京セラ(京都市)と重機大手のIHI(東京)、みずほコーポレート銀行(東京)は10日、鹿児島市七ツ島のIHI所有の遊休地にメガソーラー(出力千キロワット以上の大規模太陽光発電所)を建設する計画を正式発表した。出力は一般家庭2万2千世帯分の電力を賄える7万キロワットを予定し、国内ではソフトバンクが北海道苫小牧市に予定する出力20万キロワット級に次ぐ規模。投資額は250億円で、運転開始時期は未定だが、7月の着工を目指す。
京セラとIHI、みずほが同日、事業の検討で基本合意した。3社によると、京セラを筆頭株主とする特別目的会社を6月に設立し、IHIやKDDI、九電工、竹中工務店、鹿児島銀行も出資する。みずほを中心とした銀行団が協調融資する計画。実現すれば、メガソーラー建設での協調融資は全国初という。
発電した電力は7月に施行される再生可能エネルギー特別措置法に基づき、全量を九州電力に売電する方針。ただ、今後政府が決定する買い取り価格で採算が見込めない場合は、計画の縮小・撤回もあるとしている。
建設予定地は鹿児島湾に面する132ヘクタールの埋め立て地で、IHIが県と市から1978年に造船所建設用地として買収後、大半が遊休地となっていた。ヤフードーム(福岡市)18個分に当たる127ヘクタールを賃借し、京セラが生産した縦1・6メートル、横1メートルの太陽光パネル29万枚を敷き詰める。
同日、鹿児島県庁で記者会見した京セラソーラーエネルギー事業本部の責任者は「あくまでも買い取り価格次第だが、鹿児島で一大プロジェクトを成功させたい」と意欲を語った。
=2012/04/11付 西日本新聞朝刊=