• 掌編「憎悪」投稿
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    【たまには^^→【オーケストラアレンジ】魔法少女まどか☆マギカOP「コネクト」Full Size←の聖騎士の活動報告】

    Xanadu 第四章 第六節 2,278字更新
    「憎 悪」 投稿(【創作五枚会】参加作品)
    小説概論~活報録2012~ 【読書日記】更新



    このアニメは知らないのですが、オーケストラは好きなので聴いてみました。

    スケールが大きくてすごくいい感じでした♪

    さすがにアニメには興味持てませんでしたが…

    たまにはボカロ以外の曲も紹介してみました(*^_^*)



    2010年から2011年の3月に掛けて、路傍之杜鵑さん(当時無言ダンテさん)主催の企画「創作五枚会」が行われました。

    これは毎回定められるテーマと禁則事項に従って原稿用紙五枚の掌編を投稿し、互いに読み合って技術向上を図るという修行企画でした。

    「固有名詞使用不可」や「地の文なし」「記号の使用不可」などドSな禁則事項が毎回出され、参加者は二週間ごとに合計10作の掌編を投稿しました。

    脱落者が相次ぐ中、最後まで完走できたのは自分の中では大きな自信につながりました。

    本日投稿させていただいたこの「憎悪」は、その中の一つです。

    「憎悪」は第五回のテーマでした。

    この時の禁則事項は、「会話文の禁止」でした。

    僕は「憎悪」という言葉は一切作中に出さず、読者に“憎悪”を抱かせようと考えてこの作品を書きました。

    実はこの作品に書かれている内容は、一部実話です。



    今朝の新聞に掲載されていたのですが、1999年に起こった光市母子殺害事件の判決が出ました。

    当時18歳の少年が起こしたこの事件は、世間に大きな波紋を呼んだようです。

    僕はこの事件を、被害者の夫で遺族である本村さんの書いた手記を読んで知りました。

    あまりにも残酷で凶悪で悲惨な事件に、怒りと涙が止まりませんでした。

    事実は小説より奇なりと申しますが、こんな事実は絶対にあってはならないと心が震えました。

    「憎悪」の中の犯行シーンは、その本村さんの手記を元に僕が再構成したものです。

    そのまま載せたら盗作になってしまいますから(^_^;)

    細かい動きは僕が想像で補いましたが、犯行自体は事実です。

    犯行動機も犯人の少年の自供を元にした事実です。



    この事件の争点は、犯行当時容疑者が未成年だったということと犯行内容の残虐性です。

    未成年者に死刑判決は出ない。

    それが日本の法律の常識でした。

    つまり、未成年者はどんな犯罪を犯しても死刑になることはなかったんですね。

    せいぜい無期懲役です。

    「無期」とは言っても、実際には十何年かで出所できます。

    模範囚であれば十年未満で、保護観察付きで出所できます。

    日本の法律は加害者の人権は擁護してても、被害者の遺族には非常に冷淡でした。

    本村さんはその司法の欠点を訴え続け、今日の判決でその努力が実りました。

    当時18歳の少年だった犯人は、死刑判決となりました。

    本村さんは、「このような事件が二度と起こらないようにしたい。自分のような思いをしている被害者や遺族の力になりたい」とおっしゃっていました。



    未成年者に更正の機会を与えるという、司法の考え方自体には賛成です。

    しかし遺族の身になって考えてみれば、納得できない場合が多いのも事実です。

    今回の判決は裁判官を含め、非常に多くの方々が悩み抜いた結論だと思います。

    僕はこの判決を全面的に支持します。

    未成年だろうと子どもだろうと、殺人を犯す能力や意思があればその罪に年齢は関係ない。

    殺されてしまった愛する人は、絶対に戻ってはこない。

    本村さんの手記では、事件前の幸せな生活がたくさん書かれていました。

    そして事件についても、隠すことなく事細かに書かれていました。

    それは本村さんの想いの現れであり、この事件を知る僕たちが本気で考えなければならない問題だと思いました。

    教育とは。
    親の役割とは。
    社会とは。
    人権とは。

    僕は本村さんの手記を読んでから、人権についていろいろ調べました。

    子どもの権利条約など、世界的にも人権問題は関心が高まっています。

    犯罪とは事の軽重を問わず許されないことだし、犯罪者は罪に応じた罰を受けるべきだと思っています。

    年齢や犯人の置かれた状況や境遇など、ケース・バイ・ケースで情状酌量の余地は出て来るでしょうが罪は罪。

    犯罪は犯罪です。

    それでも人権を無視した犯罪は厳罰に処すべき、相応の報いが与えられて然るべきだと思っています。

    僕が例え小説だろうとレイプを容認する内容を許せないのは、そういった理由からです。

    実は昨日の考察に書かなかったことがあります。

    それは「殺人をコメディにする倫理的な問題」です。

    「名探偵 宵月出雲」は、全体的に読めばコメディにも読めます。

    しかしいわゆるコメディチックなセリフや言い回し、描写は一切書きませんでした。

    それでも「笑いました」や「爆笑しました」という感想をいただきました。

    読んでいただければわかりますが、どこにもコメディ的な表現はありません。

    それでも状況的にはコメディなんです。

    例え小説でも人が一人死んでいる。

    しかも殺人です。

    そこに“笑い”の要素を入れることは不謹慎だと思っています。

    しかしネタ的には明らかにコメディ。

    そういう僕の葛藤が、あの作品には現れていると思います。

    ラノベ風味のなろう作品には、人が死んでいるのに軽妙な会話をしたり何事もなく日常が進んだりするお話がある。

    そこにきちんとした説得力のある設定があるのならまだ納得できますが、そうではない作品の方が圧倒的に多い。

    「人が死ぬ」ということを、それだけ“軽く”考えているのでしょう。

    「殺人」はかっこいいものではない。

    とても重いものだと思います。

    それをわかった上で、「死」を作品に取り入れるべきかなって思っています。

    それがなされていない作品は、僕の中ではどうしても低評価になります。

    個人的な好みの問題でしょうが、「小説だから」では僕の中では済まされません。

    とにかく、この判決によって日本の司法が少しでもよい方向へ向かってくれることを祈ります。

    「憎悪」を読んでいただいて、少しでも本村さんの気持ちに共感していただければと思います。



      ▼  ▼  ▼



    シチュエーション限定【殺し愛、空】、絶賛開催中です☆

    ぜひご覧ください^^

    >>「殺し愛、空」企画開催ページ<<


    参加者の方で遅れて投稿された方はご連絡ください。

    参加者の方は企画の趣旨に則って、時間が掛かってもいいのでできる限り参加作品を読んで感想を書いてください。

    よろしくお願い致しますm(_ _)m

    変更・追加があった場合は、企画開催ページに追加いたします^^

    企画に関するお問い合わせ・ご意見等は、コメントかメッセージにて聖騎士までよろしくお願い致します。
  • 2012年 02月21日 (火) 19時39分

コメント

みなさん、コメントありがとうございます。

>ラーさんさん
拙作を覚えていてくださってありがとうございます(*^_^*)
これで少しは司法がいい方向に変わっていけばいいんですけどね。
もちろん今が悪いというわけではないですが、やはり納得いかないところは多いんですよね…
リアリティの欠落は説得力のある仮説ですね。
ネットが普及して、それは余計に加速されているのではないでしょうか。
他人を傷つける言葉を平気で書き込む輩の何と多いことか。
それも中高生など若い世代が中心です。
ほんと危機的状況ですね。
火葬場に関しては「縁起」とか「臭い」とかいろいろ他の要因が入ってくると思うので何とも言えませんが、人は必ず死ぬものですからね。
真正面から向き合って考えていきたいものです。
誤字どんまいです^^

>GAUさん
小説内で「死」を書くことはいいことだと思うんです。
問題は作者の心持ちですね。
ラノベやケータイ小説を読むと、どうしても「死」を演出しているとしか思えない作品がある。
人を殺してなぜ「かっこいい」のか。
その感覚から疑っていかないとダメでしょうね。
言語文化の底辺を担う我々アマチュア作家は、もっと「死」について厳粛に受け止めた上で書いていかなければならないと思っています。

>神村律子さん
神村作品は「死」についてすごく深く考えられていると思います。
だから好きなんですよね♪
「許される殺人はあり得ない」
名言です。

>阪野隆平さん
僕の中では、反省してても死刑でいいと思っています。
それだけのことをしたんですから。
僕も死刑制度撤廃には反対です。
やはり「死」でしか償うことができない罪とはあるものだと思っています。
この事件はその最たるものだと思います。
自殺はまた別問題ですね。
僕の中では。
すること自体を止めることはできないし、その心情は理解できない。
大事なのは周囲の人たちの思いやりでしょうね。
結局は思いやりのある社会になれば、こういった犯罪も起きないし自殺者も減ると思います。
でもまぁネットの現状を鑑みるに、理想からはどんどん離れていってると思います。
以前から言っていましたが、人を殺して「かっこいい」って表現しているラノベには吐き気がします。
「空の境界」をどうしても好きになれなかったのはそのせいです。
「ひぐらし~」も。
ああいう小説をもてはやしてしまうから、今の生命軽視のラノベが跳梁跋扈する現状ができてしまったように思います。

>橘 潤さん
どんなキャラ・設定であろうとも、作者がきちんと命や死について考えた上でならいいと思っています。
そういうのって、行間に滲み出てきますからね。
罪悪感を持てる人間ならば、このような事件は起こさないでしょうね。
それこそ過失致死には、死刑は適用しなくてもいいと思いますが…

>亜差覇蚊さん
「屍姦」って小説や映画の中だけの話だと思っていました。
まさか現実にあるとは。
僕はこういう事件を起こした犯人が、罪悪感を持つとは思えないんです。
仮に持って自殺したとしたら、それこそ許せないですね。
自殺するくらいなら最初から自殺しろと。
こういう事件を起こす前に死ねと言いたいです。
モンスターだろうが極悪人だろうが、「殺す」ということの重さをもっと考えなきゃいけないと思います。
ラノベやアニメ、ゲームの悪影響を受けた中高生がとても多いことが嘆かわしいです。

>新條大輝さん
「共感性の欠如」… なるほどです。
その通りですね。
他人の心の痛みなんて、普通に考えれば簡単に共感できそうなはずなのにできないバカが多いんですよね。
僕はそういう輩を「人間」とは見なしていません。
虫ケラですねw
困ってる人を見捨てておけないなんて、すばらしいですね。
僕は悪事は見逃せない性格なんです。
以前万引きを捕まえたことがあります。
危険だから止めろって、なろうのみなさんに注意されてしまいましたが(^_^;)

>ミミズさん
死刑にしてほしいと思っていただけに、今回の判決はすごく嬉しいです。
人が死ぬのに嬉しいって不謹慎ですが、この犯人はそれだけの罪を犯したと思っています。
12年って長いですよね。
もっとスピーディにできないものですかね。

>kazuauさん
はじめまして^^
詳しく教えていただいてありがとうございました。
勉強になりました。

>他楽さん
なるほど、そうですね。
教えていただいてありがとうございました^^

>ごはんライスさん
作家としては何とも言えませんが、人間的には死刑は必要だと思います。

>へげぞさん
はじめまして。
いえ、それは路傍之さんと同じく盗作ですね。
クレオだと思います。
教えてくださってありがとうございました。
投稿者:聖騎士  [ 2012年 02月22日 (水) 19時41分 ]
聖騎士さん、レジまぐで小説販売している?
「花屋の女の子」という作品が聖騎士さんの名義で販売されてるよ。
http://megalodon.jp/2012-0222-1848-28/regimag.jp/bo/book/detail/?book_id=1280
投稿者:へげぞ  [ 2012年 02月22日 (水) 19時20分 ]
生きる。
これが全て。
何より大事。
そう考えると、最近下された死刑判決。あれには深く考えさせられる。

被告は他人の命を奪った。
しかし、これはあくまでオレの考えだが、被告は死ぬために他人の命を奪ったのだろうか?
違うと思う。人間は時に、己の命を守るために他人の命を奪うことがある。牛や豚を食うじゃないか。ベジタリアンでさえ野菜の命を奪う。
となると、被告を死刑にするのはおかしいのではないか。生きるために犯罪を犯した者を殺す資格がたかが司法にあるのか。

無論、以上のことは作家ごはんライスの意見である。作家は発想がむちゃくちゃな方が面白い。一般人ごはんライスとしては秩序を維持するために死刑制度は必要であると当然思う。死刑制度がなければ、やりたい放題になって社会が維持できなくなる。


葛藤から文学を生みたい。

投稿者:  [ 2012年 02月22日 (水) 18時12分 ]
刑法第28条があるから、最短は10年じゃね?
投稿者:他楽  [ 2012年 02月22日 (水) 17時06分 ]
現在の日本の無期懲役は、ほぼ終身刑で、仮釈放はほとんど認められません。最低でも30年服役する必要があります。実際の運用についてデータを探してみたら
http://www.geocities.jp/masakari5910/satsujinjiken_muki_keiki.html
こちらによくまとまっていましたので、一度ご覧下さい。

ただし、上記は成人の場合ですから、17歳の場合は少年法58条とその2項のからみで、どうなるかはわかりません。
投稿者:kazuau  [ 2012年 02月22日 (水) 16時21分 ]
光子殺人事件は死刑判決が下されたみたいですね。
死刑ちょっと答え難いですけど、裁判でしっかりと決着つけられてよかったですよね。

しかし、被告30(当時18)って、判決に何年かかってるんだか(--;)
裁判とか弁護士にかかる費用もバカにならないだろうに。
投稿者:ミミズ  [ 2012年 02月22日 (水) 08時16分 ]
 うーむ。死を軽んじるのは、共感性の欠如もあるのでしょうね。

 痛みを知らなければ、他者の痛みに共感はできませんし。
 肉体の痛みは簡単に知ることはできるでしょうが、心の傷に共感できるかは経験によりますしね。
 まあ、知らないことは理解も共感できない。それに尽きるのでしょう。

 でも、相手が悩んだり困ったり、苦しんでいることくらいは、想像できるはずだと思うのですがね……。
 そうした相手の気持ちを考えることを汲まなくなった人も多くなりましたね。

 都会を出歩いていた時、困ってる方を見て見ぬ振りする人ばかりで呆れたことがあります。
 私はそういうのを見過ごせない性格なので、つい手を差し延べちゃうんですよね。
 たまに酷い目にあったりするのですがね(汗)
 この思いやりを捨てたら、人間としてダメになりそうで怖いです。

 なんか、まとまりのない話をしてしまいましたね。
投稿者:新條大輝  [ 2012年 02月22日 (水) 01時01分 ]
この事件は最近テレビで出始めてから知りました

内容は父親から簡単にではありますが聞き取りましたが残酷ですね

死刑については私の中で色んな事がありますね
私は死刑の撤廃も存続もどちらもありだと思います
ただ死刑は前にも述べられていましたが執行すればそこで終わり
撤廃すれば罪悪感に潰される

どちらも死刑とほとんどかわらないですよね?
罪悪感に潰されれば自殺を考えるでしょうし、もしくは罪悪感が苛立ちに変わり、また殺人を犯すと言うことにもなりかねません
むしろ撤廃して社会に出す方がヤバイ気はします

それから年齢による減刑は必要ないと思いますね
聖騎士さんも言われてますが罪は罪ですから、そこに年齢なんて壁はあっちゃならないんですよ

この辺りはよく考えて国には決めていただきたいです


小説に関してはそうですね
私も今は諸事情により非公開にしていますが、魔物を倒すシーンは安易に書いたりしてますねf^_^;
書く土台にもよりますが、以降気をつけてみようかと思います。

長文失礼しましたm(__)m
投稿者:亜差覇蚊  [ 2012年 02月22日 (水) 00時15分 ]
 死について、ですか。
 ファンタジーでは、魔物を殺したことに対する罪悪感を持つキャラを一人出してます。
 斬った感触や流れ出る血は大抵、同じなので。
 また、反対の魔物を殺すことをなんとも思わない、一切何も感じないキャラを出すことで、物語に少しだけ深み(?)を出そうと思ってますけど。
 人も動物も、斬ったり殺した感覚は同じなんですよね。

 死刑はなくなったほうが良いんですよね。
 ネタバレなんですけど、「生を持って罪を償え」って言葉を物語の中に出そうと思っているので。
 死ねばその場で楽になれますが、生きていれば罪悪感で押しつぶされそうになる。
 一瞬の肉体的苦しみによる罰よりも、長い精神的苦しみによる罰のほうが辛いですから。
 まぁ、精神がいかれてる人は、前者のほうが良いんですけど。
投稿者:橘 潤  [ 2012年 02月21日 (火) 23時51分 ]
あ、いかん。名前を間違えてる(゜Д゜;)
木村じゃない、本村さんでしたね。なんて失礼な(汗)
投稿者:ラーさん  [ 2012年 02月21日 (火) 23時03分 ]
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