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科学
厳しい夏の供給、説得に課題 関電 拙速批判、どう払拭
2012.4.10 08:24
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関西電力が大飯原発(福井県おおい町)3、4号機の中長期的な安全対策を盛り込んだ工程表を提出したことに対し、地元からは工程表を評価する声も出ている。政府は安全性だけでなく、今夏に想定される電力不足を踏まえた安定供給の重要性も地元への説得材料とする考えだ。ただ、一連の対応を「拙速」とみる批判は根強い。思惑通りに大型連休までの再稼働にこぎつけ、原発ゼロを回避できる保証はまだない。
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「安全性がおおむね確認されたので、必要性の議論に入った」。枝野幸男経済産業相は9日の会見で、再稼働判断が新たな段階に入ったことを表明した。6日に決まった新たな安全基準のうち、短期的対策とストレステスト(耐性検査)1次評価はほぼクリア済みだった。工程表を受けて安全性の確認作業を事実上終えたことになる。関電の八木誠社長も「福島第1原発のような事故に至らない安全性は確保できている」とし、積極的な対策を示したと訴えた。
問題は、要請の3日後に工程表が出るなど、一連の対応が「拙速」と受け止められかねないことだ。免震事務棟の設置場所なども決まっておらず、具体化は今後の課題。地元同意の範囲を拡大するかどうかも不透明で、説得作業が難航する恐れは残っている。
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