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凍結乾燥精子で正常ねずみ誕生
4月10日 18時9分

凍結乾燥精子で正常ねずみ誕生
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フリーズドライで5年間保存したねずみの精子を卵子と受精させ、子どもを誕生させることに京都大学の研究グループが成功しました。

京都大学医学研究科の金子武人講師の研究グループは、ねずみの精子をDNAを保護する液体に入れたあと、インスタント食品の製造で広く使われる凍結乾燥技術のフリーズドライの処理を行い、冷蔵庫で5年間保管しました。
その後、水を加えて顕微鏡を使って卵子と受精させたところ、正常なねずみの子が誕生し、さらに次の世代のねずみも生まれたということです。
水を加えたあとも精子は運動しませんでしたが、受精する能力は残されていたと考えられています。
フリーズドライによってねずみのほかにも、ウサギやブタの精子を保存できたという報告はこれまでもありましたが、長期間保存しても受精能力があると証明されたのは初めてだということです。
さらに、これまでは液体窒素を使い、マイナス200度に近い低温で保存していましたが、DNAを保護する液体を使った今回の研究では、室温でも3か月間受精能力を保てることが確認できたということです。
金子講師は「精子を低コストで長期保存できることが分かった。凍結乾燥を使えば、災害時の停電にも備えることができる」と話しています。

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