原子力学会:福島原発事故、独自調査へ 「志低い」批判で
毎日新聞 2012年03月19日 21時22分
日本原子力学会(田中知会長)は19日、東京電力福島第1原発事故について独自の報告書を6月末にもまとめることを決めた。同日福井市で始まった定期大会で、参加者から「学会として科学的な事故分析をまとめていないのは志が低すぎる」と批判が出たため。
同学会は事故を受けて調査専門委員会を設置、5月に提言としてまとめた。しかし炉心溶融や水素爆発などがどう起きたか事故の詳しい分析はしていない。
大会初日のこの日、事故の特別シンポジウムが開かれ、沢田隆副会長が政府の事故調査委員会など他機関の調査と、学会の提言との比較を発表した。ところが会場から「福島第1原発で何が起きたかを学会として科学的分析をして明らかにすべきだ」と独自調査を求める声があがった。このため今後、東電や経済産業省原子力安全・保安院などが公表している同原発の温度や圧力などのデータを精査する。