トップページ科学・医療ニュース一覧名大 排卵促すメカニズムを解明
ニュース詳細

名大 排卵促すメカニズムを解明
4月10日 14時43分

名大 排卵促すメカニズムを解明
K10043382511_1204101516_1204101518

女性ホルモンが、脳の神経細胞に含まれる特殊なタンパク質に作用して排卵を促す仕組みを、名古屋大学の研究グループがマウスを使った実験で明らかにしました。
哺乳類に共通の仕組みとみられ、家畜の繁殖技術の向上や、ヒトの不妊治療の改善につながると期待されています。

名古屋大学農学部の束村博子准教授らのグループは、排卵の間近なマウスと、そうでないマウス20匹ずつで脳の中の変化を観察しました。
その結果、排卵の間近なマウスでは、女性ホルモンのエストロゲンが分泌されると、脳の神経細胞に含まれる「ヒストン」と呼ばれる特殊なタンパク質が活性化していました。
排卵間近のマウスは、そうでないマウスに比べて、活性化して変化したヒストンの量が数十倍に増え、排卵を促すさまざまなホルモンの分泌量も増えていたということです。
これまで女性ホルモンが脳に作用して排卵を引き起こすことは分かっていましたが、グループによりますと、排卵に至る詳しいメカニズムを明らかにしたのは初めてだということです。
束村准教授は「女性ホルモンの作用が具体的に分かったことで、家畜の生殖障害の治療など繁殖技術の向上、ひいてはヒトの不妊治療の改善につながると期待できる」と話しています。

[関連ニュース]
このページの先頭へ