2012年3月26日、香港紙・アップルデイリーは、1989年6月4日に起きた「天安門事件」に対する当局の検閲が緩められているようだと報じた。中国の温家宝(ウェン・ジアバオ)首相が事件の再評価を非公式に提案したとも伝えられている。
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民主化を求めて天安門広場に集結した大学生らを人民解放軍が武力鎮圧した天安門事件に対する中国政府の見解は「反革命暴乱」。事件後、中国のインターネット上で関連用語や画像を検索しても、検閲にひっかかり表示されることはなかった。
ところが、24日に米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)の記者が試しに「六四天安門事件」で検索してみると、中国の検索サイト「百度(Baidu)」で関連画像がヒット。学生らに寛大な姿勢を示し、失脚した趙紫陽(ジャオ・ズーヤン)元総書記を追悼する「記念館」がネット上にいくつも開設され、趙氏を称賛する書き込みが溢れているが、これも黙認状態のようだ。
こうした変化について、北京の学者、張耀傑(ジャン・ヤオジエ)氏は「中国政府が故意に検閲を緩め、民意を試しているのかもしれない」と指摘。秋の中国共産党第18回全国代表大会(十八大)後に「政治改革」が本格化するとの見方が広まっていることから、「まずはこの最大のタブーから着手しようとしているのでは」との考えを示した。(翻訳・編集/NN)