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天皇陛下 本格的に公務に復帰
4月10日 18時9分

天皇陛下 本格的に公務に復帰
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心臓の手術を受け療養していた天皇陛下は10日、およそ2か月ぶりに国事行為を再開し、本格的に公務に復帰されました。

ことし2月、心臓の冠動脈の手術を受けた天皇陛下は、先月4日の退院以降、お住まいで療養しながらリハビリを続け、公務はごく一部にとどめられていましたが、9日の検査で、胸にたまった水が減る傾向にあり、全身の状態も回復傾向にあることが確認されました。
これを受けて天皇陛下は、手術以来、皇太子さまによる代行が続いていた国事行為をおよそ2か月ぶりに再開し、早速、政府から送られてきた書類に目を通されました。
国事行為の再開で、天皇陛下は本格的に公務に復帰することになり、10日は日本を訪れているイギリスのキャメロン首相と皇居宮殿で懇談されました。
首相は、エリザベス女王からの伝言として「天皇陛下の一刻も早い回復を祈っています。ことしは自分が即位してから60年に当たり、陛下を招待している記念の式典でお会いできればうれしいです」と伝えたということです。
天皇陛下は、感謝の気持ちを表したうえで、19歳で初めて外国を訪れた際、女王の戴冠式に参列したことに触れ、「その旅行を懐かしく思い起こします」と述べられたということです。
医師団は今後の天皇陛下の活動について、胸にまだ水が残っているため、当分の間、身体的・精神的な負担をできるだけ少なくすることが大切だとしています。
一方で、前立腺がんの手術後の投薬治療の副作用による骨粗しょう症の予防や体力の回復のためには、適度で継続的な運動が必要不可欠だということです。
宮内庁は、こうした点のバランスを取りながら、天皇陛下の一つ一つの公務について日程や時間を工夫するなどして負担の軽減を進めていく方針です。

天皇陛下 公務本格復帰まで

天皇陛下は、ことし2月18日に東京大学附属病院で手術を受けられました。
天皇陛下は医師団の想定どおり回復し、手術から2日目には集中治療室から特別病室に移られました。
その後、病院の廊下や階段を歩くリハビリに取り組み、当初の予定どおりおよそ2週間後の先月4日に退院されました。
お住まいの御所に戻ってからも庭の散策などのリハビリを続け、全身の状態は回復傾向にありましたが、胸にたまった水が吸収されるペースが予想よりも遅れ、2度にわたって水を抜く治療を受けられました。
その一方で、天皇陛下は少しずつ公務を再開されました。
先月には、東日本大震災の犠牲者の追悼式に出席しおことばを述べたほか、国賓として来日したクウェートの首長との会見などにも臨まれました。
最近では、息切れがほとんどなくなって散策の時間も長くなり、静養先の神奈川県の葉山でも海岸を1時間にわたって散策するなど、本格的な公務復帰に向けて体力の回復に努められていました。

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