2011-10-15(Sat)
『それでも、生きてゆく』のアグレッシヴさと見事なオブラート
ええっと...
間があいちゃっておマヌケですが、
DVDが出たりTVドラマの国際的コンクールで何かを受賞したりするのを待つ間
自分勝手に礼讃レビューを続けていきます。
脚本の坂本裕二さんの
デリケートなトピックをさりげないシーンやセリフで
露悪的でなく、かつ十分に伝えるという手腕は
前作『Mother』でも発揮されてましたが、
この『それでも』でもまた随所で冴えまくってましたねー。
中でもとりわけ印象深かったのは、
大竹しのぶさん演じるお母さんと
満島ひかりちゃん演じる双葉の
バス停での何気ないおしゃべりから、
お母さんの心の中に、誰にも知られることなく潜み続けていた
女の子を持つ母親であるからこその、より深い
哀しく切実な後悔と怒りと悲しみと絶望の形が
はじめて露になるという一連のシーン/エピソード。
このエピソードに注がれた細やかなデリカシーは、
人間ドラマにヒリヒリするような真実を盛り込むそのアグレッシヴな姿勢と
表裏一体に常にドラマ全編にわたって見られるものです。
「暗い」「重い」「痛々しすぎて観るのがツラい」
みたいな評判から観ないことを敢えて選んだ人もいるかもしれませんが、
このドラマのすごいところは、
スキャンダラスなセンセーショナリズムを排して
すみずみまで行き届いた
内容とスタイルの奇跡的なまでに洗練された同居にあるのです。
それはたぶん、世界的な「名作」と呼ばれる映画の数々にも
めったなことでは見られないくらいの高度さであり、
その世界標準のスゴさに対する評価は
むしろこれから後追い的に遅れてやってくるものだと思います。
書きたいことが混乱して一体化して訪れてしまうこのドラマ、
これからも小分けにしつつ、短いエッセイとして
何度も折りにふれレビューしてみたいと思います。
今日は短めにこのへんでさようなら。
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