変化する。 【0060】 さらに、図9Bの場合には、テスト信号STVとして3原色信号R、G、Bが形成されるとともに、表示画面の上部の1/3のエリアでは、赤色信号Rが、画面の左から右に向かうにつれて0からFFhまで変化するランプ信号とされ、緑色信号Gおよび青色信号BがG=0、B=0に固定の信号とされる。また、テスト信号STVは、表示画面の中央の1/3のエリアでは、緑色信号Gが、画面の左から右に向かうにつれて0からFFhまで変化するランプ信号とされ、赤色信号Rおよび青色信号BがR=0、B=0に固定の信号とされる。さらに、テスト信号STVは、表示画面の下部の1/3のエリアでは、青色信号Bが、画面の左から右に向かうにつれて0からFFhまで変化するランプ信号とされ、赤色信号Rおよび緑色信号GがR=0、G=0に固定の信号とされる。 【0061】 したがって、モジュール基板10が正常であれば、図9Bにも示すように、表示画面の左から右に向かうにつれて、上部の1/3のエリアは黒色から赤色に次第に変化し、中央の1/3のエリアは黒色から緑色に次第に変化し、さらに、下部の1/3のエリアは黒色から青色に次第に変化する。 【0062】 そして、図9AあるいはBのテスト信号STVを形成するには、そのプログラムをルーチン100と同様に構成すればよい。すなわち、水平カウンタ21Hのカウント値Hcntを変換して上述のランプ信号を形成するとともに、垂直カウンタ21Vのカウント値Vcntが、表示画面の上部、中央、下部の各エリアの境界に対応する値になったとき、そのランプ信号と、固定値80hとを信号Y、CB、CRあるいはR、G、Bに割り振るプログラムとすればよい。そして、そのプログラムを回路データに変換してメモリ22にロードすれば、グラデーションチェック用のテスト信号STVを得ることができる。 【0063】 〔3〕 まとめ 上述のテスト信号発生器20によれば、テスト対象がモジュール基板10であっても、必要なテスト信号STVを形成することができる。そして、その場合、テスト信号STVをFPGA21により形成しているので、メモリ22にロードする回路データを変更するだけで、テスト信号STVの表示内容や同期周波数を任意に変更することができる。したがって、モジュール基板10に要求される仕様や機能が変更されても、容易に必要なテスト信号STVを形成することができる。また、回路データを変更するだけで各種の仕様やフォーマットに対応できるので、正規の規格に準拠しないテスト信号や独自のテスト信号を出力することもできる。 【0064】 さらに、FPGA21によりテスト信号STVを形成しているので、ビットテスト用のテスト信号STV、すなわち、図6および図7にも示すように、各信号がビット単位で変化するテスト信号STVも容易に形成することができる。そして、そのビットテスト信号STVによれば、モジュール基板10における各信号ラインの状態をビット単位で目視により知ることができる。 【0065】 しかも、図1からも明らかなように構成が簡単であり、プリント配線基板に数個の部品をマウントするだけで構成することができるので、スペースを取らない。また、FPGA21も汎用品を使用できるとともに、電源は+5Vだけでよいので、安価である。 【0066】 〔4〕 その他 上述においては、テスト信号STVがプログレッシブ方式の場合であるが、インターレース方式の場合には、値nを上記の値の1/2とすればよい。また、グラデーションチェック用のテスト信号STVの表示内容(グラデーションの表示パターン)も種々変更することができる。 【0067】 さらに、モジュール基板10としてコネクタ11の形状の異なる複数の基板を扱う場合には、それらのコネクタに見合ったコネクタをコネクタ26と同様に設けてもよく、あるいは各モジュール基板のコネクタとコネクタ26との間を接続する変換用のコネクタを用意してもよい。 【0068】 また、モジュール基板10のコネクタ12から出力されるビデオ信号を、モニタディスプレイ40に供給するだけでなく解析し、その解析結果からビットテスト時におけるテスト結果を、例えば「輝度信号ラインのうちのビットb7の信号ラインに異常がある」のように異常個所を表示あるいは出力させることもできる。 【0069】 〔略語の一覧〕 CLB :Configurable Logic Block DVI :Digital Visual Interface FPGA :Field Programmable Gate Arrays HDL :Hardware Design Language I/O :Input/Output IC :Integrated Circuit NTSC :National Television System Committee PLL :Phase Locked Loop SMPTE:Society of Motion Picture and Television Engineers UART :Universal Asynchronous Receiver/Transmitter USB :Universal Serial Bus 【図面の簡単な説明】 【0070】 【図1】この発明の一形態を示す系統図である。 【図2】この発明を説明するための図である。 【図3】この発明を説明するためのフローチャートである。 【図4】図3の続きを示すフローチャートである。 【図5】この発明を説明するための図である。 【図6】この発明を説明するための図である。 【図7】この発明による表示内容を説明するための図である。 【図8】この発明による表示状態を説明するための図である。 【図9】この発明による表示状態を説明するための図である。 【符号の説明】 【0071】 10…被検査モジュール基板、20…テスト信号発生器、21…FPGA、22…メモリ、23…モードスイッチ、24…水晶発振回路、30…パーソナルコンピュータ、40…モニタディスプレイ
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【出願人】 |
【識別番号】000002185 【氏名又は名称】ソニー株式会社 【住所又は居所】東京都品川区北品川6丁目7番35号
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【出願日】 |
平成17年5月25日(2005.5.25) |
【代理人】 |
【識別番号】100091546 【弁理士】 【氏名又は名称】佐藤 正美
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【公開番号】 |
特開2006−332948(P2006−332948A) |
【公開日】 |
平成18年12月7日(2006.12.7) |
【出願番号】 |
特願2005−152193(P2005−152193) |
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