水原バラバラ殺人:捜査班長が指令を黙殺

刑事はパトカーで居眠り

 京畿道水原市で20代の女性を殺害し、遺体を切断したオ・ウォンチュン容疑者(42)は、警察の調べに対し「被害者Aさんを連れ去った後、6時間にわたって監禁し、今月2日午前5時ごろに殺害した」と供述したことが分かった。警察の対応の不手際、とりわけ112番(日本の110番に相当)通報担当者の判断ミスにより、助けを求めるAさんの6時間にわたる戦いは無残な形で終わった。

 京畿地方警察庁の徐千浩(ソ・チョンホ)長官は8日、監察の結果を発表し「112番通報センターの担当者が、通報から5分後に通報者の携帯電話の基地局を確認し『セマウル金庫(信用組合に相当)の基地局から158メートル離れた、池洞小学校からモッコル公園の方向』と2回にわたり指示したが、捜査班長はこれを無視した」と説明した。

 本紙記者が確認したところによると、112番通報センターの担当者が推定した犯行現場の範囲には、実際の犯行現場を含め65戸ほどの人家があった。

 結果的には、警察がAさんを捜索するため最終的に動員したとされる34人の捜査員が、手分けしてそれぞれ2世帯を捜索しただけでも、Aさんを救出できたことになる。

 本紙の取材によると、Aさんは連れ去られてから警察に通報するまでの間、救出の機会が少なくとも4回あったことが分かった。Aさんは6時間も恐怖にさらされ、最後まで警察が来るのを待ち続けた。

■「セマウル金庫から158メートルの地点」 指令を黙殺

 警察は8日、監察の結果を発表した際「112番通報センターの担当者が『セマウル金庫の基地局から158メートル離れた、池洞小学校からモッコル公園の方向』と推定し『池洞小学校の向かい側、トンオ・マンション近くの住宅街の方向』と2回にわたり指令を下した」と説明した。ところが、この報告を基に新たな指令を下さなければならない捜査班長がこれを無視したことが、警察による監察で明らかになった。現場の担当者は「池洞小学校を少し過ぎたところにある家(の中)」という被害者の具体的な通報に続き、より具体的な警察の指令まで黙殺したというわけだ。

 本紙記者が現場を確認したところ、112番通報センターの担当者による分析は正確だった。犯行現場はセマウル金庫から150メートルほど離れた、池洞小学校の向かい側とトンオ・マンションの間の住宅街にあった。112番通報センターの担当者が犯行現場と特定した地域の戸数は65戸ほどだった。今回の事件で最終的に動員された34人の捜査員が、手分けして2世帯を捜索しただけでも、Aさんを救出できたことになる。ところが、112番通報センターの担当者の指令が黙殺され「モッコル公園の手前の池洞小学校方面」というあいまいな指令だけが守られ、警察が聞き込みを行う範囲は3000世帯に拡大された。警察は「推定された場所が広範囲だったため、携帯電話の基地局周辺や、犯行現場から800メートル離れたモッコル公園の周辺、池洞小学校の運動場、廃屋など、見当外れな場所を探すことになった」と説明した。

ソン・ウォンヒョン記者
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