水原バラバラ殺人、犯人像を追う

 オ容疑者は普段、パソコンデスクの前で過ごしていたとみられる。出張性風俗とみられる内容の名刺サイズの広告、女性のヌード写真が印刷されたカード、たばこ1カートン、中国・延辺で作られた蒸留酒「老朝陽白酒」(5リットル入り)が置かれていた。酒は4分の1ほどが飲まれた状態で、事件当日も酒に酔っていたとみられる。この酒はアルコール度数が38度あり、普通の人ならば、韓国で一般的なおちょこサイズのグラスで3杯も飲めば酔いが回る。オ容疑者は取り調べに対し、「酒が好きで、事件当日も酒を飲み、風に当たろうとして外出したところ、女性と肩がぶつかり、言いがかりをつけた」と説明。また、「1カ月に1回は売春街に行っていた」とも話しているという。

 オ容疑者は京畿道で単純労働で月に150万-200万ウォン(約11万1000-14万7000円)を稼ぎ、預金通帳には700万ウォン(約51万6000円)ほど残高があった。オ容疑者は女性を殺害し、バラバラにした後、午前5時ごろに遺体を捨てるためのビニール袋を買いに行っていたことも判明した。近所の店主は「午前5時ごろ、店を開けるや否や、オ容疑者がやってきて、『黒くて大きいごみ袋はないか』と尋ねられた。『青いごみ袋なら大きいのがある』と答えると、(オ容疑者は)『青じゃだめだ』と言って出ていった」と証言した。店主によると、当時のオ容疑者は「泰然としていた」という。

 専門家はオ容疑者の様子を典型的な「反社会的人格障害」だと指摘する。京畿大犯罪心理学科のイ・スジョン教授は「殺人を犯し、ビニール袋を買いに行ったというのは、とても危険な犯罪者だ」と指摘した。

 一方、警察の対応にも問題が指摘された。警察は女性の電話による通報を受けた際、5回も「どこだ」と聞き返していた。また、初動段階で出動したのは、警察官5-6人とパトカー2台だけで、パトカー4台、警察官35人が投入されたのは4時間後だった。また、周辺住民は「警察は事件当夜にはほとんど聞き込みを行わず、聞き込みを始めたのは朝になってからだった」と話した。

宋元亨(ソン・ウォンヒョン)記者
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