人事交流
三条市が国県や他市との人事交流を始めたのは、内山裕一市長当時の平成6年度からだ。農水省から女性キャリア1人を迎え入れ、三条市の若手職員1人を同省に派遣した。
同省との交流は2年で終わったが、故長谷川長二郎市長は交流相手を経産省、厚労省、国交省北陸地方整備局、新潟県に拡大した。8年度から始めた県との交流は21年度まで14年間続いた。経産、国交両省との交流はいまも続いている。
高橋一夫市長は総務省との交流を始めた。地域イントラネットの構築など情報基盤整備を進めるためだ。その交流で三条市に着任したのが総務省キャリアだった国定勇人現市長。当初は2年で戻る予定だったが、16年に7・13水害が発生。高橋市長は国定氏を手放せなくなり、総務省に頼み込んでキャリアでは異例の1年延長を認めてもらった。
国定市長は20年度から3年間、文科省との人事交流を行ったほか、新潟市、神奈川県横浜市、佐賀県武雄市との交流も始めた。国県だけでなく、同じ基礎自治体である市からも学ぼうというわけだ。
23年度にはこれらの相互交流とは別に燕市、新潟市、佐渡市、福井県越前市、大阪府箕面市、兵庫県豊岡市、三重県菰野町の7市町が合わせて21人の土木技師を三条市に派遣してくれた。7・29水害からの復旧業務を手伝うためで、短くて1か月、長い職員は7か月にわたって土木、農業施設などの復旧に努めてくれた。
24年度は総務省、経産省、国交省、新潟市、武雄市から各1人の計5人を受け入れる。経産省から出向中の恋塚忠男地域経営課長は4年目に入る。三条マルシェなどでの手腕を高く評価した国定市長が経産省に頼み込み、派遣期間を延長してもらった。三条市からの派遣は経産省、国交省、新潟市、武雄市の4人だが、人事交流とは別に職員2人を復興支援のために福島県南相馬市に派遣する。
持ちつ持たれつ。23年度は三条市が他市町に助けてもらった。24年度は三条市が南相馬市を応援する番だ。南相馬市に行くお二人、頑張ってきてください。