2010-02-11 13:36:15

ゾロゾロ(実名アリアリ)

テーマ:ブログ
さいきん巨乳に恵まれてるしあわせなオレですが。
(もちろん観賞のみ)


患者さんから、ご質問をいただいたので、
ご回答がてら、ひさびさに吠えてみる。

ご質問:

「レンドルミンを、グッドミンというジェネリックに変えてもらったんですが、
 どうも、今までのように眠れないんです。
 ジェネリックって、同じ薬のはずですよね・・・?」


レンドルミンなる非常に一般的な睡眠導入剤があります。
成分名(一般名)は「ブロチゾラム」です。
一応、ブロチゾラム成分が0.25mg入ったくすりなら、
同じ効果を発揮する、はず、
なのですが~、


実は、「後発医薬品」、いわゆる「ジェネリック」、
業界用語で「ゾロ」っていうんですが、

確かに薬効成分は同じということで、厚労省の認可を得ているのですが、
それ以外の、添加物、製材技術・材料、材形などは、まったくバラバラ。

先発品(この場合レンドルミン)が、市場に出るまでには、
吸収する割合、時間、代謝時間、その他ものすごくたくさんのデータを集積して、
さらに、肝心な、効果がどれほどか、副作用は何が起こるか、などなど、
大変たくさんの時間と手間とお金を注ぎ込んだ末、
厚労省の長くきびしい審査を経て、
やっとこさ、市販の認可を得るのですが、

その先発品が市場に出てから10年たつと、
「パテントが切れて」、
よその会社が、「後発品」を作れるようになるのです。

(ちなみに「ゾロ」の語源は、10年たつとゴ●ブリのように「ゾロゾロ」出てくるからです。ww)

ゾロを上市させるためには、先発品が行ったような詳細な臨床試験は全く必要なく、
薬効成分さえクリアしていれば、厚労省はアッサリ認可して、
すぐ市場で売ることができちゃう。

かんたんなんです。

だから、ゾロ会社は、先発会社が長年蓄積した研究データや医療情報すら、
持ってない。
ゾロ会社のMRさんに、突っ込んだ質問をしても、答えはもらえない。
ゾロで医療事故が起こったときのことを思うと、
怖くて想像もつかないよ。

ゾロを売る側(ゾロ会社)のメリットは、
「如何に『安く』作って、如何に『安く』売って」、
そう、まさに薄利多売の、市場原理主義を勝ち抜いて、
他のゾロゾロたちよりもたくさん売れて、
大きな利潤(差益)を得るか、がすべてなわけで、

正直、品質とか、どうでもいいんです!

 (ガ━(゚Д゚;)━ ン !!!)


薬効というのは、主成分の効果はもちろんなんですが、
薬の形、形を作る成分、溶けやすさ、溶ける場所、
そして主成分の吸収しやすさなど、
たくさんの要素で、ものすごく変化するんです!

ご質問の例で、
レンドルミンに比べて、グッドミンが効果が低い、と、
患者さんが感じたのは、まさにそういう理由で、
国家=市場原理主義がもたらした産物であるので、
実際に、薬効が低いゾロもあるんです!!

当院ではグッドミンは処方してませんが、
例えば、ハルシオンという先発品の睡眠薬があるんだけど、
患者さんの希望で、薬局さんで
「パルレオン」というゾロに変更されることがあります。

パルレオン。
名前からして、何となく笑っちゃうんですが、
これはもう、くすりの見た目からして全然違って、
実際、服用した多くの患者さんから、
「変えたら全然眠れない!」と、
クレームが頻発しています。
「パルテノン神殿きかね~よ~!!」と、大笑いして、
今度から本家にしようね、と、
結局処方箋に「後発不可」の注意書きを添えることになります。



まあ、精神科のお薬は、
多くの臨床試験にて、
薬で治ったひとが、たとえば40%いたと言う結果に対して、
プラセボ(比較対照の偽薬)で治っちゃったひとが、
なんと35%もいるという!
(それでも「有意差あり」とカウントされるらしい、うう統計はワカラン)

お薬なんて、
しょせんその程度のレベルの治療効果なので、
「ゾロに変えた」という、換言すれば「安物に替えた」という、
暗示的効果も、患者さんには、相当あることでしょうね。

現行法下では、
ゾロに変えるか変えないかは、患者さんの自由意志です。
医者が先発品ばかりの処方箋を出しても、
患者さんが「変えてくれ」と言えば、薬局でゾロに変えてくれます。
さらに、ゾロに変えることで、薬局は加算点数をもらえちゃうの!!
(医者の場合は、「ゾロはダメ」と処方箋に書くと、逆に減点されるの!)


というのが、ゾロの現状です。


にもかかわらず、自民党小泉政権以来、民主党政権になってもなお一貫して、
ゾロの利用を、国家的に推進する潮流は、なお止まりません。
言うまでもなく、医療費抑制のためです。
医療福祉費というのは、何を差し置いても最優先されるべき予算だと思うオレは、
医療費を抑制してどんどん軍事費に回す国は、
世界一の愚国だと、胸を張って主張したりするわけですが。


まあまあ、

でも、ゾロにも、中には、患者さん想いの良心的なゾロもあって、
例えば、同じレンドルミンのゾロでも、
当院では、「ブロチゾラム錠『EMEC』」というくすりを、処方しています。
患者さんの希望で、薬局で変更してもらうのみならず、
わざわざ「ブロチゾラム錠『EMEC』」を、
オレがご指名で積極的に処方しています。
この薬には秘密があって。
お水なしで、口の中で噛んだり溶かしたりして服用できる。
しかも、味がよい。
その上安い、効果はオレが毎晩飲んでて実証済ですし!

そのように、薬効が明らかなことが大前提で、
(大抵は自分で飲んで確かめてますし、患者さんからの評価も大切に伺ってます)
先発品よりも何らかのメリットがある場合は、
オレは積極的にゾロを処方しています。

念を押すけど、
断じて、医療費削減政策に、ホイホイ乗っかってるわけではないと。




ちなみに、余談だけど、
レンドルミンはじめ、
日本で通常処方されている睡眠薬は、
頑張って頑張って100錠200錠飲んでも、
あまりに何も起こりませんので、
目覚めてがっかりすることうけあいです(笑)。
僕はよく患者さんに、
「バケツ一杯飲んでも、残念ながら、な~んにもおこんないから!」と、
安心してもらってます。


んじゃ。

コメント

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1 ■そうですよね!

医療福祉費よりも、軍事費にお金を重視する国なんて、
愚かだと、愚かすぎると私も思います。
ってか頭にくるっ!!!!!!

人があってこその国なのに、その人民をほったらかしにして、
一機何億もする戦闘機は 湯水のようにお金を使う。

そんな国、悪魔の諸行としか私は思えません。








P.S.
個人的な話ですが、ここのところ良かった体調と心が、あることをきっかけにボロボロになってしまいました。
今度の診察は話が長くなると思います。ゴメンナサイ先生………

2 ■無題

福祉目的の消費税も全部軍事費に使っちゃったから、国は今焦ってるでしょうね。

3 ■希望

携帯の充電器を置いていただけたらありがたいです。

4 ■無題

「ゾロ」ってそうゆう事なんだwww
チョットきもいかも(゜д゜;)・・
でも、ジェネリック助かってまーすγ(▽´ )ツヾ( `▽)ゞ 

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