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国際
【今、何が問題になっているのか】電子レンジより弱い最先端兵器
「電子レンジよりパワーが弱い最先端兵器」が開発されたのには驚いた。米バージニア州の海兵隊基地で3月、その奇妙な兵器のメディア向け体験会が開かれたが、体験した記者の感想もまた、何とも奇妙だった。(SANKEI EXPRESS)
「なぜか分からない。しかし、突如沸き起こる熱?の、我慢できない体感だけは確かだ」
海兵隊のトレーシー・タフォラ大佐は、この兵器に関し「見えも、聞こえも、臭(にお)いもしない。ただ感じるだけだ」と説明する。
電磁波で極度の不快感
兵器の名は「アクティブ・ディナイアル・システム(ADS)」。大佐は、開発期間15年のADSについて、強力な電磁波で、人を殺傷することなく「極度の不快感を与えるのみ。百歩譲って軽いケガを負わせるだけだ」と言い切る。
2010年にアフガニスタンで短期間配備されてはいるが、作戦行動に投入されてはいない。海兵隊としては今後、暴徒排除をはじめ検問所・国境・立ち入り禁止区域・各種重要施設における警備などでの「威力」発揮を期待している。
ただ、有効射程は1キロと、この種の兵器にしては長いから、さぞ人体に悪影響を及ぼすと危惧してしまう。食品を温める際に発出する電子レンジのマイクロ波の、人体への影響が頭の片隅にあるからだが、実体はそうではないらしい。
「周波数」に秘密があるのだそうだ。つまり、電子レンジのマイクロ波は調理する肉塊の奥まで届くが、ADSが照射する95ギガヘルツの電磁波は、皮膚の表面から0.4ミリ程度までしか届かない。こうしたことから、確かにADSのビーム(電磁波の細かい流れ)は、電子レンジの100倍ものパワーを発するが、電子レンジにできるポップコーンさえ作ることが適(かな)わない。
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