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プラモデルの研ぎ出し、鏡面塗装のやり方

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プラモデルの研ぎ出し方法
上の写真はデカール(スライドマーク)を貼り終わった状態で、塗装面とデカールの段差が目立っているのが分かると思います。

そこで、この段差を消して、下の写真のようにデカールを普通に塗装しているように見える状態にしてみましょう。

プラモデル・模型の研ぎ出し技法、やり方この作業を「研ぎ出し」と言います。

段差を消すためにはクリアーを吹いて、クリアー層のみをペーパーで削り、コンパウンドで磨いて左の写真のように凹凸の無い鏡面状態に仕上げます。

この研ぎ出しをすると、デカールのマークも普通に塗装しているようにしか見えないので、完成度は確実に数段UPします!

プラモデル・模型の研ぎ出し技法、やり方図で説明すると、左の図1が模型にデカールを貼った状態です。

このままだと、デカールの所だけ他と比べて高くなってしまっているので、目立ってしまうわけです。

この段差を消す為にどうするかと言うと・・
プラモデル・模型の研ぎ出し技法、やり方プラモデル・模型の研ぎ出し技法、やり方
図2のように、デカールを貼った上からクリアーを塗装して、乾燥後にクリアー層が均一になるようにクリアー層のみを削って、図3のように表面を均一にしていくわけです。

こう言うと何かすごく難しそうな作業に思えるかもしれないですが、実際やってみると・・・?
やっぱり慣れるまでは結構失敗も多いかもしれません。(^^;

気をつける点としては、1番最初にデカールの上に吹くクリアーを乾かしながら、薄く吹きつけていく事と、クリアー層を削る際にデカールまで一緒に削らないようにする事ぐらいだと思います。
プラモデル・模型の研ぎ出し技法、やり方クリアー塗料はラッカー系の塗料を使います。

アクリル塗料でも出来なくはないですが、乾燥後の塗膜があまり強くないので研ぎ出しにはあまり向いていないようです。
エナメル系の塗料では、まず出来ないです。

私の場合は、実車用塗料ソフト99ボデーペンのクリアー 【楽天】を使っています。
DIYショップ等で、車のコーナーなんかに置いてあります。

ボデーペンクリアーは乾燥が速く、乾燥後の塗膜も強いので研ぎ出し作業に非常に重宝してます。特に乾燥時間はとても短く、待ち時間が少なくていいので気に入ってます。価格に対しての量も多いのでとてもお得です!

このソフト99クリアー(他のラッカークリアーでも可)を、一度スプレーから他の容器に移して、シンナーで薄めてエアーブラシで吹き付けています。

この段階で使うシンナーはリターダー成分の入っていない、普通のラッカーシンナーを使っています。

どの道乾燥後にペーパーで削って面を均すので、そこまで滑らかに吹かなくても大丈夫なのと、レべリングシンナーで薄めると乾燥時間が遅くなってしまう為です。

どのぐらい薄めるのかは・・大体のカンです。
カンスプレーから出しただけでは、エアブラシで吹くにはちょっと濃いかな?という感じなので、吹きやすく感じられるぐらいまで・・・個人的には塗料の量に対して、その1/4ぐらいの量のシンナーを混ぜているような気がしてます。
プラモデル・模型の研ぎ出し技法、やり方では、次はいよいよクリアー塗料の吹き付けに入って行きます!

ただ、ここで1つ重大な問題があります。

それは・・デカールの上からラッカー系塗料を吹き付けると、シンナー成分の影響で乾燥後にデカールにヒビが入ってしまう可能性が高いということです!

それでは、どうやってクリアーを吹いていくのかと言うと・・・ひび割れ防止対策として、最初の数回は模型とハンドピースの間隔を多めに取って、模型に塗料が付着する時には半分乾いているぐらいの感じで薄く吹き付けていきます。

これを「砂吹き」と言いますが、シンナー成分を出来るだけ少なくしてデカールに与えるダメージを少なくすると同時にクリアー層を作り、後ほど塗装する際の塗料のシンナー成分の浸透を防いでくれます。

これをやると、砂吹きという名前の通り、塗装表面は砂のように相当ざらついた状態になります。

少なくとも3〜5回ぐらいは、この砂吹き状態で一度吹き付けるたびに乾かしながら、繰り返し吹き付けていきます。(写真は数回吹き重ねた状態です。)

水性塗料であれば、デカールの上に普通に塗装してもひび割れたりはしません。Mr.HOBBYのTOPコートなんかはデカールを侵すことなく、安心して吹き付けられます。

ただ、水性は乾燥後の塗膜も多少柔らかめで、乾燥時間も長いので研ぎ出しにはあまり向いていないような気がしていますので、水性塗料を拭く場合は艶を整えるだけという場合に使うのが良いような気がしています。

何回か薄く吹いたら、その後は徐々に一度に吹き付ける量を多くして、普通に吹き付けていきます。

最終的にはデカールの厚さ以上にクリアーを厚塗りしていきます。

吹きつけ量が足りないと、この後のペーパーがけでデカールまで削ってしまう可能性大ですので、結構厚めに吹いておいた方がいいです。
プラモデル・模型の研ぎ出し技法、やり方クリアー塗装後、少なくとも丸1日程乾燥させたら、いよいよメインの研ぎ出し作業に入っていきましょう!
耐水ペーパーの1000〜1500番ぐらいでクリアー層のみを削っていきます。

多分、一番緊張する作業だと思います。
誤ってデカールまで削ってしまうと・・・色々と面倒な事になります。(^^;

研ぎ出しの際のクリアー乾燥時間は、2〜3週間ほど放置して完全に乾かさないとダメだ、と言うような話も聞きますが、私の場合はだいたい丸1日程乾燥させたら研ぎ出しに作業に入っています。それでも今まで特に問題になった事はないので、大丈夫だと思います。(ソフト99を使った場合)

水につけながら磨いていきますが、デカールの上にはクリアー塗料がある為、デカールがはがれたりする事はありませんので、問題ありません!
プラモデル・模型の研ぎ出し技法、やり方途中、水分をタオル等でふき取りつつ、削り具合を確認しながら作業を進めていきましょう。
ペーパーをかけると全体的につや消し状態になってしまいますが、後でとてもキレイになるので大丈夫です。

写真はある程度ペーパーを当てた状態ですが、まだデカールとの段差が消えていないので、もう少しペーパーを当てて行きます。

最初に塗ったクリアー層の厚みをある程度考えながら削っていかないと、デカールまで削ってしまうので要注意です!

もし、最初のクリアーを薄めに吹いていた場合は、この状態からもう一度クリアーを吹き付けてから、再度ペーパーがけに入りましょう。

クリアーを厚く塗っておくと1回でも問題段差は消えてくれますが、2回に分けた方がより安全で確実かもしれません。

ある程度削れてきたら、随時確認しながら慎重に削って行ったほうがいいです。
一気に削ってしまうとデカールまで削ってしまい、失敗する可能性有です!
プラモデル・模型の研ぎ出し技法、やり方ペーパーを当てて、完全に段差がなくなった状態です。
これで研ぎ出しの一番重要な作業は終了です。

この作業をデカールを削ることなく、無事終える事が出来れば、研ぎ出しはほぼ成功したと言ってもいいと思います!

もしデカールまで削ってしまった場合の対処法はこちらにUPしておきました。

この後は、コンパウンドをかけて艶を出して仕上げるのが一般的みたいですが、私の場合は、ここからもう一度クリアーを吹き付けてから、コンパウンドでの艶出しに入ってます。

理由はペーパーがけでクリアー層が薄くなっているのと、クリアー塗装後8割ほど乾いた状態でコンパウンドをかける事で、艶出しが容易に行えるためです。

プラモデル・模型の研ぎ出し技法、やり方研ぎ出し作業でデカールとの段差がキレイに消えたら、仕上げにもう一度、クリアーを吹き付けます。

今回の最終クリアー塗装は、エアブラシ塗装用のレべリングシンナーを使用します。

レべリングシンナーで薄める事で、より塗装面が平滑に仕上がり、艶出しも容易になります。

レベリングシンナーを混ぜる割合は、塗料10に対してその1〜2割ぐらいが適正量のようです。2割程混ぜて希釈して、まだ濃いようであれば普通のシンナーで希釈します。

それと私の使っているエアブラシですが、クリアー塗装にはタミヤのスプレーワークHGエアーブラシ 【楽天】 を使ってます。

コンプレッサーは同じくタミヤの「HGコンプレッサー」です。ただ、残念ながらこの「HGコンプレッサー」、現在は生産されていないようで、今は音も静かでもっと性能の良い、「HGコンプレッサー・レボ」 【楽天】が発売されているみたいです。

吹き付ける際は、ハンドピースと模型との距離を3〜4cmぐらいにして、塗料が若干流れ気味になるような感じで、ニードルを全開にして一気に塗ってます。

この方が、乾かしながら薄く何度かに分けて塗るよりも、平滑な塗装面に仕上がって良いような気がしています。
プラモデル・模型の研ぎ出し技法、やり方2回目のクリアー塗装完了です。

これからコンパウンドで磨き込んで艶を出し、鏡面仕上げにしていくと完成度は飛躍的に高まります。

ここまでくれば、完成は直ぐそこです!

プラモデル・模型の研ぎ出し技法、やり方コンパウンドは、私の場合タミヤの青いキャップの「タミヤコンパウンド」をメインに使い、場合によっては最終仕上げに「仕上げ目」の微粒子コンパウンドを使ってます。

殆どの場合は青いキャップの「タミヤコンパウンド」一種類しか使ってないです。

タミヤからは「タミヤコンパウンド」他にも、「荒目」、「細目」、「仕上げ目」の3種類のコンパウンドが発売されています。
プラモデル・模型の研ぎ出し技法、やり方2回目のクリアー塗装から、3時間〜半日程乾かしたらコンパウンドでの艶出しに入ってます。

ただ、3時間〜半日程乾かしただけでは、まだ完全に塗料は乾いていないので、つめ等を塗装面に押し付けたりすると、形がついてしまったりするので要注意です。

完全に塗料が乾く前にコンパウンドをかけた方が、簡単に艶が出てくれて楽です。

これが「1週間後にコンパウンドで磨き始めた」と言うような事になると、クリアーが完全に硬化してしまい艶出しがかなり大変になります。

柔らかめの布などに少量付けて磨いていきますが、「肌着」なんかのいらなくなったヤツが結構いい感じです。無ければ新品を使ってもいいかもしれません。

Tシャツだとちょっと硬い気がするし、ティッシュは意外と硬く、ボロボロになる上大量に消費してしまうので個人的には使ってません。

あと、特に専用のクロスなども使ってないですが、仕上げ目の微粒子コンパウンドなどは専用クロスを使った方が良いような気がしています。

どんなにコンパウンドの目が細かくても、磨き布が荒ければキズが消えてくれませんからね。。

磨いている最中に「キュッキュ」と音が出だしたら、コンパウンドが切れかかってきているので、付け足して磨きます。

結構力を入れて一気に磨いてます。塗装状態や塗料の乾き具合がよければ、そんなに苦労しなくても比較的簡単に艶が出てくれると思います。

ただし、塗料が完全に乾いていない状態で艶を出すと、後日艶が少し落ちてくる場合がありますが、その場合は再度コンパウンドで磨いてやります。

私の場合は、最初に艶出ししてから、次の日ぐらいにもう一度コンパウンドで磨く事が多いです。
プラモデル・模型の研ぎ出し技法、やり方以上で艶出し作業終了です!

上手く研ぎ出しできれば、自分の顔もハッキリと映りこむぐらいにキレイな艶が出てくれます。

研ぎ出しすると、完成度はかなり高まると思います

一番目につくのが、ボディやカウル類なので、ここがバッチリ仕上がっていると、全体の完成度が格段に上がること間違い無しです!
プラモデル・模型の研ぎ出し技法、やり方プラモデル・模型の研ぎ出し技法、やり方
左が研ぎ出し前のデカールを貼った状態で、右が研ぎ出し研磨後の完成した状態です。

違いがわかりますでしょうか?最初は色々失敗もあるかもしれないですが、(私は今でもあります。。)回数を重ねると結構コツもつかめて、良いものが出来てくるハズです!

研ぎ出しをされた事の無い方は、是非一度チャレンジしてみて下さい!



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