福井・大飯原発:おおい町長側、原発工事 取締役の会社受注、6年で4億4800万円
毎日新聞 2012年04月06日 大阪夕刊
時岡町長は88年に起業したが、当初の経営は今ほど順調ではなかった。ある同業者は「10年あまり前の年末、町長が自ら(下請けの)仕事が欲しいと、うちに頭を下げに来たことがある」と明かす。しかし、原発関連工事の受注は次第に増え、04年度に約1000万円だったのが10年度は約1億円に。原発構内に事務所を構えるようになった。町長は「息子の営業努力で業績を伸ばした。私は(96年に社長退任後)経営に関わっていないし、町長の立場を使って工事を取ったこともない」と説明する。
一方、同社が不況でも業績を伸ばす背景に「関電の配慮」があるとみる業者も多い。同社の従業員は15人前後で、別の同業者は「あの規模で関電と直接取引するには相当な人脈か政治力が必要だ。関電は発注によって町長と良い関係を築き、物事を有利に進めようと考えているのでは」と指摘する。